トレーニング・Tips
2018年6月1日
子犬を飼い始めたら、お家で静かに遊んでばかりいてはいけません。子犬には、多くのことを吸収する社会化期という時期があり、この期間に色々なことを学習しなければいけません。子犬の社会化期にするべきことをご紹介します。

子犬の社会化期


犬のライフステージは、基本的に3段階に分かれます。

①幼犬期 生後18週齢
②青年期 生後18週齢~2,3歳
③成犬期 3歳以上

さらに、幼犬期は次の3段階に分かれます。

①新生児~生後2週齢
②生後3週齢~12週齢
③生後13週齢~18週齢

このうち、社会化期と呼ばれるのは生後12週齢頃までで、子犬が他人との関わり合いを通して、社会的に適切な行動や経験のパターンを発達させる時期です。動物行動学では、群れで生活する動物の子供が、群れで育つ中で自分の仲間との社会関係を習得し、その群れ社会の一員として必要な下地を身に付けていく過程を言います。

「動物の愛護及び管理に関する法律」では、生後56日未満の犬及び猫の販売または販売のための引き渡し、展示を禁止していますので、子犬がご家庭に迎えられるのは、早くても生後2か月、8週齢頃になります。

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子犬の社会化:生後3か月までにすること

子犬を家に迎えてから急いですることは、人への社会化です。社会化期である12週齢、生後3か月までに、子供、男性、見知らぬ人を含む、少なくとも100人に会わせなければいけません。この月齢ではワクチンが終わっていない為、外を歩かせることはできませんので、方法としては、抱っこして散歩に行くか、お家に多くの人に遊びに来てもらう、もしくは遊びに行くことになります。

同じ人ばかりではなく、新しく出会う人100人から、トリーツやフードを1粒もらうようにしましょう。この時、子供や男性は特に、子犬をからかったり追いかけまわすことがあります。犬自身が肯定的に受け取り、楽しんでいれば良いですが、不快に感じて怯えることもありますので、子犬から目を離さないように注意してください。

子犬の性格が台無しになってしまう危険があります。人間の他にも、車や自転車、工事現場や幼稚園、小学校など、色々な風景を見せ、音を聞かせてあげましょう。子犬のうちに、騒音や、子供の動きまわる様子に慣れておくことはとても重要です。

また、身体中の色々なところを触られる練習もしなければいけません。これをしておくと、トリミングや獣医さんにお世話になるとき、飼い主さんも犬自身もとても楽です。膝の上に子犬を乗せて落ち着かせ、抱きしめたり、仰向けにしたりしながら身体の隅々まで触ります。飼い主さんだけでなく、色々な人にもやってもらいましょう。

最後に、要求されたら大事にしているものを手放させることを教えましょう。食器、オヤツ、ボール、おもちゃ、ごみなどです。別のおもちゃやトリーツと引き換えに、要求したらいつでも咥えているものを手放す練習をしましょう。

子犬の社会化:生後4か月までにすること

子犬のうちにするべき重要なことの中に、咬みつきの抑制ができることがあり、これは4か月半までに身に付けるべきと言われています。犬が人に咬みついたり、他の犬とケンカをしてしまったとき、傷がどの程度かによって、問題の大きさが変わってきます。咬みつきの抑制が上手にできる犬は、人の皮膚に歯を立てたりでず、万が一歯が当たってしまったとしてもケガを負わせるようなことはしません。犬同士のケンカにしても、許容できる範囲で言い争っているにすぎず、ケガをさせるようなことはしません。

やってはいけないのは、咬みつくのをやめさせようとして叱ることです。罰を与えても、一時的に咬みつかなくなるだけで、万が一身の危険を感じて誰かに咬みついたとき、力のコントロールができなくなってしまいます。

一番理想的なのは、子犬同士もしくは社会化された成犬と一緒にケンカ遊びをすることです。それができないのであれば、飼い主が代わりに相手になってあげましょう。子犬に咬まれたら、「痛い!」と叫んで遊びを中断し、場合によっては子犬を無視したり部屋から出て行ったりします。それからまた子犬のところに戻って仲直りをし、遊びを再開しましょう。

最後に

子犬を育てるのはとても大変ですが、社会化されて咬みつきの抑制ができている犬は、その後の青年期に対応するのもずっと楽になります。犬の行動は常に変化していくので、社会化期後もしつけは必要ですが、楽しくトレーニングができるはずです。10年以上一緒に暮らす愛犬との生活を楽しいものにするために、十分に社会化し、それを維持できるようにすることが大切です。