2019年10月13日
【犬種図鑑】甲斐犬は謎に包まれた犬種?その特徴や性格をご紹介
甲斐犬って、どんな犬?
「甲斐犬」と聞いて、どのような犬か想像できますか?日本犬の中でも、柴犬や秋田犬とは違って、あまり馴染みがない人も多いのではないでしょうか。
ピンと立った耳に、狼のような堂々とした風貌が印象的な甲斐犬。キュッと引き締まった、筋肉質の体つきからも分かるように、甲斐犬は古くからイノシシやカモシカの猟犬として活躍してきました。
山梨県の甲斐地方が原産であることから、その名がついたと言われています。。日本生まれの犬種ですが、意外なことにルーツは北海道犬やチャウチャウと同じスピッツ系とも言われています。
甲斐犬には2種類のタイプがいます。四肢がすっきりした「鹿犬型」と、ややずんぐりとした「猪犬型」です。どちらのタイプも、狩猟に役立つような強い四肢と、大きな相手にも怯まない気性を持ち合わせています。
甲斐犬の歴史
縄文時代の遺跡から甲斐犬とそっくりな犬の骨が出てきたことから、昔から人間と生活してきた犬種ではないかと考えられています。
甲斐地方の中型犬を基礎に、自然交配と選択繁殖を繰り返しながら、長い時間をかけて猟犬として作り上げられました。
純血化した理由としては、他犬種との相性を選ぶことや、山岳地方の狭い範囲で繁殖をされていたことが考えられます。
1929年、山梨県甲府地検に赴任した安達太助氏によって発見され、保存の対象になりました。1932年には、斉藤弘吉や小林承吉らによって「甲斐犬」と名付けられ、1934年には国の天然記念物に指定されました。秋田犬に次いで2番目です。
甲斐犬の特徴
<特徴>
- 大きさ:中型犬
- 標準体高:約40cm〜50cm
- 平均体重:13kg〜18kg
- 被毛:短毛のダブルコート
- 寿命:12歳〜16歳
- かかりやすい病気:心臓疾患やガン、皮膚病
外見
甲斐犬は「虎毛犬」という異名を持っています。まるで虎のような縞模様であることから、そのように呼ばれています。茶褐色の「黒虎」、赤茶色の「赤虎」、そして、赤茶や黒が混ざった「中虎」がいます。世界でも甲斐犬だけと言われているほど、犬種全ての毛色が虎毛なのは珍しいです。
甲斐犬の体型は雌雄や個体の差はあるものの、体高が約40cm〜50cm、体重は13kg〜18kgほどです。厳しい山岳地帯で猟犬として活躍していた犬種らしく、筋肉が発達して引き締まった体型です。
被毛
毛の長さは短毛ダブルコートの犬種です。
寿命
甲斐犬は猟犬としての性能を上げるため、近親交配を避けられてきた経緯があります。そのため遺伝疾患が比較的少なく、平均寿命が12歳〜16歳と長生きの個体が多いと言われています。
かかりやすい病気
シニア犬になれば他犬種と同じく、免疫力の低下によって心臓疾患やガンが増えてきます。また、日本犬はアレルギー性の皮膚病にかかりやすいと言われていますが、甲斐犬も例外ではありません。体を頻繁にかいたり、皮膚が赤くなっていたりする時には早めに病院で見てもらうことが大切です。
甲斐犬の性格や気質
勇敢で賢く、冷静な性格です。信頼している飼い主には忠実で、一代一主の関係で飼い主につかえます。そのため、新しい飼い主には馴染めないことが多く、甲斐犬を飼ったら生涯責任を持って面倒を見る覚悟が必要です。甲斐犬のもつ性格から、愛玩犬のようなべったりとした関係ではなく、ある程度距離を保ちつつ良好な関係を築くことが理想です。
気性が激しく警戒心が強い犬種ですが、信頼関係を築くことができれば飼い主に心を許し、甘える姿も見せてくれるでしょう。他人に対しては警戒心が強いので、トラブルには十分気をつけましょう。
甲斐犬の飼育方法
<飼育方法>
- 散歩頻度:毎朝夕2回(30分〜1時間)
- 食事の回数:1日2回
- グルーミング:定期的に
- 飼育環境:コントロールできる環境
散歩回数
もともと猟犬である甲斐犬。運動能力が高く、活発に行動することを好む犬種です。飼い犬が運動不足でストレスを溜めないよう、飼い主は気を配りましょう。
散歩は、成犬になると毎朝夕2回、それぞれ30分〜1時間ほど必要です。歩くだけではなく、時には軽く走ることができる環境も用意してあげてください。
ただし、他犬種との相性があまり良くない個体が多いため、ドッグランなどを利用する際はトラブルにならないように注意してください。
餌の頻度
理想的な餌の頻度は、犬の成長段階によります。消化器官が未発達の子犬の時期は、1日に必要な分量を3〜4回に分けて与えます。生後6ヶ月を過ぎたあたりからは、消化器官が発達し体調を崩すことが少なくなるため、食事の回数は1日2回が適正と言われています。
ブラッシング
甲斐犬はダブルコートで短毛の犬種です。定期的にブラッシングをしてあげる程度で大丈夫です。お手入れは楽な犬種と言えるでしょう。
飼育環境
飼育する上で、犬種や個体の性格を理解することが大切です。飼い主は犬を自分の管理下に置き、コントロールして飼うことがお互いの幸せに繋がります。
足腰が強く、高いところにも口や足が届いてしまうことがあるので、いたずらされたくないものは引き出しや箱にしまうなどの対策が必要です。
また、犬が眠ったり落ち着いたりできる自分だけの場所として、ケージやクレート、ベッドなどを準備してあげましょう。