健康・美容
2018年5月17日
お散歩中、突然立ち止まったかと思ったら草を食べ始めるわんちゃんは意外と多いようです。雑草の中でも、特に細長い特定の草やクローバーを食べているような…。止めさせた方がいいのか、と迷う飼い主さんもいるのではないでしょうか。今のところ、はっきりとした理由はわかっていませんが、考えられる原因や注意点、対応策をご紹介します。

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出典:flickr

なぜ犬は草を食べるのか?

胸やけやお腹の不調から、草を食べて嘔吐することでスッキリする

犬は人に比べて頻繁に嘔吐する生き物です。食べすぎや空腹、車酔い、胃腸の不調から重大な病気まで、原因はさまざまです。おなかの調子が悪い時、草を食べて嘔吐することでスッキリするわんちゃんは割と多いようで、犬はそれを本能で分かっているのかもしれません。

ビタミンやミネラル、繊維質を補給している

ドッグフードを規定量しっかり食べていれば栄養は足りているはずなのですが、繊維質やフードの量が足りていなかったり、もっと食べたいという欲求が原因だったりするようです。草を食べることで善玉菌を増やして腸内環境を整えているという説もあります。

何かをごまかしている

自分のしたくないことを要求されたり、まだ帰りたくないのに帰り道にさしかかった時、ごまかそうとして草を食べ始める子もいるようです。草を食べることで、気持ちを落ち着かせる意味もあるのかもしれません。

ただ単に食べたいから食べる

その草の味が好きだったり、草が切れるときのブチブチという感触が好きだったり…遊びの一環で草を食べることもあるようです。

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草を食べたがる時の注意点

除草剤

草を食べること自体は問題はないかもしれませんが、除草剤が撒かれてあるような場所では厳禁です。「除草剤散布中」「〇月〇日~除草剤を散布します」などと書いておいてくれる場合が多いですが、何も書かれていないこともあるかもしれません。不自然に草が生えていない場所などは特に要注意です。

食べてはいけない草

犬に食べさせてはいけない草は以下の通りです。
どこにでも咲いているような植物も多いので、驚く方もいるかもしれません。
これ以外にも犬にとって毒性のある植物はたくさんあり、全てを把握することは難しいので、むやみに食べさせないほうが良いかもしれません。
もしもこれらの毒性のある植物を食べてしまった場合、嘔吐、下痢、大量のよだれ、血便、神経症状などが見られることが多いです。多量の水を飲ませ、可能であれば吐かせて、すぐに病院で診察を受けましょう。

・あさがお
・あじさい
・アロエ
・アマリリス
・スイセン
・パンジー
・マリーゴールド
・菊
・ききょう
・いちょう
・ハイビスカス
・ベコニア
・いちぢく
・ふじ
・ツツジ科全般
・ユリ科全般
・ちゅーりっぷ
・ヒヤシンス
・スズラン
など・・・

草を食べるのは止めさせるべき?

Cali asks "Am I Photogenic?"
出典:flickr

健康な犬は草なんか食べない、という人もいますが、アメリカのカリフォルニア大学の獣医師らが2008年にこれに関する論文を発表しており、犬が草を食べることは健康な犬に普通に起こることであり、一般的には病気や栄養的なニーズとは関係ないと結論付けました。たしかに、黙々と草を食べる子もいれば、楽しそうに食べる子もいますよね。もしかしたら犬にとっては深い意味はないのかもしれません。
除草剤や毒性の点からすると、食べさせないのが無難かもしれませんが、楽しみや胃腸の調子を整える意味で食べさせてあげたい場合は、安全な草を自家栽培するのが良いでしょう。イヌムギなどのイネ科の植物が人気があるようですので、わんちゃんのために育ててみてはどうでしょうか。

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最後に

犬が散歩中に草を食べること自体に問題はないかもしれませんが、飼い主さんが除草剤や毒性の有無を判断するのは難しいので、万が一に備えて、安全が確保できない場所では草を食べさせるのは止めた方が良いでしょう。また、家の中でも、観葉植物や鉢植え、生け花などを置いている場合、犬への影響をあらかじめチェックしておくようにしましょう。