犬種図鑑
2019年11月17日
怖そうな見た目と優しい性格のギャップが魅力のロットワイラー。警察犬や軍用犬として活躍するほどの賢さも兼ね備えています。今回は、そんなロットワイラーの特徴や性格、歴史、飼い方をご紹介します。

ロットワイラーってどんな犬?

ロットワイラー

ドイツが原産国の大型犬、ロットワイラー。ヨーロッパやアメリカでは、とても人気のある犬種です。警察犬や軍用犬としても活躍しているだけあって、ちょっと怖そうで近寄りがたい雰囲気……、でも、実はお利口で、優しく、家族の一員に迎え入れると、とても頼りになります。

怖そうな見た目と優しい性格のギャップが魅力のロットワイラーですが、残念ながら日本ではあまり見かけることができません。ロットワイラーとは、一体どんな犬種なのでしょうか。

ロットワイラーの歴史

ロットワイラー

ロットワイラーの歴史は非常に古く、ローマ人が飼っていたモロシア犬が起源とされています。ローマ軍がスイスを侵攻した時に、南ドイツのロットヴァイル地方に持ちこまれ、そのまま牧牛犬として改良され、長きにわたり活躍してきました。

その利口さと勇敢さを買われ、牧牛犬としてだけではなく、現金輸送犬としても活躍してきたロットワイラーですが、19世紀ごろから牛追いの仕事はだんだんと減っていきます。この頃から、飼育数がどんどん減っていき、一時は種の存亡の危機となるほど頭数を減らしてしまいました。

しかし、愛好家たちの手によって守られた結果、少しずつその数を増やし、1921年にはドイツでロットワイラーの単独クラブが設立されました。現在も警察犬や軍用犬、山岳救助犬として人々を助けています。

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ロットワイラーの特徴

ロットワイラー

<特徴>

  • 大きさ:大型犬
  • 標準体高:約60cm~70cm
  • 平均体重:40kg~50kg
  • 被毛:ダブルコート
  • 被毛の色:ブラック&タン
  • かかりやすい病気:悪性腫瘍

外見

ロットワイラーは大型犬に属し、体高は約60cm~70cmほど、体重は40kg~50kgほどです。大型犬としては小さいほうですが、牧畜犬・護衛犬として働いてきただけあり、とても力が強く、たくましい犬種です。

被毛

つややかな黒く短い毛は大変美しく、ダブルコートですが、換毛期以外は抜け毛が比較的少ないので、お手入れはそう難しくありません。カラーは、ブラック&タン。黒一色の体に、ところどころタンマーキングが入っています。

かかりやすい病気

かかりやすい病気として気を付けたいのが悪性腫瘍。早期発見につなげるためにも、定期的に獣医さんに診てもらいましょう。また、前十字じん帯の怪我が多く、悪化すると歩けなくなるので注意が必要です。予防法としては、太らせないこと。年齢に応じて運動量をコントロールしていきましょう。

ロットワイラーの性格や気質

ロットワイラー

ロットワイラーは怖そうな外見ですが、実は、とても穏やかで愛情深い性格です。子供好きなので、小さい子供がいる家庭でも大丈夫。遊び相手にもなってくれる優しさを持ち合わせています。また、飼い主にはとても従順で、忠誠心の強い犬種。家族を守ろうとする意識が強いので、番犬にもおすすめです。

一方で、警戒心が強く、縄張り意識も強いため、家族を守ろうとするがあまりに攻撃的になってしまうということも。子犬のころから、しっかりと社会にきちんと適応できるようにトレーニングしておくことが大切です。飼い主・家族の指示にしっかり従うように、しっかりとしつけるようにしましょう。

ロットワイラーの飼育方法

ロットワイラー

<飼育方法>

  • 散歩頻度:1日に2回、1~2時間
  • 食事の回数:1日700~800gの餌を2~3回に分ける
  • ブラッシング:週に3~4回程度
  • 飼育環境:室内飼育(広め)

散歩回数

非常に体力があるロットワイラーには、毎日、ある程度の運動量が必要となります。1~2時間の散歩や運動を1日に2回させるのがベスト。時には、ドッグランで思い切り運動させましょう。

餌の回数

1日700~800gのエサを2~3回に分けて与えます。大型犬特有の胃捻転を起こさせないように、一度に大量のエサを与えないよう気を付けましょう。

ブラッシング

被毛のお手入れは比較的簡単です。換毛期以外は抜け毛も少ないので、定期的なブラッシングとシャンプーをしてあげるだけで充分。腫瘍ができやすい犬種なので、ブラッシングのときに、きちんとチェックしておくと安心ですね。

飼育環境

警戒心が強いため、外での放し飼いはおすすめできません。ある程度広さのある室内で飼うのがベストです。室内飼いの場合でも、玄関に勝手に出て行かないように注意してください。

これからロットワイラーを飼う方へ

とても優しく、家族を大切に思う気持ちの強いロットワイラー。まわりの人に攻撃的にならないように、小さいころから、家族以外の人間や、動物、様々な環境に適応できるようなしつけをしていくことが大切です。

とても賢く、基本的にしつけのしやすい犬種ですが、飼い主がきちんと主導権を持ち、主従関係をしっかりと理解させるようにしましょう。力が強い犬なので、飼い主や家族の制止をきちんと聞き分けるように育てなくてはなりません。

ロットワイラーの個性をよく理解し、よいところを引き出せるように、愛情をたっぷりかけて育てていきたいですね。