トレーニング・Tips
2016年11月28日
犬の散歩は、家庭に犬がいる方にとって日常茶飯事のことと思います。犬種による差はありますが、散歩の目安として、小型犬は30分、大型犬は1時間で歩ける距離を一日に二回行うのが良いと言われています。しかし、毎日散歩をしていると、「数キロの道のりを歩くのは意外と大変…自転車で犬を引いて一緒に散歩をすれば快適ではないか」とふと思う方も、多いのではないでしょうか。そんな何気ない思いつきですが、実は地域によっては違法になるかもしれません。

自転車での犬の散歩は違反?

14917531725_b9f4bfe322_o

近年、自転車の運転者に対して、指導警告カードによる講習義務や赤切符による罰則、といった制度が取り入れられたことは記憶に新しいことと思います。これにより、自転車の運転に対して一層厳しい取り締まりが行われるようになりました。

では、自転車で犬の散歩をすることはどうなのでしょうか??

警視庁のホームページに、このようなコラムが掲載されています。

Q:自転車に乗ったまま傘をさしたり、リードをもって愛犬の散歩をしたり、携帯電話の通話をするのは違法なの?

A:自転車に乗ったままで、雨の日に傘を差したり、リードを持って愛犬を散歩させたり、携帯電話で通話することは違反となります。東京都道路交通規則第8条に「傘を差し、物を担ぎ、物を持つ等視野を妨げ、又は安定を失うおそれのある方法で、(中略)自転車を運転しないこと。」また、「自転車を運転するときは、携帯電話用装置を手で保持して通話し、又は画像表示用装置に表示された画像を注視しないこと。」とあります。物を持つことで片手運転になったり、犬に引っ張られて操作上の安定を失うことになるため違反になります。

このように自転車で犬を引いての散歩は実際に違法とされています。もしこれに違反すると、道路交通法違反として三ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられます。もしも、歩行者を巻き込んだ事故を起こしてしまった場合は、刑法の「重過失傷害」による罰則や、民事責任として相手への「損害賠償」の支払いが発生する可能性もあります。損害賠償は相手の怪我の度合い、休業期間や後遺症により大きく変動しますが、場合によっては賠償金額が1000万円にものぼることもあります。

ADVERTISING

広告

自転車での散歩は愛犬にとっても危険

2741410231_27de19a597_o

外で散歩をしている時には予期できないことがたくさん起こります。そんな時、犬はどんなにしつけていても予想外の動きをすることがあります。自転車に乗った不安定な体勢で飼い主は犬のことを制御することができません。
自転車での散歩中に、犬が急に停止・方向転換をしたことで、ハンドルをとられ転倒する事故や、リードが車輪に絡まってしまい、犬が車輪に巻き込まれるといった事故も多く起きています。

法律に違反しないようにするというのはもちろんですが、こうした些細なことにも危険が潜んでいるという事を認識し、愛犬の安全に配慮するというのも飼い主として必要なことではないでしょうか。

まとめ

徒然と違法ということについて書き上げましたが、街中で自転車に乗っている方がイヤホンを装着している姿や、雨の日に傘をさしている姿はよく見かけるものではないでしょうか。そんな光景を見ていると、たかだか自転車で、1000万円など大げさな…と感じる方もいるかもしれません。

しかし、法律違反や罰則金の話だけではなく自分自身や犬にとっても多くの危険があります。
なにより、「犬にとって最高の娯楽」まで言われている散歩を、愛犬とともに足並みをそろえて楽しむのもいいかもしれません。