犬種図鑑
2020年3月21日
温厚で人懐っこい性格のグレートデン。全ての犬種の中でもっとも体高が高く、ギネスブックにも載るほど。しかし、その巨体さゆえに、飼育が難しく日本では飼っている人をあまり見かけません。今回は、そんなグレートデンの特徴や性格、飼い方までお伝えします。

グレートデンって、どんな犬?

グレートデン

最も体高の高い犬種として、近年までギネスブックに載っていたグレートデン。大きくたくましい体と怖そうな顔つきに反して、温厚な性格で非常に優しく、「優しい巨人」、「犬の中のアポロン神」などと呼ばれています。

人懐っこく他の犬との相性も良いグレートデンですが、巨体ゆえに遊んでいるつもりがケガをさせてしまうことも。わがままに育つと、その大きな体は手に負えなくなるので、しっかりとしつけることが重要です。

実際に飼うとなると費用がかかったり、広い家が必要であったりと様々な点においてハードルが高く気軽に飼える犬ではありません。また、健康面にも特に気を配る必要があり、小型犬以上に、しっかりとした知識を持って飼う必要があります。

グレートデンの犬種の歴史


画像:instagram servicedogprojectさん

グレートデンはドイツ原産の犬種。そのため「ジャーマン・マスティフ」と呼ばれることもあります。原産国のドイツでは「ドイチェン・ドッゲ」が正式名称となっていますが、世界的には「デンマークの大きな犬」を意味するグレートデンの名称の方が有名です。

マスティフにアイリッシュ・ウルフハウンドやグレイハウンドなどの血統を持つ犬種を交配させ作られたのが現在のグレートデンであると推測されています。

グレートデンは400年もの歴史があり、古くから人のそばで生活し活躍してきた犬種です。特に大きくたくましい体は狩猟イノシシなどの大きな獣を退治するのに非常に役立ちました。

現在ではドイツやアメリカなどの多くの家庭で愛玩犬として飼育されています。

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グレートデンの犬種の特徴


画像:instagram tito.the.greatest.daneさん

<特徴>

  • 大きさ:超大型犬
  • 標準体高:76~100cm
  • 平均体重:54~90kg
  • 被毛:短毛
  • 被毛の色:ブラック、フォーン、ブルー、ブリンドル、ハールクイン
  • かかりやすい病気:胃捻転・胃拡張・股関節形成不全
  • 寿命:7~10年

外見

グレートデンは超大型犬として名前の挙がる犬種です。平均体重はオスで54~90kg、メスで45~68kgですが、大きければ大きいほど良いとされており、90kgを超えるものもいます。

首と脚が長く、スリムな体型をしていて、特にその大きさが際立つのが体高の高さ。76~100cmもあるとされ、体長は体高とほぼ同じです。後ろ足で立つと、成人男性を上回る背の高さになることも。

アメリカでは、外観を重視して断耳をすることが多いですが、ヨーロッパでは断耳は禁止や制限されており、垂れ耳のグレートデンがほとんどです。

被毛

短毛で、光沢がありなめらかな被毛が特徴。毛色は、ブラック、フォーン、ブルー、ブリンドル、ハールクインの5色が認められています。

かかりやすい病気

大型犬に起こりやすいのが胃捻転胃拡張ですが、非常に体が大きく胸の深いグレートデンは特に気を付ける必要があります。食事のときに空気が入りすぎないよう器を頭の高さに置く、食後すぐの運動は避けるなどの注意が必要です。

また、股関節形成不全にもなりやすいと言われています。成長期の偏った栄養や運動が関係することがありますが、中でもカルシウムを与えすぎは逆に骨の成長を妨げてしまいます。大型犬だからといって過剰に与えるのは避けましょう。

寿命

グレートデンは大型犬の中でも寿命が短い傾向にあり、平均寿命は7~10年です。その分高齢期に入る年齢も他の犬種に比べて早いので、健康状態には特に気を使ってあげてください。

グレートデンの犬種の性格や気質


画像:instagram tito.the.greatest.daneさん

グレートデンは大きな体と威厳のある顔つきからは想像もつかないほど、温厚で人懐っこい性格をしています。服従心が強く辛抱強い性格で、子供や他の犬との相性も良い犬種です。体は大きいですが家族と過ごすのが大好きなので、室内で飼育することが望ましいでしょう。

おとなしい性格ですが、非常に大きな体をしているため破壊力はすさまじいものがあります。そのため、悪気なく物を壊したり、遊んでいるつもりが人や他の犬にケガをさせてしまったりというトラブルには注意が必要です。

また、昔は凶暴なイノシシを相手にもしていたグレートデン。暴走してしまうと止められません。残念なことに、海外では、グレートデンに噛まれたことによる死亡事故なども起きてしまっています。

頭が良くしつけのしやすい犬種ですので、小さい頃にしっかりとトレーニングを行い、いざというときに飼い主が必ずコントロールできるようにしておいてください。

グレートデンの犬種の飼育方法


画像:instagram mrdukethegreatdaneさん

<飼育方法>

  • 散歩頻度:朝晩の1日2回、1時間以上
  • 食事の回数:朝晩の1日2回
  • ブラッシング:週に1回
  • 飼育環境:室内

散歩回数

グレートデンは超大型犬ですので、かなりの運動量が必要な犬種です。毎日の散歩は朝晩の1日2回。最低でも1時間以上はさせてあげましょう。運動不足で肥満気味になってしまうと大きな体を支える足にさらに負担がかかってしまいます。また、運動不足によるストレスから問題行動を起こす原因にもなりかねません。

時にはドッグランなどに連れて行き思いっきり走り回らせてあげましょう。他の犬との相性は良い犬種ですが、ケガをさせるなどのトラブルを避けるためにも、他の犬がいるときには一緒に遊ばせないのが無難です。

食事の回数

食事も朝晩の1日2回。グレートデンは筋肉量の多い犬種。そのため基礎代謝が高く、必要カロリーも多くなります。筋肉質な体型を維持できるよう良質な動物性タンパク質を主原料としているフードを与えてあげてください。

ブラッシング

短毛なので、ブラッシングは週に1回程度で良いでしょう。月に1回シャンプーをしてあげられると理想的。他は汚れたときに濡れタオルで拭いてあげる程度で十分で、手入れは楽な犬種ですが、体が大きいので労力は必要です。

飼育環境

暑さ・寒さどちらにも弱いので室内飼育が必須。股関節形成不全の予防や、関節を痛めないためにも、滑りやすいフローリングなどの床には滑り止め、寝床にはクッションを準備してあげてください。

グレートデンは他の犬種以上に、環境的・費用的・体力的に飼育が可能か、しっかりと検討してから家族として迎え入れる必要があります。