犬種図鑑
2019年7月22日
グレートピレニーズは、穏やかで愛情深い性格です。日本では、見かけることが少ないですが、世界的に見れば人気の高い犬種です。かつては、ルイ14世やマリーアントワネットも愛したほど。今回は、そんなグレートピレニーズの特徴や性格、歴史についてご紹介します。

グレートピレニーズって、どんな犬?


画像:instagram instapyrenees365さん

「ピレネー犬」という愛称で呼ばれることも多いグレートピレニーズ。白いふわふわの毛並みと柔和な顔つきが特徴的な大型犬です。

どっしりとした雰囲気や穏やかな表情、飼い主を見つめるその優しい眼差しに、癒される人も多いことでしょう。

狭小住宅の多い日本ではあまり見かけることはありませんが、いつかは飼ってみたいと憧れを抱くファンも多数います。

しかし、人間ほどの大きさがあり、外敵に立ち向かっていく勇猛さを持っているため、扱いに注意しないとケガをする恐れもあります。

グレートピレニーズの飼育を検討している方は、事前にきちんとした知識を持ち、しつけ方法の徹底ふさわしい飼育環境を整えることが大切です。

グレートピレニーズの歴史


画像:instagram instapyrenees365さん

グレートピレニーズの祖先は、中央アジアまたはシベリアから入ってきた「チベタン・マスティフ」という超大型犬で、紀元前6世紀頃にヨーロッパに持ち込まれました。

その後フランスとスペインにまたがるピレネー山脈で牧羊犬として活躍するようになり、山岳地帯での厳しい環境に加え、オオカミや熊と戦い、補食から羊を守ってきました。

その優秀な評判が広まり、17世紀になるとフランス王室の護衛犬として迎えられ、国王ルイ14世や王妃マリーアントワネットに愛されるようになります。

しかし時代の変化で需要が減り、一時は絶滅の危機に見舞われましたが、愛好家の懸命な繁殖により、再び個体数も増え、1885年に世界的な愛犬団体のイギリスケネルクラブに登録されます。

その後各国に広まり、1961年にはジャパンケネルクラブに登録されました。現在では欧米諸国を中心に高い人気を誇っています。

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グレートピレニーズの特徴


画像:instagram okayu41さん

<特徴>

  • 大きさ:大型犬
  • 標準体高:65cm~80cm
  • 平均体重:50kg~60kg
  • 被毛:ダブルコートの長毛
  • 被毛の色:白色
  • かかりやすい病気:骨肉腫・膝蓋骨脱臼・股関節形成不全など

外見

グレートピレニーズの体高は65cm~80cm、体重50kg~60kgとかなりの大型犬です。

極寒の山岳地帯で生活していたため、それに耐えられる厚く密集したダブルコートの長毛とオオカミとも戦える強靭な筋肉を持っています。

骨格はがっちりしており、大きな顔と垂れ耳が特徴です。

また、普通の犬は前足にある狼爪(ろうそう)という爪が後ろ足にあります。

毛色

毛色は白色がほとんどですが、グレーや茶色の班が頭や耳にある個体もいます。

生活環境

寒い地域で飼育されていた犬なので、暑さにはとても弱く、熱中症には注意が必要です。

被毛が密集しているので夏場は皮膚病にもかかりやすく、温度管理やトリミングに気を配る必要があります。

かかりやすい病気

大型犬ゆえに骨や間節に負担がかかりやすく、骨肉腫膝蓋骨脱臼股関節形成不全などにもなりやすいといえます。

定期的な健康診断と日頃の観察が大事で、歩き方がおかしいと感じたらすぐに病院を受診するようにしてください。

グレートピレニーズの性格や気質


画像:instagram hello_gandalfさん

グレートピレニーズは、普段は穏やかで愛情深く飼い主に従順です。子供を好み、家族にも愛情を持って接するため最高の遊び相手になります。

その一方で牧羊犬として飼育されてきたため縄張り意識防衛本能が強く、初めての人や散歩途中に会う人などに警戒心を抱き、うなったり吠えたりする場合もあります。

家族以外との触れ合いも多く持たせるようにしたり、必要以上に警戒心を抱かせない工夫をしたりすることで無駄吠えを防ぐことができます。

また、自分で判断して行動する洞察力があるため、強要するようなしつけは嫌います。頑固な面もあるので成犬になってから教えたのでは言うことを聞かないこともあります。子犬のうちからきちんとしつけをし、飼い主との信頼関係を築くことが大切です。

グレートピレニーズの飼育方法


画像:instagram fancyfarmgirlさん

<飼育方法>

  • 散歩頻度:朝晩2回、1回につき1~2時間
  • 食事の回数:朝晩二回
  • ブラッシング:1日1回
  • 飼育環境:広い屋内

飼育環境

グレートピレニーズは大型犬なので、十分な広さのある場所で飼う必要があります。そのため、広い部屋や庭のある家での飼育が望ましいです。

また、暑さに弱いため温度管理ができる環境が必須であり、室内ではエアコンのある部屋、屋外でも屋根や日よけを作り、日陰になるところに犬小屋を設置するなどの配慮が必要です。

餌の頻度

餌は朝晩2回、動物性たんぱく質が多く低炭水化物のドッグフードを、体重から計算した規定の量与えます。

ブラッシング

換毛期でなくても被毛がかなり抜けるので、できれば1日1回ブラッシングをしてあげてください。その上で1ヶ月に1回のシャンプーと、1、2ヶ月に1回の頻度で被毛のカットをしてあげましょう。特に夏場はムレからくる皮膚病を防ぐためにもサマーカットなどでさっぱりと整えると安心です。

散歩や運動

肥満防止やストレス軽減のため十分な運動が必要ですので、朝晩2回1回につき1~2時間の散歩に欠かさずに行くようにしましょう。その際は関節に負担をかけないよう早く走るのではなく、ゆったりと歩かせてあげることがポイントです。