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【新型コロナ】犬にアルコール消毒は危険!消毒・除菌におすすめな方法とは?

前回の記事、「新型コロナウイルスはペットにも感染するの?対策は?」の中で消毒・除菌の方法についてご紹介しました。新型コロナウィルス対策でアルコール消毒を行っている家庭もあるかもしれませんが、犬を飼っているご家庭では注意が必要です。この記事ではペットを飼っている家庭に推奨する消毒・除菌の方法をご紹介します。
  • 本記事は獣医師を中心とした株式会社DogHuggyのTrust&Safetyチームによって作成された記事です。
  • 本記事は2020年4月24日に書かれたものです。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連する情報は日々更新されています。最新の情報は公共機関のホームページなどを確認しましょう。

そもそも新型コロナウイルスってどんなウイルス?

新型コロナウイルスに対する次亜塩素酸水の有効性について説明する前に、まずは新型コロナウイルスの特徴についてお話します。

新型コロナウイルスの正式名称は“Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2)”といい、重症急性呼吸器症候群(SARS)を引き起こすSARSコロナウイルス(SARS-CoV-1)と同様にベータコロナウイルス属に分類されています。

新型コロナウイルス、SARSコロナウイルスの他にも人間に感染するコロナウイルスは5つ知られており、その1つが中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)、残りの4つは全てかぜ症候群(いわゆる風邪)を引き起こすウイルスです。

これらのコロナウイルスはいずれも同様の構造をしており、その構造的特徴の1つに“エンベロープを持つ”という特徴があります。

エンベロープとは脂質二重膜でできた構造のことで、ウイルスにはエンベロープを持つウイルスと持たないウイルスがあります。これは、消毒薬の有効性を語る上で重要な特徴です。ちなみに、インフルエンザウイルスはコロナウイルスと同様にエンベロープを持っていますが、ノロウイルスはエンベロープを持っていません。

新型コロナウイルスに有効な消毒方法は?

2020年4月15日、経済産業省より「新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価を行う」との発表がありました。

これまでの調査結果を踏まえて有識者による検討委員会を開催し、新型コロナウイルスに有効な可能性がある消毒方法として、以下が選定されました。
・「界面活性剤(台所用洗剤等)」
・「次亜塩素酸水(電気分解法で生成したもの)」
・「第4級アンモニウム塩」

※ 経済産業省リリース「新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価を行います」より一部抜粋

この発表を受けて、「どうしてこの3つの消毒方法が選ばれたの?」と疑問を抱いた方もいるのではないでしょうか。

さて、ここで重要になるのが、前章で説明した、“コロナウイルスはエンベロープを持っている”という特徴です。

今回、上記3つの消毒方法が選ばれた理由の1つに“エンベロープを持つウイルスへの有効性が報告されていること”が挙げられます。(※他にも供給の安定性など複数の理由があります。)

例えば、界面活性剤は、ウイルスのエンベロープ(脂質二重膜)や膜タンパクを変性させることによる抗ウイルス効果が論文等で広く支持されており、過去にSARSコロナウイルスへの有効性も示されています。

また、次亜塩素酸水もエンベロープを持つインフルエンザウイルスに対する抗ウイルス効果が論文で広く支持され、実験動物施設や畜産動物施設における動物コロナウイルスの汚染対策としても消毒効果が報告されています。

このように、

・消毒方法A(仮)はエンベロープを持つウイルスへの有効性が報告されている
・新型コロナウイルスはエンベロープを持つウイルスである

「消毒方法Aは新型コロナウイルスに対しても有効な可能性がある」

という論理で今回の検証試験が決まったということです。

なお、加熱(80℃以上・10分間)・アルコール消毒液(70〜80%)・次亜塩素酸ナトリウム(0.05%)は既に新型コロナウイルスへの有効性が確認されていることから、新たな検証は不要との判断がなされています。

ペットのいる家庭でも使える消毒方法は?

前章では、既に新型コロナウイルスへの有効性が確認されているものと新たに有効性評価が行われるもの、合わせて6つの消毒方法を紹介しました。しかし、どの消毒方法も何にでも使えるというわけではありません。

ペットは床に直接触れていますし、また、床を舐めることもありますので、ペットのいる家庭ではどの消毒方法を使えるのか不安になりますよね。

独立行政法人製品評価技術基盤機構のHPでは、それぞれの消毒方法が手指・食品・物品のいずれの消毒に用いることができるのかがまとまっています(表1)。ここで、手指かつ食品の消毒に利用可とされているのは、アルコール消毒液と次亜塩素酸水(※どちらも一部例外あり)なのですが、ここで注意点があります。

犬や猫はアルコールを分解することができません!

人間と違って、犬や猫はアルコールを分解する酵素を持っていないからです。中毒量や致死量には体重による差や個体差がありますが、中にはほんの少し舐めただけでも命に危険が及ぶことがあります。

そのため、現時点では、ペットのいる家庭で用いる消毒方法としては次亜塩素酸水が安全と考えられるでしょう。
※ただし、前述の通り、次亜塩素酸水の中でも一部例外もあります(次亜塩素酸ナトリウム等を混ぜて作られた製品など)。成分を確認してから使用するようにしましょう。

(※1)一部のもののみ該当
(※2)一部例外的に利用できるものあり
(※3)食品衛生法上の食品添加物に該当するもののみ

まとめ

  • 新型コロナウイルスはエンベロープという膜を持つウイルスである
  • エンベロープを持つウイルスへの有効性が報告されている消毒方法は新型コロナウイルスに対しても有効な可能性がある
  • ペットのいる家庭で用いる消毒方法としては次亜塩素酸水が安全と考えられる

※2020/5/12追記※ 次亜塩素酸水の販売を再開しました

参考文献

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