2019年11月18日
【犬種図鑑】ボルゾイってどんな犬種?特徴や性格をご紹介
ボルゾイってどんな犬?
シルクのようなさらさらとした被毛と、すらりとしなやかで筋肉質なボディが特徴的なボルゾイ。ロシア原産の大型犬です。
11世紀ごろ、フランスのアンリ1世に嫁いだロシアの貴族の娘が、嫁入り道具としてフランスに持ち込んだのがボルゾイだったといわれています。
ボルゾイは狩猟犬としてたいへん優れた能力を持っており、特にオオカミなどの大型動物の狩りを得意としていました。
ロシアの過酷な寒さに耐えられるよう発達した、保温性の高い長毛のダブルコートを持っています。
ボルゾイの歴史
ボルゾイの起源ははっきりとしたことはわかっていませんが、ロシアにもともと生息していた犬種と古い時代の狩猟犬から作出されたと考えられています。
13世紀ごろになると、上流階級の狩猟対象がオオカミなどの大型動物に変化したため、それまではウサギなど小動物の狩猟に適した大きさだったボルゾイも大型化されました。その優雅な立ち居振る舞いから、上流階級の象徴として愛されたようです。
その後、ロシア革命で一度は絶滅の危機に瀕したボルゾイでしたが、ヨーロッパ諸国の王族らの手助けもあり、20世紀初頭にはケンネルクラブへの登録も行われました。
現在は、その美しい姿からドッグショーなどで人気を博しています。
ボルゾイの特徴
<特徴>
- 大きさ:大型犬
- 標準体高:75cm~85cm
- 平均体重:34kg~47kg
- 被毛:ダブルコート
- 被毛の色:単色、ミックス、トライカラー
- かかりやすい病気:眼病(ボルゾイ網膜症)
体型
しなやかな筋肉がついたボディと、長いマズルが特徴的です。成犬になると、人間の腰くらいの大きさにまで成長します。
毛の長さ
ロシアの過酷な環境に適した長毛のダブルコートです。長く垂れた耳や尻尾などに飾り毛があります。
毛色
ホワイトやブラックといった単色から、ホワイトとブラウン系のミックス、さらにはトライカラーなどがあります。
注意したい病気
ボルゾイは眼病にかかりやすいといわれています。とくにボルゾイ網膜症という、先天的に網膜の形成不全になってしまう疾患には注意が必要です。
ボルゾイの性格
狩猟犬としての能力が高い一方で、家庭で寛いでいるときはたいへん優雅で人好きな犬種です。
人見知りもほとんどしないため、すぐに家庭に溶け込むことができるでしょう。
また、吠えたり威嚇したりするようなこともほとんどない、たいへん静かな大型犬であるともいえます。
飼い主の感情を察知して、静かに寄り添える賢い犬種です。
しかし、狩猟犬としての能力の高さゆえに、散歩中などに小動物や他の犬を狩ろうとしてしまうことがあります。
好奇心が旺盛で遊び好きなので、子犬のころからしっかりとしつけを行うことが大切です。
ボルゾイの飼育方法
<飼育方法>
- 散歩頻度:1日1~2時間程度
- 食事の回数:1日あたり420g程度を2~3回
- ブラッシング:週に2回
- 飼育環境:高い壁に囲まれた環境
散歩の回数
ボルゾイは非常に多くの運動量を必要とする犬種です。1日1~2時間程度の散歩は欠かせません。
出来ることなら、こまめにドッグランなどに連れて行ってあげるとよいでしょう。
ごはんの量・頻度
成犬の場合、1日あたり420g程度を2~3回に分けて与えてください。
お手入れの頻度
ダブルコートの長毛種のため、週に2回はブラッシングをしてあげましょう。
飼育環境
ボルゾイは体力・脚力ともに大型犬最高レベルの犬種です。
1mくらいの塀は軽々と飛び越えてしまいますので、脱走防止のため庭にはしっかりと高い塀を作ることが望ましいです。
これから飼う方に向けて
優雅な立ち居振る舞いで、かつての王侯貴族たちを夢中にさせたボルゾイ。そのうつくしさは、あのイングランド女王ビクトリアも魅了したといわれています。
ボルゾイは、日本ではまだまだ飼育頭数が少なく、ショップでもなかなか見かけない犬種です。
しかし、ヨーロッパ諸国においては狩猟犬としての能力の高さから、ドッグレースに出場するなど、活躍の場を広げています。
子犬のころからしつけを行いしっかりと上下関係を教えさせれば、ボルゾイはあなたを信頼し、かけがえのないパートナーになってくれるでしょう。