犬種図鑑
2019年7月22日
実は、”コーギー”と呼ばれる犬種には2種類いて、日本では珍しいのがこの「カーディガン」種。では、一般的な「ペンブローク」との違いはどこにあるのでしょうか。今回は、二つの犬種について比較しながら「カーディガン」の性格や特徴、歴史についてご紹介します。

ウェルシュ・コーギー・カーディガンの特徴について(ペンブロークと比較しながら)


画像:instagram macushlacorgisさん

2種類のコーギーの違いは?

コーギーは2種類あり、日本で広まっているのはペンローグ種。今回紹介するカーディガンはペンローグの約100分の1しかいない珍しい種類です。

ペンローグ種は、イギリス王室ドラマ「英国王スピーチ」「ザ・クラウン」でおなじみですが、カーディガン種はそれより一回り大きい犬です。短足で胴長が特徴的なイギリス原産の犬種になります。
 
コーギーは尻尾が短いイメージがありますが、それは慣習で生まれてすぐしっぽを切ってしまうから。そのしっぽ切りの対象はペングローグのみで、カーディガンは、ふさふさをした尻尾をしています。(尻尾を切ることで、踏まれることを避けるのが目的)

<一般的な2種類のコーギーを比較>

カーディガン ペンブローク
平均体高 27cm~32cm 26cm~31cm
平均体重 11kg~17kg 11kg~14kg
尻尾 長くふさふさ 短い
毛色 種類は豊富 *種類は4種類が基本
*日本での飼育頭数 69頭 4,699頭

* ペンブロークは、毛色の制限あり
* 日本での飼育頭数については、2018年(1月〜12月)犬種別犬籍登録頭数を参照

カーディガンの外見

もともと牧畜犬のため、骨太でかっちりした体格をしています。

体長は約1m、体高27〜32cm、体重が11~17kgで耳先が丸いのが特長です。

カーディガンの毛色

毛色はさまざまで、ホワイトのみは認められていませんが、レッド、フォーン、セーブル、ブラック&タンがあります。基本的にどんな色でも認められています。

ダブルコートという毛並みで、胴体に短い毛、お腹の部分に長い毛が生えているため、生え変わり時期は毛抜けが多いです。

カーディガンがかかりやすい病気

大きな胴体を短い足で支えてるため、足腰の病気には注意が必要です。脊柱管ヘルニアは加齢に伴いかかりやすい病気のひとつ。

足腰の負担を減らすためにフローリングから、ペット用のマットへの変更、または階段の上り下りを少なくするなど、環境を整えてあげましょう。

また遺伝子疾患で、変性性脊髄症を発症することがあります。脊髄が病変し、病変が進行すると死に至る難病です。初期はヘルニアと見分けが難しいので、異変を感じたら病院で精査することをお勧めします。

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ウェルシュ・コーギー・カーディガンの歴史


画像:instagram martincardiganさん

原産地はイギリスで、紀元前1200万年前から存在したと言われています。ケルト人がイギリス・ウェルシュ州に持ち込んだとされ、その中でカーディガン地方に残ったのがウェルシュ・コーギー・カーディガンです。

同じく足が短いダックスフンドと祖先が一緒とされており、スヴェデッシュ・ヴァルフントを起源にしています。

1933年にイギリス皇室のジョージ6世がコーギーを飼うと、瞬く間に人気になりました。

当時コーギーは1種類のみの認識でしたが、1944年に体格が違うことから、ペングローグ種とカーディガン種は別種類になりました。

ウェルシュ・コーギー・カーディガンの性格や気質


画像:instagram thedutchcorgiさん

コーギーはウエールズ語で「小さいもの」や「見張り」という意味だと言われ、その名の通り牛や馬を束ねる牧畜犬として活躍してきました。

性格は活発で陽気、聡明さを持ち合わせています。献身的で愛情深いので、家族と一緒に暮らす室内犬に向いています。

牧畜犬では牛や馬の足を噛んで、コントロールしていた名残で、人の足を噛んでしまうことがあります。小さい頃からしつけで、防げるのできちんと指導してあげましょう。

おとなしく警戒心が強いところがあるので、小さい頃からいろんな場所や人に慣らしてあげましょう。

ウェルシュ・コーギー・カーディガンの飼育方法


画像:instagram thedutchcorgiさん

散歩回数

もともと牧畜犬なので、運動が大好きで散歩は必須です。朝晩で30分以上散歩してあげましょう。運動不足になると強いストレスを感じます。体力消費にボールやダッシュ遊びも最適です。

飼育環境

吠え声が大きいので、音が気になるマンションは向きません。

食事頻度

食欲旺盛で与えるだけ食べてしまうので、食事管理も必要です。太りすぎると足腰の負担にもなります。

ブラッシング

春と秋に換毛期があり、ブラッシングがかかせません。普段は獣毛ブラシで週に2〜3回で十分ですが、換毛期は毎日スリッカーブラシを使ってあげましょう。

トリミングのサマーカットは、毛質の変化や毛が生えないなどのトラブルが懸念されるので、皮膚が日に当たりやすいスタイルは避けましょう。