健康・美容
2020年11月15日
近年では犬の平均寿命が延びて老犬介護の必要性が増しており、中でも足腰が弱った老犬のサポートが重要視されています。足腰が弱くなっている場合でも気分転換やストレス発散などを目的とし、外へ出る機会をつくってあげることが老犬のQOL向上には欠かせません。今回は足腰が弱くなった老犬サポートの仕方についてご紹介します。自分が犬の立場になったつもりでサポートしてあげましょう。

犬にとっての運動は必須!

足腰が弱くなっているからといって老犬を室内に閉じ込めてしまうと、老化を進行させてしまうので老犬の筋力維持には運動が必要です。

運動することは筋力低下防止のみならず、老犬の気分転換やストレス発散などの心の健康維持に役立ち、体の新陳代謝をあげたり脳の老化予防を行ったりするために大切なことです。老犬自身が外に出たいという意欲がある場合は、しっかりとサポートを行いながら適度な運動をさせてあげましょう。

足腰が弱くなった老犬のサポート方法

犬用車椅子や歩行補助用品の使用

最近では犬用車椅子や歩行補助用品が多数販売されていますので、犬の関節や筋力の状況に応じて歩行サポートを行いましょう。
一般的に犬は自ら歩きたいという本能が強いので、自力で歩ける場合は過度な歩行サポートをしないことが大切です。

犬が歩行時にふらついたりする程度であれば、症状がでている脚をウォーキングベルトやハーネスを使用して補助する。断脚をはじめとし全く動かない脚があるのであれば、専用の車椅子を利用するなど愛犬の状況に合わせて補助用品を活用しましょう。老犬は小さな段差で怪我をしてしまうようなこともあるので、歩行サポートをするときは犬に危険が及ばないよう適切なサポートを行うことが大切です。

サプリメント

老衰によって足腰に異常がでている犬の場合、サプリメントで足腰の健康維持をサポートすることも大切です。

最近では犬の足腰ケア用サプリメントも数多く販売されていますが、関節痛が生じている場合や軟骨の強化が必要な場合は「グルコサミン・コンドロイチン」、関節の痛みや炎症が生じている場合はDHAやEPA、aリノレン酸などのオメガ3脂肪酸が配合されているサプリメントを活用すると良いでしょう。

マッサージ

足腰が悪くなっている犬の場合はマッサージも効果的です。屈伸を行うことによって散歩前の準備運動を行ったり、固まりやすい老犬の足腰の筋肉をほぐして血行をよくしたりすることで足腰の健康維持に役立てます。何かしらの病気を伴っている場合は、獣医師にマッサージの可否や方法、注意点について相談する必要があります。

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[シーン別]老犬のサポート方法

運動前のストレッチサポート

足腰が弱くなった老犬の場合は、加齢や運動不足によって身体が固くなっているため、散歩に行く前にストレッチをしてあげると良いでしょう。

  • 個々の脚を1本ずつ4~5回程度を目安に上下に動かす
  • 足先を同様に1本ずつ4~5回程度を目安に上下に動かす
  • 指(肉球)の間を軽く広げるように伸ばす
  • 前足首と後ろ足首を犬が歩いているイメージで軽く動かす
  • 上腕と大腿部分を優しくほぐすようにマッサージする

食事のサポート

老犬の場合は食事の際の顔の上げ下ろしの負担を軽減するために、食事台を使用することをおすすめします。また、食事を自らとる事ができない場合は、以下の手順で給餌サポートを行いましょう。

  • 寝たままの状態で食事を与えると気管に食事が入り込む危険性が高いため、犬の頭が立った状態になるように上半身を起こした体勢にする
  • 犬の状況に合わせて流動食やペースト状にした食事を、市販の給餌用注射器で口の中に時間をかけてゆっくりと入れる
  • 食事後は吐き戻し防止のため、すぐに寝た状態に戻さず上半身を起こした状態で20分程度様子をみる

排泄時のサポート

老化によって足腰に問題が生じた場合、立つことはできても排泄時の中腰の状態がなかなか維持できないことがあります。全く動けない、本人が動く意思がない場合はオムツを利用するのも効果的ですが、トイレで自分の力で排泄したいという本能が強い犬に関しては、可能な限り自分で排泄する機会をつくってあげることが大切です。

老犬の排泄の失敗に関しては、犬自身コントロールが難しいものですので決して怒らずに優しく声をかけながらサポートしてあげましょう。

  • トイレを近くに持ってきてあげる
  • 小型犬であれば腹部を下から優しく持ち上げるような感覚で、起き上がる際のサポートを行う(中型犬や大型犬であれば起き上がり補助ベルトを活用)
  • 犬の後方から両手で腰部分に手を添えて、脇を支える感じで中腰姿勢のサポートを行う

足腰が弱くなった老犬サポートの注意点

老犬に無理は禁物

老犬が何かしらの病気が原因でどうしても室外に出たがらない場合、無理に運動させるのは逆効果になります。

獣医師に相談して病気の根本治療を行ったり、痛みや炎症の緩和を行ったりと状況に応じた対策が必要ですが、無理に運動させる、または過度な運動をさせるのは絶対に避けましょう。

老犬のペースに合わせる

足腰や体が衰弱傾向にある老犬の場合、運動や食事、排泄などのペースが遅くなる傾向にありますので、無理にせかしたりせずに老犬のペースに合わせたサポートを行いましょう。

まとめ

足腰が弱くなった老犬の場合、散歩や食事、排便などをはじめとし日常生活がとても不自由になります。

老犬介護で一番大切なことは「自分が介護される立場になって介護方法について考えること」ですので、老犬のQOL向上のためにしっかりと日常生活のサポートをしてあげましょう。