犬種図鑑
2019年10月24日
「フランダースの犬」のモデル犬となったブービエ・デ・フランダース。風貌はアニメと異なり、もじゃもじゃの毛に覆われていて愛嬌たっぷり。今回は、そんなブービエ・デ・フランダースの特徴や性格、飼い方、歴史をご紹介します。

ブービエ・デ・フランダースってどんな犬?

ブービエ・デ・フランダース

(画像参照元)ペットの消臭屋:https://www.e-nioi.jp

日本では、あまりなじみのないこちらの犬種。

日本では、アニメ化もされた有名な児童文学「フランダースの犬」のモデルになった犬です。アニメで描かれていた風貌とは全く違う、もじゃもじゃの毛に覆われたその姿は、なんとなくユーモラス。

犬名の「ブービエ」とは、「牛飼い」の意味で、その名のとおり、古くから牧牛犬として親しまれてきました。現在でも、ベルギーでは作業犬としてその実力を発揮しています。

ブービエ・デ・フランダースの歴史


画像:instagram dogs.labさん

ブービエ・デ・フランダースは、古くからフランスとベルギーの境、フランドル地方で牧畜犬・作業犬として働いてきました。

第一次世界大戦が勃発すると、軍用犬として働くようになり、結果的に多くのブービエ・デ・フランダースが命を落としてしまいます。終戦後、生き残った数頭のブービエ・デ・フランダースを愛好家たちが大事に繁殖させ、1922年に、この犬種のスタンダードが正式に登録されました。

現在では、農場犬としてだけでなく、警察犬や盲導犬としても働いています。

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ブービエ・デ・フランダースの特徴


画像:instagram bearnaisethebouvierさん

<特徴>

  • 大きさ:大型犬
  • 標準体高:62cm~68cm
  • 平均体重:35kg~40kg
  • 被毛:ダブルコート
  • 被毛の色:グレー、フォーン、ブリンドル、ソルト&ペッパーなど
  • かかりやすい病気:まぶたの病気

外見

体高は62cm~68cm、体重は35kg~40kgで大型犬に分類されます。

被毛

ブービエ・デ・フランダースの最大の特徴は、もじゃもじゃの長い被毛。まゆ毛や口ひげ、あごひげのように見える毛に覆われた、とてもかわいい顔をしています。

毛色は、黒に近い深いグレーがポピュラーですが、他にもフォーン、ブリンドル、ソルト&ペッパーといった毛色もあります。被毛はダブルコートで、固くてもじゃもじゃのオーバーコートの下に、柔らかなアンダーコートが隠れています。

かかりやすい病気

かかりやすい病気として、一番気を付けたいのは、まぶたの病気。「眼瞼内反症」・「眼瞼外反症」、どちらも予防は難しいので、日ごろから目のチェックはしっかりと。また、大型犬一般に起こりやすい、股関節形成不全は胃捻転にも注意が必要です。

ブービエ・デ・フランダースの性格や気質


画像:instagram bearnaisethebouvierさん

この犬種は、とても愛情深い性格で、飼い主・家族に対してはとても従順。穏やかで辛抱強いので、小さい子供がいるご家庭でも大丈夫です。

ただし、番犬として働くだけあって、家族を守ろうとする意識がとても強いのがブービエ・デ・フランダースの特徴でもあります。警戒心がとても強いので、見知らぬ人や動物には攻撃的な一面を見せることも……。

非常に忠実で聡明な性格なので、しつけさえしっかりすれば、とても頼もしい家族の一員となります。

ブービエ・デ・フランダースの飼育方法


画像:instagram mr.maruandcrewさん

<飼育方法>

  • 散歩頻度:1日に2回、1時間以上
  • 食事の回数:500~600グラムの餌を2~3回
  • ブラッシング:毎日
  • 飼育環境:室内飼育

散歩回数

非常に体力があるので、運動は毎日必要です。1日に2回、1時間以上の散歩を心がけましょう。走るのが非常に好きなので、公園やドッグランで思い切り走らせてあげるとよいです。その場合、リードは絶対に外さないでください。牧畜犬としての本能で、他の動物を追いかけてしまうことがあります。

餌の頻度

個体差もありますが、1日に500~600グラムのエサを2~3回に分けて与えます。胃捻転を防ぐため、一度にたくさんのエサを与えるのは控えましょう。また、食後すぐに運動することも控えてください。

ブラッシング

毛がからまりやすく、毛玉ができてしまいがちなので、一日おきのブラッシングを忘れずに。特に生えかわり時期には注意が必要です。2~3か月に1度は、トリミングに連れて行ってあげましょう。

飼育環境

家族であるという意識が強く、仲間を大切に思うブービエ・デ・フランダースは、室内で飼うのがおすすめ。暑さには弱い犬種なので、特に夏には注意が必要です。ペット用の保冷マットを使ったり、エアコンで温度管理をしたり、涼しく過ごせるようにしてあげてください。

これからブービエ・デ・フランダースを飼う方へ


画像:instagram mr.maruandcrewさん

家族に対して、とても忠実なブービエ・デ・フランダース。とても賢い犬ですが、成犬になるとこだわりの強さを見せることも。小さいときから、「一緒に暮らす人に合わせる」という訓練をしておくことが大切です。

特別なトレーニングは必要ありません。上下関係をはっきりさせておけば、ブービエ・デ・フランダースの良い面をより引き出すことができるはず。

体を動かすことが大好きで、「いつも一緒」がいいという飼い主さんにおすすめの愛情深い犬種です。