犬種図鑑
2019年7月20日
コーギーは、大変人気がある犬種です。SNS上では、お尻がたまらなく可愛いと話題になっており「コギケツ」という言葉まで出来上がってしまっているほど。

そんな人気の高いコーギーを、飼いたいと思っている方も多いのではないでしょうか。でも、いざ飼うとなると、どんな性格で、どんなことに気を付けて育てていけばよいのか…などとても気になりますよね。

今回は、コーギーの中でも、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークという犬種について、歴史や性格、飼育方法まで詳しく説明していきますよ。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークに興味のある方、これから飼おうか迷っている方などはぜひ読んでみてください。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの歴史


画像:instagram corgi_foxyさん

原産地はイギリスのウェールズ。ウェールズのペンブロックシャーにいたために現在の名前が付いています。

当時は、胴長短足という体型を生かし、牧畜犬として活躍していました。
牛が敷地内から出ないように見張ったり、外から他の牛が入ってきたら、牛のかかとにかみつき追い返すということをしていたとされています。そのためか、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークにはかみつき癖がある犬もいます。

祖先は、スウェーディッシュ・ヴァルフントと言われており、1107年頃、ヘンリー1世が招致したチャネル諸島の職人が連れてきた説が有力とされています。

スウェーディッシュ・ヴァルフントは短足胴長で、立ち耳、尾が短い犬が多く、その見た目はウェルシュ・コーギー・ペンブロークにとてもよく似ていることから、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの成立に深くかかわりがあったのではないかと言われています。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの特徴


画像:instagram florka_thecorgiさん

体型

体型は、胴長短足。鼻の色は黒色で、立ち耳、目は丸くブラウンです。

尾はとても短く、生まれつきない犬もいます。尾が短いのは、以前牧畜犬として活躍していた際、牛に踏まれてケガをすることを防ぐために、ウェールズのペンブルックシャー州でしっぽを切る習慣ができたためとされています。

現在、外国では断尾をやめている所もありますが、日本では、コーギーはしっぽが短いという認識があるため、依然として断尾されている状況が続いています。

体重は、10~15kgほどあり、筋肉質でとても体力があります。

毛の色、毛の長さ

体毛はダブルコート。短毛であり、真っすぐで硬い毛質のため、絡まって毛玉ができる心配はありません。

毛色はレッド・フォーン・セーブル・ブラックタン・トライが主となっています。ただ、換毛期があるため、抜け毛の処理を定期的にする必要があります。

かかりやすい病気

短足胴長である事、肥満になりやすいため<>b椎間板ヘルニアになる可能性が高いです。

また、この犬種は変形性脊髄症という病にかかることがあります。この病気は、10歳ころに発症する可能性があり、後ろ足を地面に擦るように歩くようになり、次第に動かなくなるというものです。進行すると前足まで動かなくなり、呼吸もできなくなっていきます。発症後3年以内に死亡するとされている病です。

椎間板ヘルニアも変形性脊髄症も、歩行に異常がでるため、歩行状態も気を付けてみるようにしましょう。

また、緑内障などの眼疾患にかかる犬も多いです。

小さなことでも何か異常を感じたら、すぐに獣医に相談するようにしましょう。

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ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの性格

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、好奇心旺盛で、とても活発。運動好きな犬種です。

また賢いため、しつけなどが比較的しやすかったり、社交的で基本的に従順なので、信頼関係も築きやすいという良い面がたくさんあります。

ですがその反面、賢い事から悪い意味で上下関係をすぐに理解してしまうという一面も。もし下に見られた場合、臆病さや攻撃性を見せる可能性があります。それにひるんでしまうと、自分が上の立場にあるということを余計に根強くさせ主導権を握られてしまいかねません。

そのため、接する時にはこちら側がきちんとリーダーシップをとることが大切です。

ただ、基本的に従順なので、一度信頼関係ができてしまえば落ち着いて接してくれます。また警戒心が強く、よく吠えるため番犬としても大活躍してくれます。

賢いことで悪い意味で上下関係を早く理解してしまうという点がありますが、きちんとしつければ、素晴らしい家庭犬になるはずです。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの飼育方法


画像:instagram corgisftwさん

グルーミングの頻度

抜け毛があるため、ブラッシングは週2~3回以上必ず行うようにします。ブラッシングを行うタイミングは、汚れが付きやすい散歩後に行うのが理想的です。特に春から夏、秋から冬の換毛期は大量に抜けるため、念入りなブラッシングを心掛けましょう。

目ヤニはこまめにとるようにします。

耳の中も定期的なお手入れが必要です。ただ、コーギーの耳は立耳で通気性がいいため、月1-2回で十分清潔を保てます。

爪は月1~2回伸び具合を確認し、弓型になっていたら切るようにします。

歯磨きは、虫歯や歯周病予防のため、できれば毎日、最低でも週2~3回はするようにしましょう。

足先の毛は非常に汚れやすいため、定期的にカットするようにします。
足裏の毛も伸びたままにしておくと、滑りやすくなり大変危険です。また、発汗部分でもあるため、カットしておくのが良いでしょう。

餌の量、頻度

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは太りやすい犬種です。肥満予防のために食事管理と運動を徹底することが重要となってきます。

ドッグフードの量は、ドッグフードに記載の量を目安に量を加減します。原則腹八分目に抑えるようにしましょう。もう少し食べたそうにしているくらいが最適な量といえます。

また、翌日の便の状態で、食事量が適正かどうか判断することもできます。便を取り上げた時に下に少し跡が残るくらいが適正。便が柔らかすぎるなら食事の与えすぎ、ポロポロと固まってしまうようなら量不足といえます。

また、同じ量でも回数を分けたほうが満足感を得ることができるため、一回量を減らして与える回数を増やすようにするとよいです。

散歩の回数

散歩は30分以上一日2回行うのが良いです。

単純に歩くだけでは運動にならないため、定期的に散歩コースを変える、散歩中にドッグランなどを利用し自由に運動できるようにしてあげましょう。

ただ、季節ごとの散歩時間には注意が必要です。この犬種は、短足で体高が低いため地面の反射熱を受けやすく熱射病になる可能性が高いといえます。

そのため、夏はなるべく温度が低い早朝と夕方にするのが理想的です。

飼育環境

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、胴長短足のため足や腰に負担がかかりやすいです。そのため、フローリングにはカーペットを敷いたり、階段は登らせないなどの工夫をしてあげましょう。

また、イギリスのウェールズ出身の犬種であるため、日本の夏は苦手です。夏場は特に適切な温度管理を徹底し、熱射病にならないように注意しましょう。

まとめ

今回は、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの歴史から、性格・飼育方法についてみていきました。

見た目が可愛いだけでなく、社交的で従順な性格や、賢く物覚えが良いところも人気が高い理由の一つかもしれないですね。

ただ、胴長短足という体型、肥満になりやすいという特性柄、かかりやすい病気も多々あります。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの特徴などをしっかり把握して、適切な管理をしてあげられるといいですね。