犬種図鑑
2020年3月29日

マンチェスターテリアってどんな犬?


長く細い顔と、つややかなスムースコートに細い手足が特徴のマンチェスターテリア。引き締まった体と精悍な顔立ちで、小型犬でありながら力強さを感じさせます。運動能力も高く、番犬や作業犬としても重宝されてきました。

人に良く慣れ観察力も高いので、しつけがしやすい犬種です。テリア特有の負けん気の強さもなく、穏やかで明るい性格。ただ警戒心が強く、他の犬に吠えてしまうこともあります。子犬のころから他の犬と接する機会を多く持ち、社会性を身に着けることで予防しましょう。

改良により絶滅の危機を逃れた マンチェスターテリアの歴史

マンチェスターテリアは、イギリスが原産の犬種で、ブラック・アンド・タン・テリアがルーツです。19世紀に流行ったネズミ殺しゲームの犬として、ブラック・アンド・タン・テリアと身体能力の高いウィペットやグレーハウンドを掛け合わせてマンチェスターテリアが作出されます。当初はたれ耳が長く不格好であったため、断耳されていました。

19世紀末期には、ネズミ殺しゲームが禁止され、性格が穏やかに改良されたマンチェスターテリアは、ネズミ狩りの作業犬として活躍します。しかし、その後犬の断耳が禁止されたことにより、人気が低迷。11頭まで頭数が落ち込みましたが、立ち耳になるように改良され、最終的には半分立たせることに成功します。凛々しい見た目に改良できたことで、世界的に人気が出て絶滅の危機を逃れました。

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マンチェスターテリアの特徴は?

毛色は稀にブラックのみの個体もいますが、基本的にブラック&タンで、色の境がはっきりしているほどいいとされています。

スムースコートで、つややかな被毛です。

体重はオスメスともに5~10kg、体高は38~41cmの小型犬に分類されます。

遺伝性の疾患として緑内障と血友病がありますが、現在は少なくなりつつあります。また、手足が細いため、骨格がしっかりと形成されるまでは、骨折のリスクが高いです。ハイジャンプや転倒などに注意しましょう。

マンチェスターテリアはどんな性格?

マンチェスターテリアは、活発で明るい性格。好奇心旺盛で、ものおじせずいろいろなことにチャレンジします。子犬のころはいたずら好きですが、成長とともに落ち着き優しい性格になるでしょう。

穏やかな性格に改良されているのもあって、テリア特有の負けず嫌いな気質はあまり受け継いません。

繊細で神経質な一面もあり、飼い主に対する依存性が高いため、分離不安により体調不良や自傷行為を引き起こすこともあります。飼い主の姿が見えなくても不安にならないように、子犬の頃からコミュニケーションをしっかりとり、信頼関係を築くことが大切です。

マンチェスターテリアの飼育方法は?

散歩は1日2回、各30分を目安に行いましょう。

フードは、成犬の場合1日2回与えます。細くても丈夫な骨を作るために、小魚などカルシウムが豊富なものをおやつに与えるといいですね。

比較的抜け毛が少ないので、グルーミングの頻度は週に1回で充分です。きれい好きな犬種なので、グルーミングに加えて定期的に濡れたタオルで体を拭き、清潔に保ちましょう。

短毛でやせ型のため、寒さにとても弱いです。衣類を着せたりペット用ヒーターを使ったりして冬だけでなく、春や秋も温度管理に留意してあげてください。

これからマンチェスターテリアを飼う方へ

マンチェスターテリアは、とても活発な性格で感情表現も豊かなので、飼い主としっかりとコミュニケーションが取れます。

飼い主の感情を読み取ることが得意でしつけもしやすく、被毛の手入れも比較的楽なので、初心者でも飼いやすい犬種です。

ただ、細い手足は骨折をしやすいので注意が必要です。ローソファにする、滑らないようにマットを敷くなどの対策をしっかりしてからお迎えしましょう。また丈夫な骨を作るために、小魚やヨーグルトなども適度に与えてくださいね。