トレーニング・Tips
2021年3月29日
一般社団法人ペットフード協会の調査によると現在、日本全国で飼われている犬の数は約848万9,000頭と推計されています。コロナ禍で在宅時間が増えたことも影響しているようで、2019年から2020年にかけては、新規飼育者が過去5年間の中で最も増えているとのこと。これから犬と暮らしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。犬と暮らすために、まず「どこから犬を迎えるか(入手方法)」について悩む方も少なくないと思います。例えば、ペットショップやホームセンターなどの店舗で購入する、ブリーダーから直接購入する、保健所で譲り受けるなど、様々な場所で犬と出会うことができる中で、どのような入手方法が人気なのでしょうか。また、近年注目されている入手方法や、犬と人の共生に向けた日本の取り組みなどもご紹介します。

ペットショップでの購入が最も多い

まず、犬との出会い方として、以下のようなものが挙げられます。

  • ペットショップなどの店舗で購入
  • ブリーダーから直接購入
  • インターネットを通じて購入
  • イベントや出張販売で購入
  • 保健所や動物愛護センターなど自治体からの譲渡
  • 民間の動物愛護団体などからの譲渡
  • 友人や知人からの譲渡
  • マッチングサイト経由での譲渡
  • すでに犬を飼っていて自宅で繁殖して増える
  • 野良犬を拾う
  • 野良犬が居つく など

2017年度に行われた東京都福祉保健局の調査によると、「ペットショップで購入した」という割合が64.2%と最も多くなりました。そして、「知人から貰った」が13.9%、「ボランティアからの譲渡」が6.8%と続いています。


犬との出会い方結果-図1
出典:東京都福祉保健局「東京都における犬及び猫の飼育実態調査の概要 (平成29年度)」図6.3-30 犬の入手方法(構成比)

また、一般社団法人ペットフード協会の調査(令和2年全国犬猫飼育実態調査)でも、「ペットショップで購入」の割合が52.4%と最も多くなりました。このように、ペットショップで新しい家族となる犬と出会う人が多いようです。


犬との出会い方-図2
出典:一般社団法人ペットフード協会「令和2年全国犬猫飼育実態調査」ペット飼育経験と情報源・入手先 P.98

ブリーダーとつながるサービスにも注目

犬の入手方法としては、長年にわたってペットショップでの購入が高い割合を占めていますが、近年はWebサイトやアプリを通じて犬と出会うという人も増えました。
例えば、図2にあるように「里親探しのマッチングサイトからの譲渡」は3.8%とまだ割合は多くありませんが、近年利用者が増えているサービスの一つです。動物保護活動を行う法人や個人によって、やむを得ない理由で手放さなければならなくなった成犬や生まれたばかりの子犬の里親募集が行われています。

また、図2では「業者のブリーダーから直接購入」「友人・知人のブリーダーから直接購入」した人の割合を合わせると20.1%にもなり、需要が高い入手方法だといえるでしょう。実際に、犬を飼いたい方が全国各地のブリーダーと直接つながることができるサービスもあり、注目を集めているところ。例えば、株式会社アニマライフが運営する『ブリーダーナビ』は、“優良ブリーダーと未来の愛犬を探す方のマッチングサイト”です。登録ブリーダー数は1,470人、掲載頭数は2,832頭(2021年3月22日時点)で、トイプードル・チワワ・フレンチブルドッグ・柴犬など出会うことができる犬種は非常に幅広く、サイト上でお気に入りの子犬を見つけたら、直接ブリーダーに質問・相談して、犬舎を見学した後に購入することができます。

同サービスは、サイト訪問者数が2019年から2年間で5倍以上に伸びているそうで、ブリーダーと愛犬を探す方とのマッチング数も同じく5倍以上に増加しているなど急成長を続けています。

ADVERTISING

広告

ブリーダーから直接わんちゃんを迎える4大メリット

ブリーダーからわんちゃんを直接迎えるメリットを『ブリーダーナビ』に伺ったところ、以下4つのポイントを挙げられていました。

  • 健康なわんちゃんをお迎えできる
  • 社会性の高いわんちゃんをお迎えできる
  • 安心な取り引きが可能
  • お迎えした後のサポートも充実

そもそも『ブリーダーナビ』の立ち上げには、子犬を繁殖するブリーダーのもとで子犬が生まれてから飼い主の手に渡るまでの流通段階において、 多くの子犬が命を落としていることが大きく関係しているそうです。子犬は生まれてばかりでまだ免疫もない状態で、過多な移動や狭いショーケースなどの環境で過ごすことで、 多くのストレスがかかり、環境の変化に耐えられずに命を落としてしまうという現実があります。だからこそ同サービスでは、優良なブリーダーのもとにいる子犬の情報を掲載し、愛犬を探している方と子犬・ブリーダーを安全につなぐ場を提供しているのです。

引き渡しまでに、ブリーダーがストレスや免疫力低下などのリスクからわんちゃんを守っているほか、基本的なしつけを済ませておくことも多いようです。また、子犬がどのような環境で生まれたのかを直接見学することができるほか、『ブリーダーナビ』独自の登録基準をクリアしたブリーダーだけが掲載されているという特徴もあり、安心してわんちゃんを迎えたいという方にもピッタリでしょう。

家に迎えた後も飼育の相談に乗ってくれるブリーダーが多いとのことで、初めてわんちゃんと暮らす方や、今まで飼育したことがない犬種を迎える方などにとって心強いサポートとなります。これから犬と暮らしたいという方は、マッチングサービスの活用によってお気に入りのわんちゃんと出会うことができるかもしれません。

 

『ブリーダーナビ』ユーザーによる愛犬の探し方

『ブリーダーナビ』を利用して新たな家族を迎えた方の声を見てみると、多くは犬種や毛色を決めた状態で、好みの子犬を探している印象です。中にはサイトに掲載されている子犬の写真を見て、一目惚れしたという方も。

『ブリーダーナビ』が過去に実施したアンケートでは、子犬を探していると回答した方(527人)のうち、家族に迎えたい子犬の条件に関して「なんとなく決めている」が52.8%、「はっきり決めている」が41.6%、「まったく決めていない」が5.5%、無回答0.1%という結果が出たとのこと。このようにほとんどの方が「こんなわんちゃんを迎え入れたい」という希望を決めたうえでサイトを訪問し、実際に条件に合ったわんちゃんと出会えているようでした。

また、同サービスではLINEで要望を伝えると、『ブリーダーナビ』事務局が子犬探しを手伝ってくれるそうです。1対1のトークができるため、希望がすでに決まっている方も、「自分にどんな子が合っているかわからない」という方も、まずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

 

犬と人の共生に向けた日本の取り組み

一方で、自治体の保健所や動物愛護センターなどに引き取られる犬の数は、年間3万2,555頭にのぼります。(出典:環境省「動物愛護管理行政事務提要(令和2年度版)」4. 犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況(全国統計))

引き取られた犬は、飼い主に返還されたり、新たな飼い主に迎えられたりします。引き取り数は年々減少していて、返還・譲渡率も増加していますが、返還・譲渡の取り組みにも限界があり、殺処分される数も少なくありません。殺処分数も年々減少しているものの、犬を飼っている人のうち57.7%は「シェルターを知らなかった」と回答した調査結果もあり、自治体の動物愛護センターなどが運営するシェルター からの譲渡の存在について、そもそも知らないという割合も多いのです。(出典:一般社団法人ペットフード協会「令和2年 全国犬猫飼育実態調査」愛護団体からのペット入手について)

日本では不必要な殺処分ゼロに向けた取り組みなどのために、飼い主に責任を持って飼い続けてもらうための意識改革を推進しています。犬をどこから迎え入れるのかについても「動物取扱業者を選ぶときのポイント」として紹介していますので、ぜひ一度ご覧ください。

まとめ

これから犬との暮らしを考えている方に向けて、犬との出会い方についてご紹介しました。購入や譲渡などいくつかの方法がありますが、適切な方法でわんちゃんを家族として迎え入れ、飼い主としての責任を持って暮らしていくことが大切です。また、愛犬家として社会が抱える課題にも目を向けて、犬と人が暮らしやすい社会を一緒につくっていきましょう。