犬種図鑑
2019年10月25日
ペットショップではあまり見かけることのないブリアード。日本で飼育するにはどうすればいいのか。気をつけるポイントやしつけ方を、性格や特徴を踏まえながらご紹介します。

「ブリアード」ってどんな犬?


画像:instagram genevievethebriardさん

かの有名なフランス皇帝、ナポレオンが愛した犬、ブリアード。そのたたずまいは、とてもエレガントで、英雄に愛されたのも当然だという気がしますね。ブリアードは、古くから家畜たちをオオカミや泥棒から守ってきました。その勇敢な姿は、ナポレオンそのものと言ってよいかもしれません!

日本ではなかなかお目にかかることができませんが、原産国のフランスやアメリカでは、ペットとして愛され、とても人気があります。

トレードマークは、ウェービーロングヘアー。長い被毛からのぞく、愛らしい目と真黒な鼻がとてもかわいらしい犬種です。

ブリアードの歴史


画像:instagram briard_nobiさん

ブリアードの起源は8世紀ごろまでさかのぼると言われています。祖先犬はアジアから連れてこられたと言われており、家畜を管理する牧畜犬として、またオオカミや泥棒から家畜を守る護畜犬として活躍していました。

第二次世界大戦のときは軍用犬として重宝され、繁殖がすすめられたため、他の犬種のように種の存続の危機にはおちいらずにすみました。

戦後は、牧畜犬として、また家庭犬として愛されてきたブリアード。ショードッグとしても大変人気の高い犬種です。

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ブリアードの特徴


画像:instagram genevievethebriardさん

<特徴>

  • 大きさ:大型犬
  • 標準体高:57~69cm
  • 平均体重:30~35kg
  • 被毛:ダブルコート
  • 被毛の色:ほぼ一色のブラック、フォーン、グレー
  • かかりやすい病気:目の病気や皮膚疾患など

外見

体高57~69cm、体重30~35kgの大型犬で、体つきはとても筋肉質です。

被毛

ブリアードの特徴としてまず挙げられるのは、ウェーブのかかった長い被毛。雨風や、寒さをしのぐのにはぴったりです。毛色は、ほぼ一色のブラック、フォーン、グレー。

かかりやすい病気

気を付けたい病気として挙げられるのは、遺伝的な目の病気。また、血液の病気や腫瘍にも注意が必要です。

ロングコートが原因の皮膚疾患にもかかりやすいので、ブラッシングのときなどに皮膚の様子をチェックするようにしてください。

もちろん、大型犬特有の胃捻転、股関節形成不全にも注意しましょう。

ブリアードの性格や気質


画像:instagram genevievethebriardさん

ブリアードは、牧畜犬として飼われていただけあって、非常に活発で従順です。非常に賢く、一度何かを教えれば絶対に忘れないと言われるほど。飼い主に誉められるのが大好きなので、教えたことが上手にできたら、思い切り誉めてやると喜びます。

群れを守ろうとする意識が非常に強いので、家族には愛情深いですが、見知らぬ人には非常に警戒心が強く、時には攻撃的になることもあります。ただ、基本的には、面倒見の良い性格なので、小さな子供に対しても優しく接しますし、他の動物ともいっしょに飼いやすい犬種です。

ブリアードの飼育方法


画像:instagram konnichiwashiさん

<飼育方法>

  • 散歩頻度:1日2回、最低1時間以上
  • 食事の回数:500~600g程度を、1日2~3回
  • ブラッシング:毎日
  • 飼育環境:室内飼育

散歩回数

体力がかなりあるので、ストレスをためないように、1日2回、最低1時間以上の散歩が必要となります。特に若いうちは、ランニングなどもして、しっかりと運動させましょう。

餌の頻度

餌は成犬で大体500~600g程度を、1日2~3回に分けて与えます。胃捻転を起こさないようにするため、一度にたくさんのエサを与え過ぎないよう気を付けることが大切。また、食後はなるべくゆったり、のんびり過ごすように心がけましょう。

ブラッシング

長い被毛は、からまりやすいので、できるだけこまめにブラッシングしましょう。毎日、コーミングもしくはブラッシングで抜け毛を取り除き、風通しの良い状態にしておくことがポイントです。シャンプー・トリミング、共に月に1度は行いましょう。目の周りの毛は、眼疾患を防ぐためにもこまめに切ること、そして、食事の後には口ひげについた汚れをできるだけ拭き取ることを心がけてください。

飼育環境

日本のような高温多湿の環境で飼育するなら、基本的に室内で飼うことをおすすめしたいです。

これからブリアードを飼う方へ


画像:instagram genevievethebriardさん

国内の飼育例はとても少ないブリアード。日本ではメジャーな犬種ではないので、ペットショップで簡単に手に入れられるというわけはないのが難点ですね。どうしてもブリアードを家族の一員として迎え入れたければ、海外のブリーダーから手に入れることになる可能性もあります。その場合、信頼できる代行業者を探すのが近道かもしれません。

稀代の英雄から愛された気高さと忠実さで、飼う人を魅了するブリアード。家族を守り、支える、頼もしい存在として、私たち人間のそばに寄り添ってくれることでしょう。