犬種図鑑
2019年8月13日
誰にでもフレンドリーなことから子守犬と言われるスタッフォードシャーブルテリア。その反面、闘犬時代の名残もしばしば。今回は、そんなスタッフォードシャーブルテリアの特徴や性格、飼い方から歴史までご紹介します。

スタッフォードシャーブルテリアってどんな犬?

スタッフォードシャーブルテリア

イギリス生まれのスタッフォードシャーブルテリア。スタッフォードシャーはイングランド中部に位置する地域の名前です。

この犬種が誕生したのはスタッフォードシャーとバーミンガムの北部だと考えられています。

19世紀のイギリスでは牛いじめ、熊いじめという名前の、犬と牛や熊を闘わせるスポーツが流行しましたが、そのために改良が続けられた犬種がこのスタッフォードシャーブルテリアという中型犬です。

筋肉質でがっしりした体型からは、闘犬の血を引いていることが感じられます。日本ではあまり知られていないものの、イギリスでは大人気の犬種で、「スタッフィー」や「スタッフォード」とも呼ばれ多くの人に親しまれています。

闘犬から家庭犬へ スタッフィーの歴史


画像:instagram deli.and.nalaさん

もともとは熊や牛などとの闘いをする見世物で活躍していた闘犬で、19世紀はじめには誕生していたと言われます。

ブルドッグを基礎に、いくつかのテリア種をかけあわせ、動きが俊敏かつ小型で力強いこの犬種が生み出されました。

やがて1835年、動物愛護の観点から闘犬による見世物が廃止されると、次第にスタッフィーの人気も下がっていきました。

しかし子どもに対する愛嬌の良さや、飼い主への忠誠心、ネズミを駆除できる能力を備えていたことから、愛好家たちによって今度は家庭犬として改良が進められていきました。

1870年代にはアメリカにも輸出され独自の改良が進められました。現在ではイギリスのほか、ニュージーランドやオーストラリアなどでも多く飼育が行われています。

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スタッフォードシャーブルテリアの特徴と気をつけたい病気

スタッフォードシャーブルテリア

<特徴>

  • 大きさ:中型犬
  • 標準体高:35cm〜41cm
  • 平均体重:11kg〜17kg
  • 被毛:短毛
  • 被毛の色:ホワイト、レッド、ブリンドルなど
  • かかりやすい病気:目の病気、肥満細胞腫や悪性腫瘍

被毛について

被毛は短毛種で、毛色はホワイト、レッド、ブリンドル、フォーン、ブラック、ブルーなどがあり、バリエーション豊富です。

外見

体型は筋肉質でどっしりとしていて、顎の力が強いのも特徴です。頭部は大きめで耳は半立ち耳です。

体高は体長が体高よりもやや長く、35cm〜41cm、平均的な体重は11kg〜17kgです。

かかりやすい病気

かかりやすい病気の例としては、緑内障、白内障、チェリーアイなどの目の病気、肥満細胞腫や悪性腫瘍が挙げられます。

皮膚も弱いので、日頃から気をつけて異常がないかどうかよく見てあげるようにしてください。

もともとは闘犬として生み出されたことから、痛みに鈍感なところがありますので周りにいる飼い主やその家族がよく注意してあげることが必要となります。

スタッフォードシャーブルテリアはどんな性格の持ち主?


画像:instagram deli.and.nalaさん

明るくフレンドリーな性格で、飼い主に対してはとても従順です。

たくましい筋肉や闘犬としての過去からは意外に思われるかもしれませんが、小さい子どもとも仲良く接することができます。そのため「ナニードッグ(子守犬)」とも呼ばれることがあるくらいです。

一方、闘犬としての本能が眠っており、売られたケンカを買ってしまうということがあります。時には攻撃的な態度を示すこともありますので、子犬の頃から根気強く徹底したトレーニングを行う必要があります。

飼育にあたっては、特に興奮した際、飼い主がきちんとコントロールできることが前提となります。

スタッフォードシャーブルテリアを飼育するにあたってのポイント


画像:instagram laiathestaffyさん

<飼育方法>

  • 散歩頻度:1日2回、最低でも各回30分
  • 食事の回数:1日2回
  • ブラッシング:週に1、2回
  • 飼育環境:室内飼育

ブラッシングについて

スタッフィーの毛は短いため、他の犬種に比べるとお手入れはしやすいでしょう。

ブラッシングの回数は週に1、2回程度で十分で、体に汚れがついてしまったときなどはタオルでふき取ります。

飼育環境

一見強そうな見た目をしていますが、実は寒さに弱いため屋外飼育には不向きです。特に気温の低い日には服を着せてあげることも必要です。

散歩頻度

また、運動量を必要とするため、毎日の散歩が欠かせません。1日2回、最低でも各回30分は外に連れて行ってあげましょう。

餌の回数

太りやすい性質のため、えさの与えすぎには注意してください。えさをあげる回数は、子犬の頃は1日3~4回、成犬では1日2回程度ですが、体調をみて調整してあげることも大切です。

スタッフォードシャーブルテリアをこれから飼う方へ


画像:instagram bullscaff_kennelさん

原産国イギリスではラブラドール犬に次いで人気がある犬種です。闘争心があることから、ドッグオーナー初心者向けの犬種ではありません。

しかし家庭に迎え、一緒に過ごす時間が増えれば増えるほど、その愛情深さを実感し、多くの人に愛されている人気の理由に納得できるはずです。

飼い主にも忠実で、頼りがいのあるパートナーとなることでしょう。

スタッフォードシャーブルテリアの日本での飼育数はまだ少ないですが、今後さらに国内での人気が高まることも予想されます。