犬種図鑑
2020年4月1日

北海道犬ってどんな犬?


雪のように真っ白な被毛と三角にとがった立ち耳が特徴的な北海道犬。その名前のとおり、北海道出身の中型犬です。

古くから北海道犬を飼っていたアイヌ民族の名前から「アイヌ犬」と呼ばれることもあります。

柴犬や秋田犬などと同じく、つややかなダブルコートの短毛と三角形の立ち耳、そしてくるんと丸まった巻き尾を持っています。

認知度がそれほど高い犬種ではありませんでしたが、ソフトバンクのCMキャラクター「お父さん」の影響で、一躍人気犬種の仲間入りをはたしました。

北海道犬の歴史


北海道犬のルーツはたいへん古く、古代日本のはじまりとされる縄文時代まで遡ります。

東北地方に住んでいた縄文人が北海道に移住する際に連れていた狩猟犬「セタ」が原種といわれ、ヒグマなどの狩りに同行していました。

アイヌの人々が独自の文化を構築していったのと同じように、北海道犬も地理的要因などから本州の犬種とほとんど交わることなく発展していったと考えられています。

その後、明治2年にアイヌ犬と名付けられてからは純犬種として扱われるようになり、1930年代には北海道犬と名前を変え、国の天然記念物にも指定されました。

現在のJKC登録頭数は7,000頭とたいへん少なく、希少犬種のうちのひとつとされています。

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北海道犬の特徴

体型

筋肉がついてがっちりとしたボディをしており、和犬によくみられる三角の立ち耳と巻き尾を持っています。

毛の長さ

北海道の環境に適したフカフカの短い被毛を持っています。ダブルコートのため保温性が高いのが特徴です。

毛色

ソフトバンクの「お父さん」でおなじみのホワイトのほかに、レッド、ブラック、ごまなどがあります。タンがあらわれる個体もあります。

注意したい病気

長い歴史の中で確立された犬種のため基本的には頑丈です。しかし、寒い地域に適した被毛のため、沖縄など暑い地域で飼育する場合は皮膚病に注意が必要です。

北海道犬の性格


長年、狩猟犬という役割を担っていた影響で、警戒心が強く気性が荒い傾向があるとされる北海道犬。その闘争心の高さは、競技会などのコンテストを毎年開催しどう猛さを競われるほどです。

しかし、和犬にみられる特徴のひとつである飼い主への忠誠心はたいへん高く、深い愛情をもって接する犬種でもあります。

猟のときはヒグマに咬みついていた勇敢な個体が、飼い主と家に帰った途端、甘えん坊に変身するなんてことも北海道犬にはよくあるそうです。

北海道犬の飼育方法

散歩の回数

狩猟犬だった歴史をもつ北海道犬には、十分な運動をさせてあげる必要があります。1時間~2時間ほどの散歩を、1日2回行ってあげましょう。

できれば、休日はドッグランなど自由に運動できる環境に連れて行ってあげるとよいです。

ごはんの量・頻度

成犬の場合、1日あたり270g程度の量を、2~3回に分けて与えてあげてください。

ブラッシング

北海道の過酷な環境に適応した北海道犬のふかふかな被毛。東北より北の地域では気にする必要はありませんが、沖縄や九州など暑い地域で飼育する場合は、毎日でもブラッシングしてあげる必要があります。

また、ダブルコートのため、換毛期にはよりこまめにブラッシングしてあげましょう。

飼育環境

先述のとおり、厚いダブルコートの被毛で覆われた北海道犬は寒さには強いですが暑さにはたいへん弱い傾向があります。

夏場など室温が高くなる場合は、エアコンなどで適温に調節してあげましょう。

これから飼う方に向けて


ふかふかの被毛と、くるんとした巻き尾がとってもかわいらしい北海道犬。ソフトバンクのCMで有名になった、近年人気急上昇中の犬種です。

気性が荒いというイメージを持たれやすい犬種ですが、しっかりしつけを行うことができれば、飼い主の言うことにきちんと従ういい子になってくれます。

子犬のころから上下関係を覚えさせ、アメと鞭のメリハリつけたしつけをしてあげましょう。

北海道犬はきっと、飼い主であるあなたのことが大好きな、唯一無二のパートナーになりますよ。