2020年4月25日
犬の吠え癖は治らない?吠え癖を治す方法
要求吠えをする場合
犬が何かしらの要求を伝えるために飼い主に向かって吠えるのが「要求吠え」ですが、この場合は飼い主と犬の上下関係が逆転していることが多く、犬が飼い主に指示を出しているような状況になってしまっています。要求吠えをする犬にとって大切なことは、「吠えても飼い主は自分の指示に従わない」と認識させることですので、何かしらの要求のために吠える場合は犬が吠え止むまで目を合わせずに無視をすることが大切です。
吠えるのを止めた時点で犬の要求を満たしてあげたり、大げさな程に褒めてあげたりするのが効果的です。ただし吠え癖がついている犬に関しては、1か月以上毎日の生活の中でこのしつけを継続して行わないとなかなか効果がでませんので、長期スパンで考えて焦らずしつけを行いましょう。
犬がうるさいから要求を満たすのではなく、吠えていても根気よく無視することで「吠えるのを止めれば飼い主が自分の要求を満たしてくれる」ということをしっかりと犬に認識させましょう。また、食事時間が決まっている場合に犬が食事前に要求吠えをすることがありますが、この場合は食事時間を決めずに少しずらして様子を見るのも対策の一つです。
来客時やインターフォンに吠える場合
来客時やインターフォンが鳴るときのみ吠える犬の場合は、犬が家族を守ろうとしている、吠えることで威嚇する、警戒している可能性があります。
犬は縄張り意識が強いため、自分の生活空間である縄張りに他人が入り込もうとすると激しく吠えることがありますが、この際に犬を構ってしまったり怒ってしまったりすると無駄吠えが悪化してしまいます。よく犬に負けないような声で怒鳴っている飼い主さんがいますが、これが一番悪い例であり犬は飼い主が犬と一緒に相手に威嚇している、または飼い主が大きな声を出すからさらに大きな声で吠えなくてはいけないと認識して吠え癖が悪化してしまいます。
来客時やインターフォンに対して犬が吠えた場合は、缶などを利用して普段犬が聞きなれない音をならして犬の気をそらしましょう。
犬の気をそらすためにオヤツを利用して、犬を落ち着かせるコマンド(おすわりや伏せなど)を出して大げさに褒めるのも効果的です。いずれにしてもこのような警戒心によって犬が吠える場合は、犬の気がそれた時点(犬が吠えるのを止めた時点)で大げさに褒めてあげましょう。
また犬が家族のリーダー的存在(家族を守る役割)になってしまっている場合は、しつけ以前に犬との上下関係構築のための関係性をしっかりと築くしつけをしなければ、犬の吠え癖は治りません。
来客やインターフォンに対して吠える場合、その場でしつけを行うのはなかなか難しいため家族や友人に頼んでインターフォンを鳴らしてもらい一日数回を目安に長期スパンでしつけを行うのが理想的です。
夜間の遠吠えをする場合
遠吠えをしている場合は、犬の習性から家族である仲間とのコミュニケーションを図っている可能性があり、寂しさやストレスから遠吠えを繰り返すことがあります。
この場合は、犬が吠えているときは無視をして相手にせず、日常生活で犬とのコミュニケーション時間を増やす、出来る限り家族の気配を感じることができる場所に犬の寝床を配置するなど犬の心のケアを行うことで習慣化した遠吠えを治すことができます。
救急車やパトカーなどサイレンの音にのみ反応して遠吠えをする場合は、一時的なものであり根本的な解決法はありませんが、犬の気を他にそらして一時的に吠え止ませることが大切です。オヤツや普段犬が聞きなれていない音などを発してサイレン音への関心をそらしましょう。
夜泣きをする場合
老犬が夜泣きをする場合は、認知症や呆けを中心とした脳の病気の可能性や、老衰による不安、体の痛みや違和感、聴覚の衰え、昼夜逆転生活の可能性があるため、まずは原因を探って対処しなければいけません。
病気や老衰、体の不具合によるものであれば動物病院で検査をして犬の体で何が起こっているのかを明確にした上で、根本的治療を行う必要があります。
また、認知症の場合は成犬の頃のように吠え続けることを無視しても改善方法にはなりません。犬の夜泣きはどうしても飼い主さん自身も精神的に参ってしまう傾向にありますが、決して飼い主さんを困らせるために吠えているのではなく、あくまで病気が原因であることをしっかりと忘れずに優しく対応しましょう。
このような場合は犬が安心できるような生活環境をつくる工夫をする、獣医師に相談して安定剤や睡眠効果が高い薬の処方を行うことも解決策の一つですが、薬の常習はあまり好ましくはありませんのでサプリメントを活用するのも良いでしょう。昼夜逆転している場合、昼間に適度な日光浴をさせたりカートで体に負担がかからないように外へ連れ出したりして気分転換させるのが夜泣き対策には効果的です。
犬の無駄吠えは習慣化していることが多く、犬を急に大人しくさせることはできませんが、時間をかけてゆっくりとしつけを行うことで吠え癖が治ることが多々あります。犬が常習的に吠える原因は飼い主さんにあることが多いので、ゆっくりと時間をかけて飼い主さん自身の態度を改め、犬との適切な上下関係構築を行うこともしつけには大切です。