犬種図鑑
2019年10月17日
日本ではまだまだ飼育頭数の少ないコーイケルホンディエ。希少犬種の一つであり、一度は絶滅の危機に瀕したことも。性格は、人懐っこくて友好的。多頭飼いや新しい環境にもすぐに馴染むでしょう。今回は、そんなコーイケルホンディエの特徴や性格、歴史について紹介します。

コーイケルホンディエってどんな犬?


画像:instagram lars.kooikerhondjeさん

日本ではまだまだ飼っている方は少ないのですが、温厚で人懐っこいコーイケルホンディエ。普段あまりみかけない犬種なのですが、温和な性格と垂れ耳がかわいらしく、飼いやすい犬種です。

コーイケルホンディエはオランダが原産の中型犬で、もともとは鴨の狩猟に使われていた猟犬でした。適応能力が高くて、温和で明るい性格なので、他の動物との共同生活や、小さなお子さんがいるお家でもうまく生活することができます。

日本では、希少な犬種のコーイケルホンディエの歴史や特徴、性格や気質、そして飼育方法などを知ると、コーイケルホンディエを飼いたくなるかもしれませんね。

コーイケルホンディエの歴史


画像:instagram asa.hovさん

コーイケルホンディエは、まだ銃が発明される前の16世紀ごろ、オランダで鴨やアヒルをおびき寄せるのが仕事でした。

狩りのやり方は、ふさふさの尻尾を草むらや茂みの中からふりふりさせて、鳥をおびき寄せて仕掛けた網で捕まえるというユニーク方法でした。そのためコーイケルホンディエは、オランダ語で「鴨猟の犬(おとり猟師kooiker)(犬hondje)」という意味で呼ばれるようになります。

当時は、貴族をはじめ裕福層を中心に飼われ、バロック絵画を代表するレンブラントやフェルメールをはじめ当時の芸術家の絵画に、コーイケルホンディエが登場します。

ただ20世紀になり戦争が頻発するようになると、コーイケルホンディエの数は徐々に減っていきます。

そして第二次世界大戦が終わる頃には、絶滅の危機に陥ってしまいます。

そんな中コーイケルホンディエの絶滅の危機を救ったのが、ハーデンブルグ男爵夫人で、絵画に出てくるコーイケルホンディエを探して欲しいと行商人に依頼し、オランダ北部フリースラント州の農場で雌犬を発見されたのです。

そして、この犬が基礎犬になり、徐々に数を増やしていきます。ただ今だに希少犬種のひとつとされています。

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コーイケルホンディエかかりやすい病気


画像:instagram asa.hovさん

平均寿命

コーイケルホンディエの寿命は中型犬の平均寿命と同じくらいで、12〜14歳だと言われています。

ただ犬の暮らす環境や、食生活、運動量、ストレスなどによっても変わるので一概にはいえません。

かかりやすい病気

もともとコーイケルホンディエは狩猟犬でした。そのため、運動量が少なく運動不足になったり、活動量が多く食欲が旺盛なので肥満になりやすい傾向があります。

コーイケルホンディエの身体的特徴である「垂れ耳」は、「耳の病気」になりやすく、通気性が悪く汚れが溜まりやすく、雑菌が繁殖し外耳炎になりやすい犬種なので、耳のお手入れは大切です。

また、被毛が長いので、風通しが悪くなったりホコリやゴミがつきやすいので、ブラッシングやシャンプーなどをこまめに行う必要があります。

かかりやすい疾患は、セロイド・リポフスチン脳症や、血液疾患のフォン・ヴィレブランド病、そして神経麻痺から歩けなくなってしまう遺伝性壊死脊髄障害(ENM)などがあります。ですので定期的な健康診断を行うよう心がけたいですね。

ただ、希少犬種のためどんな病気になりやすいかは、まだまだ分からないことも多い犬種なので、飼う場合には気をくばってあげてください。

コーイケルホンディエの性格、気質


画像:instagram nile_kooikerhondjeさん

コーイケルホンディエの性格は、明るく元気いっぱいで友好的です。人が大好きで飼い主に従順です。

神経質な面や攻撃性が少ないので、多頭飼育や他の動物とも馴染みが早いです。順応性が高く、ちいさな子どもにも優しく接することができます。

遊びが大好きなコーイケルホンディエには、外でボール投げや川遊びが最適です。

コーイケルホンディエの飼育方法


画像:instagram asa.hovさん

<飼育方法>

  • 散歩頻度:1日2回以上20分以上
  • 食事の回数:個体差あり
  • ブラッシング:毎日
  • 飼育環境:室内飼育

散歩

猟犬だったコーイケルホンディエは、十分な運動が必要です。それぞれに犬によるのですが、散歩は1日2回以上20分以上が理想と言われています。

また、お散歩だけではなく、アジリティや水泳なども得意ですので、飼い主さんと一緒に安全に遊んであげましょう。

好奇心旺盛なので、散歩中に鳥や猫などを追いかけてしいまうこともありますので、リードはしっかりとつけて管理をしてあげたいですね。

食事

食事は、他の犬同様個体差があるので、一概には言えませんが、年齢や食欲、健康状態によって調整をしてあげる必要があります。

日頃から体重管理をして食事のあげすぎに気をつけてあげてください。

コーイケルホンディエは、活動量が多いので、多くのカロリーを消費します。そのため高タンパクな食事を心あげてください。

また、皮膚疾患に気をつけるために、ペットフードに使われている食材が安全であるかどうかも大切なポイントです。

日常のケア

コーイケルホンディエを飼う時に知っておきたい日頃のケアは、どんなものでしょうか?

ダブルコートで長毛なので、毎日のブラッシングは大切です。

ブラッシングをせずに放っておくと毛玉ができて、ゴミやホコリがたまってしまい、皮膚炎や匂いの原因になるので、こまめにブラッシングをしてあげましょう。

また、抜け毛をなめてしまい体に入ってしまうこともあるので、部屋は清潔に保つようこまめな掃除も大切です。

そして、垂れ耳なので耳の掃除もこまめに行いましょう。

コーイケルホンディエをはじめ垂れ耳の犬の耳は、通気性が良くなく耳が汚れやすいのです。綿棒などで優しく掃除してあげてください。

お風呂

犬は猫のように毛繕いをしないので、定期的にお風呂に入れてあげましょう。

放っておくと匂いがしたり、皮膚の疾患になってしまう可能性があります。

1ヶ月に一度はお風呂に入れてあげましょう。

中型犬でお風呂に入ることができない場合は、トリミングサロンなどでお風呂に入れてもらいましょう。

飼育環境

コーイケルホンディエは、人に従順な性格で人が大好きな犬種です。家族を楽しませたく寂しがり屋な一面もあるので、室内で家族と一緒に暮らすのがオススメです。

活動量が多く活発な性格なので、テーブルの上に食べ物や興味のあるものを置いておくと、取られてしまい、誤飲や誤食をしてしまう可能性があります。

家を留守にする時には、サークルやゲージに入れておきましょう。

そして、抜け毛が多い犬種ですので、こまめに掃除をして清潔な環境を保ってあげましょう。換毛期には特に抜け毛が増えます。

最後に

普段あまり見かけることの少ないコーイケルホンディエについてご紹介してきました。

温和で友好的な性格のコーイケルホンディエは、育てやすい性格をしています。

ただもともと猟犬だったため十分な運動量を必要とする犬種なので、コーイケルホンディエを飼う際には、飼い主さんが十分な時間を取ることができるかを判断する必要があります。

適応能力も高く遊び好きで物覚えの良いコーイケルホンディエは、犬をパートナーとして迎え入れたい方には、魅力的な犬ですね。