健康・美容
2018年3月22日
犬にも歯磨きが必要だ、と知られるようになってきました。しかし「人みたいに毎食後、必要?」「毎日しないとダメ?」といった、歯磨きの頻度について知りたい! という声が聞かれます。この記事では、犬の歯磨きの頻度と手抜きの方法を紹介します。

出典:写真AC

歯磨きは歯垢を落として歯石を作らないため!

歯垢・歯石といった言葉を聞いたことがあるでしょうか。

歯垢というのは、歯に付着した細菌の塊のこと。

歯を磨かないと、食べカスや唾液の中に混じっているカルシウム分などが歯に付いたり、歯と歯の間に溜まったりします。これをエサにして細菌が大繁殖し、歯垢と呼ばれる黄色っぽい塊に!

歯垢は放っておくと石のように硬くなります。これが歯石です。

一度、歯石ができると悪循環がスタート! 歯石には新たな歯垢がひっつき、どんどん大きくなっていきます。

歯磨きで歯垢を除き、歯石を作らないようにしましょう。

 

歯石ができると困る理由

「歯石ができても、取っちゃえばいいんじゃない?」そう思う飼い主さんもいるでしょう。

確かにそうなのですが、歯石には困った特徴があります。歯石を作らない方がいい理由は次の通りです。

 

歯石は擦っても取れない

歯垢はガーゼでぬぐい取ったり、歯ブラシで擦ったりすれば取れます。しかし、歯石は擦っても取れません!

歯石はその名の通り、歯についた石。愛犬の歯と一体化しているように見えるくらい、ガッチリひっつきます。

歯石を取るためには、針のようなもので少しずつガリガリ削るか、研磨機などの機械で削らなければなりません。

歯垢の方がずっと楽に取れるので、歯石になる前に取り除くようにしてください。

 

歯石ができると歯と歯肉の間が広がる

歯と歯肉の間には、小さな隙間(ポケット)があります。

このポケットには歯垢が溜まりやすく、磨き残すと歯石になってしまいます。歯石ができると新たな歯垢がくっついて、どんどん大きな歯石に成長!

放っておくとポケットが歯石のせいで広がったり、深くなったりします。すると、細菌が内側へ入り込みやすくなります。

歯石は歯肉炎や歯周炎の最大の原因。次のような症状で愛犬が悩むことに!

  • 口が臭くなる
  • 歯肉の中で細菌が繁殖して膿が溜まる
  • 歯肉から出血
  • 細菌が血液に入り込んで全身に回る
  • 歯肉が歯を支えられなくなって歯が抜ける
  • 食事ができなくなる
  • 歯肉の痛みでストレスが溜まり、攻撃的になったり問題行動が増えたり精神病になる

こんな症状で愛犬を苦しめたくないもの!

歯と歯肉の間のポケットが歯石で広がるのは絶対に止めましょう。

 

歯石は全身麻酔で削り取るしかない!

歯石は削れば取れますが、犬の場合は全身麻酔が必要になります。

人は「口を開けたまま動かない」ということができます。しかし、多くの犬はそれができません。

「全身麻酔なしで歯石を削ります!」という獣医師もいます。しかし、大抵、目に見える範囲の歯石を少し削るだけ。

歯と歯肉の間(ポケットの中)の歯石や、歯の裏側、歯と歯の間にできた歯石は、ほとんど取ることができません。

また、歯石の量や、歯肉炎の状況、歯の状態によっては抜歯が必要になるため、全身麻酔が必要になるのです。

全身麻酔は愛犬の体に大きな負担になりますし、治療費もかさみます。

日頃の歯磨き習慣で歯石を作らないのが一番です。

 

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頻度は最低2日に1度

歯磨きが重要と言っても、人のように毎食後磨く必要はありません。

犬の場合、歯垢は約2日で歯石になると言われています。最低、2日に1度歯磨きすればOK!

歯磨きが苦手な犬の場合、何度かに分けて歯を磨きましょう。今日は下の歯、明日は上の歯。明後日は下の歯。徐々に磨く本数を増やす、というように徐々に慣らしていってください。

歯磨きができたら、盛大に褒めて沢山撫で、思いっきり遊んであげましょう。

「歯磨きを頑張ったら、楽しいことがある!」

そう覚えてくれれば、毎日楽しく歯磨きできるようになります。

 

手抜きするならデンタルケアグッズを使おう

「歯磨きできているか自信がない」「正直、手を抜きたい時もあるの」

こんな風に飼い主さんが思うのは普通のこと。悪いことではありません。

ここで役立つのがデンタルケアグッズ。

「歯垢を歯磨きで取り除くのが鉄則」ということを忘れないようにしながら、グッズを使いましょう。そうすれば、少々手抜きしても大丈夫です。

 

おすすめデンタルケアグッズ

犬用歯磨きジェル:犬が好きな味が付いたジェル。愛犬が舐めている間に歯を磨ける。
デンタルガム:長い時間噛み続けることで、歯垢がガムについて剥がれ落ちる。
デンタルケアシート:飼い主さんの指に巻き付けて歯を擦れば歯垢が落とせるシート。

こうしたグッズでササッと簡単に歯磨きを済ませる日があってもOK!

ただし、頼りすぎるのは危険です。基本は磨くこと。グッズは上手に活用してください。

 

NGデンタルケアグッズ

市販されているデンタルケアグッズの中には、使うと危ないものがあります!

次のグッズは使わない方がいいでしょう。

動物の骨:かみ砕いた欠片が喉や胃腸に刺さる危険あり!
キシリトール入りガム:人と違い、犬にキシリトールはNGです
歯石取りスケーラー:訓練を受けた人以外が使うと、歯肉を傷付け、痛みに驚いた犬に飼い主さんが噛まれる事故に繋がる

魅力的なキャッチコピーに惑わされないようにしましょう。

 

理想は毎日!グッズも使って歯磨き習慣を

歯肉炎や歯周炎のリスクを高める歯石は極力作りたくないもの。

毎日歯を磨くのが理想ですが、最低でも2日に1回は磨くようにしましょう。

時々、手抜きでデンタルケアグッズに頼るのもOK!

愛犬と飼い主さんに合った歯磨き習慣を身に付けてください。