犬種図鑑
2024年6月18日

雪だるまのような愛らしい姿で有名なサモエドですが、被毛のケアの難しさや飼育環境が限られることから、初心者には飼育が難しいといわれています。「事前に知っておくべきことは?」「飼育する上で注意したいポイントは?」など、サモエドの性格から飼い方までご紹介します。

「サモエド」ってどんな犬?

 

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画像:instagram alextoさん

雪玉のように真っ白なモフモフの毛から覗く「サモエド・スマイル」。口角が上向きで、まるで笑っているように見えることで人気の犬種です。

雪だるまのように愛らしい外見と、人懐っこい性格で、誰からも愛されるサモエド。子どもの遊び相手も喜んでしてくれるその優しさは、家族の一員として迎え入れるのにぴったりですね。

日本ではあまりその姿を見かけることはありませんが、世界的に見るとサモエドはかなりの人気を誇る犬種です。その人気の秘密を紐解いていきましょう。

サモエドの歴史

 

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画像:instagram samoyedstoriesさん

サモエドは、もともとシベリア(現在のロシア)で遊牧民のサモエド族と暮らしてきた犬です。オオカミからトナカイを守る牧畜犬として、猟犬として、またそりを引く犬として、いつも人々を助けてきました。

極寒の地で生きてきたサモエドは、アムンゼン率いる南極探検隊の犬として活躍していたことでも知られています。このときのサモエドのうち、何頭かが動物学者によってイギリスに連れて行かれ、そこで繁殖と改良を重ねられました。

当時は黒や茶色の被毛も見られましたが、イギリスでは白い被毛が好まれたため、選択繁殖されるようになり、次第に白い被毛が定着していきました。

1909年には最初のスタンダード(犬種標準)が作成され、1912年にイギリスケンネルクラブに正式犬種として公認されることとなりました。

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サモエドの特徴

 

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画像:instagram samoyedstoriesさん

<特徴>

  • 大きさ:中型犬
  • 標準体高:50~56cm
  • 平均体重:16~30kg
  • 被毛:ダブルコート
  • 被毛の色:主にピュアホワイト
  • かかりやすい病気:進行性網膜萎縮症

毛について

ピュアホワイトと呼ばれる真っ白な個体が多いサモエドですが、クリーム色、白の被毛にビスケット色のマーキングが入っているものもいます。被毛はダブルコートで、寒い地域で体を守るために上毛は長く、下毛は密集して生えています。

外見

体高は50~56cm、体重は16~30kgで、大きめの中型犬に分類されます。

かかりやすい病気

遺伝性疾患は少なめの犬種ですが、進行性網膜萎縮症には注意が必要。また、中型・大型犬に多い胃捻転股関節形成不全も起こりやすいので気を付けましょう。

特に胃捻転は重症化しやすいので、散歩や食事のタイミングには充分気を付ける必要があります(後述)。

サモエドの性格や気質

昔から人間とともに生きてきたサモエドは、基本的に温和で穏やかな性格です。人間を信頼し、そばにいたがるので、留守がちにすると大きなストレスを感じます。散歩以外にも、たくさんスキンシップの時間をとるようにしましょう。ボール遊びや、ひっぱりっこなどをしてあげると喜びます。

しつけやすく、辛抱強い性格なので、子どもの遊び相手にもぴったり。

ただし、ほとんど人見知りをしないため、番犬には向きません。とてもフレンドリーな犬種です。

サモエドの飼育方法

 

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画像:instagram fun_with_franklinさん

<飼育方法>

  • 散歩頻度:1日2回、1時間以上
  • 食事の回数:350g~450gを1日に2回
  • ブラッシング:毎日
  • 飼育環境:室内飼育

飼育環境

飼い主のそばにいることが好きであること、そして暑さが苦手なことから、室内で飼育しましょう。暑い時期には必ずエアコンをつけて20℃程度の室温をキープし、熱中症にならないよう注意が必要です。室内でも直射日光を避け、水分補給も十分に行いましょう。

散歩回数

非常に体力があり、体を動かすことが好きなので、1日2回、合わせて1時間以上の散歩が必要です。暑さには弱いので、暑い時期には早朝や日が暮れた後など、涼しい時間帯に散歩に連れ出すとよいでしょう。

ブラッシング

抜け毛が多く、特に換毛期には非常に多くの毛が抜けるので、できるだけ毎日ブラッシングしましょう。特に暑い時期には、皮膚病予防のためにも、こまめにブラッシングをして風通しをよくすることが大切です。

餌の頻度

餌については、個体差もありますが、成犬であれば350g~450g1日に2回に分けて与えるようにします。子犬の間は、体重の4%程度の量を3~4回に分けて与えましょう。

また胃捻転が起こるのを防ぐため、ドライフードであれば十分にふやかし、フォークなどでつぶして空気を抜いてから与えるとよいです。餌をやるタイミングは、散歩のあと、少し落ち着いてからがおススメです。

これからサモエドを飼う方へ

 

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画像:instagram fun_with_franklinさん

愛情豊かで、人と過ごすことが大好きなサモエドは、家族に迎え入れるのにぴったりの犬種です。寒い地域でそりを引く強靭さと甘えん坊の性格とのギャップがまた魅力ですよね。

上記でご紹介した注意点や飼い方のポイントをおさえて、サモエドには毎日を快適に楽しく過ごしてもらいましょう。

「笑う門には福来る」ということわざもあり、「サモエド・スマイル」はきっと家族に幸せをもたらすはず。

寒い地域で飼われていたサモエドは、昔は暖房がわりに人間のそばに寄り添ってくれていたそうです。きっと、これからも私たち人間のそばに寄り添って、豊かな愛情を感じさせてくれることでしょう。