2018年5月25日
梅雨の食欲不振どうすればいい?初夏の愛犬の食の悩み対策と注意点
梅雨は食欲が落ちるもの
冬から春にかけて、多くの犬は冬毛が抜けて夏毛に生え替わります。初夏になる頃には、ほぼ、毛が生え替わって衣替えが完了! 「夏の準備ができた!」と思うかもしれません。
しかし、残念ながら、体はまだまだ暑さや急激な温度変化に慣れていません。
そんな時に、朝夕の気温差が15℃を超えるような日があったり、湿度が高い日があったり、湿度が高くてジメジメした梅雨を迎える!
気温や湿度が乱高下する初夏は、体温調節が苦手な犬に取って、かなり酷な時期です。
目まぐるしい変化が原因で、犬も人と同じように「なんとなく調子がよくない」「食欲がない」「元気がない」といった状態に陥ってしまいます。梅雨の時期に食欲が落ちるのは自然なこと。
子犬や老犬は、特に変化に弱いので、できるだけ室温や湿度が大きく変化しないような環境作りが必要です。
水やドッグフードの質は大丈夫?
愛犬の食欲不振は季節の問題が大きいのですが、実は、飼い主さんに原因があることも!
それは水とドッグフードの質の問題です。 梅雨の時期は、水やドッグフードの状態が悪化しやすい時期なのです。
水は新鮮なものを準備してあげて
暑くなってくると、犬には多くの水が必要になります。
水分不足になると、体温調節が難しくなりますし、体の中の機能も低下。疲れやすくなり、元気がなくなって食欲不振に繋がることも!
水は多く準備したいのですが「愛犬が飲みたがらない水」を準備しても意味がありません。愛犬が水を飲まない場合は、次のような問題が考えられます。
- 不快な臭いがする水
- ぬるくなっている水
- 水の量が少ない
もし、お皿に水を入れて与えている場合は注意してください。一度、愛犬が口をつけた水を置きっ放しにするのはNG! 細菌が繁殖し、不衛生な水になってしまいます。
水や器が臭う場合、犬は嫌がって飲みません。特にプラスチックの器には目に見えない穴があって、そこに臭いの原因や細菌が潜みやすく、愛犬が嫌がる理由になることも。
水を入れる器は臭いが付きにくく、洗浄し易い「ステンレス製」がおすすめ。
ステンレス製は軽すぎて動くのが困る、という方は「熱消毒ができる器」を選んでください。煮沸消毒(沸騰するお湯に浸けて消毒)か、電子レンジで蒸気消毒できるものがいいですよ。
定期的に丁寧な洗浄・消毒をして器の臭いを防ぎ、頻繁に入れる水を入れ替えて新鮮な水を飲ませてあげましょう。
水は決してキンキンに冷やす必要はありません。蛇口から出た時くらいの冷たさの方が、犬は喜んで口を付けてくれます。長く放置してぬるくなった水は与えない方がいいですよ。
理想は常に新鮮な水が出ていて、愛犬が好きな時に好きなだけ飲めるという環境です。水を循環させて常にわき水が出ているような状態の給水器もあります。
飲みたい! と愛犬が感じるような水を準備してあげてくださいね。
ドッグフードの保管状況が悪いと、味が落ちる
愛犬の食欲が落ちるもうひとつの大きな原因に「質が悪いドッグフード」があります。
今まで普通に食べていたドッグフードなのに! と思うかもしれませんが、重要なのは「保管状況」です。
梅雨は、気温と湿度が高く、ドッグフードの酸化が早く進み、虫が繁殖し易い時期。開封済みのドッグフードは保管状況が悪いと、すぐ質が落ちてしまいます。開封したフードは、酸化・湿気・虫から守ってあげましょう。
- 密閉容器に小分けにして保存
- 湿気が少ない涼しい場所に保管
- 虫が入らない専用容器に乾燥剤と一緒に入れて保存
こうした工夫が必要です。特に、大袋で購入する方は要注意! 開封後はできるだけ早く使い切ってくださいね。
手作り・人の食事のおすそ分けは要注意!
飼い主さんの中には、手作りフードを食べさせたり、人が食べている料理を愛犬に分ける方もいますよね。
梅雨の時期の手作りフードやおすそ分けには、特別な注意が必要です。
理由は「食中毒」です。梅雨の時期は細菌やウイルスが繁殖し易く、ちょっとした油断が食中毒を引き起こすことも!
- 生ものは食べさせない
- 新鮮で衛生的に保存されていた食材を使う
- 材料の中心部まで火を通す
- 作り置きしない
- 食べ残しは捨てる
- 人が食べ残した料理をテーブルに放置しない
軽い食中毒だと、便が緩くなったり、食欲が落ちたり、お腹のちょっとした不具合程度で済みます。
ですが、症状が重くなると下痢や嘔吐、発熱などの症状も出てきます。場合によっては脱水症状を起こしたり、命の危険もありえます。梅雨の時期は特に注意してくださいね。
なお「人は汗をかくと塩が必要。だから愛犬の手作りフードにも塩をプラス!」というのは絶対にしないでください。
そもそも、犬は汗をほとんどかきません。また、犬に必要な塩の量は人の1/3以下! 人と同じ基準で犬の栄養を考えるのはNGです。
下痢や嘔吐した時の病院へ行く・行かないの判断
梅雨の時期、もし、愛犬が下痢や嘔吐をしたら次のような対応をしてください。
下痢をしても、元気があり、発熱もなく、よく食べているなら1日くらい様子を見ても大丈夫です。
また、犬は吐きやすい動物なので、1回くらい吐いても、元気があってよく食べているなら1日くらいは様子を見て平気。ただし、嘔吐や下痢に血が混じっているとか、繰り返す、元気がない、食欲がない、発熱がある、といった時は動物病院へ!
病院に行く時は
- いつ、どういう状況で、何回、どれぐらいの間隔で吐いた(下痢をした)か。
- 嘔吐したものや、下痢の写真。
- その日に食べた物のリスト
- その日の様子
こうしたことをメモして行きましょう。細かな状況、いつもと違う点は、獣医師が診断する助けになります。できるだけ正確な情報を知らせてくださいね。
プチ贅沢で食欲を引きだそう
梅雨の時期、特に病気でもないのに愛犬の食欲がない場合は、プチ贅沢をしてみましょう。
- いつものドッグフードに缶詰をトッピング
- ご飯の後に、一口だけ果物をあげる
- 1度の食事の量を減らし、回数を増やして1日分のフードを食べさせる
- おやつ(間食)をプラス
こうした方法で食欲を引き出したり、1日分のカロリーを摂取させたり、不足している栄養素を足してください。「食欲がないから」といって食べさせないと栄養が不足し、体の機能が低下して、体力が落ち、病気に対する抵抗力も落ちてしまいます。経済的な負担も考えながら、できる範囲でプチ贅沢をして食欲を引き出してくださいね。
梅雨の時期はひと手間かけて食欲対策を
梅雨の時期は、犬も人と同じように暑さと湿度の高さに体が付いていかず、食欲が落ちてしまいがち。
新鮮な水と保存状態を工夫したフードで、梅雨の不快感を避けてください。そして、食中毒に注意しながらプチ贅沢で食欲を引き出してあげましょう。
もし、下痢や嘔吐といった症状が出たら愛犬の状態を観察して、状況をメモしてから動物病院へ。正確な情報が正しい診断に繋がりますよ。人も犬も気が滅入りがちな梅雨ですが、ちょっとした工夫で乗り切っていきましょう。