2024年5月15日
【犬種図鑑】アフガンハウンドはどんな犬?美しい被毛をもった最古の犬種
目次
アフガンハウンドって、どんな犬?
アフガンハウンドは、長く美しいロングヘアが特徴的で見るものを魅了します。その威厳のあるスタイルにより、世界の富裕層から絶大な人気を誇る犬種です。
一方で、必要な運動量が多い・被毛の手入れが欠かせない・自立心が高い性格などから、初心者向けの犬種とはいえません。
そんな美しく優雅なアフガンハウンドの魅力を知るうえで、まずは犬種としての歴史を紐解いてみましょう。
アフガンハウンドの歴史
アフガンハウンドは、現在確認されている犬種の中でもっとも古い犬とされており、聖書の創世記に描かれたノアの箱船に乗った犬という伝説も語られています。
歴史的な記録としては、古代エジプトの王族貴族の墓であるピラミッドや土石などの古代遺跡にも、アフガンハウンドらしき犬の存在が記されているのです。
そんなアフガンハウンドは、南アジア、または中央アジアに位置したアフガニスタンを生まれ故郷とする犬種です。アフガニスタンは山岳地帯が大部分を占め、国土の大半は乾燥した気候です。夏は灼熱となり冬は極寒、朝晩の気温差が50℃前後ともなり、こうした過酷な環境の中でアフガンハウンドは古くから生活していたのです。
人や動物の出入りも少ない厳しい山岳地帯で、他犬種との交配もなく、長きにわたって純粋な原種を守り続けていました。
その後、大きく犬種の世界が広がっていったのは18世紀のアングロ・アフガン戦争後となります。アフガンハウンドは戦争に勝利したイギリスへと持ち込まれ、視覚を頼りに狩猟を行うサイトハウンド犬種として、他犬種との交配が始まりました。
しかし、狩猟犬としての能力よりも美しい容姿が注目されたことで、見栄えを優先して改良されていったのです。見栄え重視の改良が繰り返されたことで、ますます優雅で美しい被毛を纏い、威厳のあるスタイルとなったアフガンハウンド。イギリスをはじめ、世界のドッグショーに出場するようになり、世界の裕福層に求められる犬種となりました。
また、アフガンハウンドの原種は、現在もアフガニスタンの山岳地帯に狩猟犬として生息しています。
アフガンハウンドの特徴
<特徴>
- 大きさ:大型犬
- 標準体高:63cm~74cm
- 平均体重:23kg~27kg
- 被毛の色:ブラック・クリーム・ゴールデン
- かかりやすい病気:股関節系疾患・胃捻転・外耳炎
外見
アフガンハウンドを知る人であれば、しなやかに流れたなびく長毛、そして颯爽と歩く姿が真っ先に思い浮かぶものです。
成犬になると、体高63cm〜74cm、体重23kg〜27kg程の体格へと成長します。
山岳地帯や砂漠で狩猟犬として活躍してきた犬種であるため、手足の裏は大きく発達しており、がっしりと地面に立ち上がる姿は堂々とした美しさがあります。
毛色
毛色については、血統として定められている色に限らず、どんな毛色もアフガンハウンドとして認められています。一般的に見られる毛色はブラック・クリーム・ゴールデンです。その他にも、ホワイト・グレーなどの単色や、縞模様のようなプリンドル・3色が入り混じったトライカラーなどがあります。
生まれたばかりの子犬の毛色のまま成犬になるとは限らず、3歳くらいで毛がしっかり生え揃った段階で、やっとその子の毛色がわかってきます。
かかりやすい病気
アフガンハウンドがかかりやすい疾患としては、股関節系疾患・胃捻転・腸捻転などがあります。耳が垂れている犬種に多いとされる外耳炎にもかかりやすいほか、多くの大型犬がかかかりやすいとされる病気にも注意が必要です。
また、アフガンハウンド特有の疾患として、若年性の白内障が起こりやすいといわれています。一般的な犬種の場合は6歳以上の年齢となった犬に起こりやすい病気ですが、アフガンハウンドは2歳くらいから発症することがあります。
若年性の白内障はこれといった予防方法がなく、できるだけ早期に発見し対処していくことが重要となります。いずれにしても、飼い始めると同時にかかりつけの獣医師を見つけておくと安心です。
病院での定期検診や日常生活で観察を行い、アフガンハウンドの健康な状態を把握しておくことは、いざという時に素早く対応できるため非常に重要です。
アフガンハウンドの性格や気質
独立心の強いアフガンハウンド
アフガンハウンドは独立心が強いと評される犬種です。
その理由としては、狩猟犬としての在り方に集約されています。アフガンハウンドは獲物を追いかける際に、飼い主と協力して獲物を追いかけるのではなく、人が追いつかないほどのスピードで走り続けて獲物を追い詰め、常に自分で状況を判断して猟を進めてきた歴史があるのです。
自己中心的な独立心ではなく、自分で考え判断し行動するという自立心が高いと表現すると的確かもしれません。
マイペースな性格?
飼い主に対しては非常に愛情深い犬種ですが、積極的に自分から甘えるというよりは、飼い主や家族と同じ空間でマイペースに行動し、互いの気配が感じられる距離を好みます。
自立心が高く、マイペースであるため、何かを強制されたり、束縛されることをあまり好みません。何かに対する執着心はほとんどなく、自らの判断で興味を持たなくなることもあります。
また、散歩などで小動物などを見つけると追いかけてしまう狩猟本能が残っています。散歩中など、外では飼い主がリーダーシップを持って接することが大切です。
アフガンハウンドの飼育方法
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<飼育方法>
- 散歩頻度:1日2回、1回につき1時間〜2時間
- 食事の回数:1日2回
- ブラッシング:毎日
散歩や運動頻度
アフガンハウンドは広い山岳地帯や砂漠で狩猟犬として生活していました。そのため、通常の大型犬以上に非常に多くの運動量を必要とします。
もちろん、走ることも大好きです。通常の散歩であれば1日2回、朝晩1時間〜2時間が目安です。ドッグランに行きノーリードで運動させることも好ましく、その場合は30分ほどの運動時間が目安です。
食事
アフガンハウンドのような大型犬は食事量も多くなります。
美しい風貌を保つために良質なタンパク質を加えた総合栄養食も与えましょう。フードのパッケージに総合栄養食と記載のあるものを選ぶと安心です。
犬は、成長過程に必要とされる栄養素の種類や量が異なります。一般的には「子犬用」「成犬用」「シニア用」とあり、体重管理や疾患に対応したものもあります。年齢と目的に応じたフードを与えましょう。判断が難しい場合は、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
飼い主による手作りフードであれば、材料の産地などの内容を把握できる安心感があり、愛犬のために調理する楽しさもあります。しかし、栄養が偏ってしまうことも多く、栄養バランスを総合的に保つのは簡単ではないため、犬用サプリメントなどで補うことも考慮しましょう。
ブラッシング
アフガンハウンドの美しい毛を保つためには、定期的な手入れが必要となります。
換毛は不定期ですが、毛質が細長く絡まりやすいため、毎日のブラッシングと月1回程度のシャンプーが理想的です。
散歩などで汚れが付着してしまった部分に無理なブラッシングを行うと、逆に毛質を傷めてしまうため注意が必要です。汚れが付着した場合は一旦丁寧に洗い、しっかりと乾燥させてから優しくブラッシングしてあげましょう。
アフガンハウンドは、朝晩の気温差50℃にもなる乾燥した土地に順応するため、通気性と保温性を併せ持つ独特の毛質に発達してきました。高温多湿となる状態は、毛や皮膚の質を低下させてしまいます。シャンプー後はドライヤーは徹底して行い、しっかりと乾かしてあげましょう。
室内環境
アフガンハウンドは、アフガニスタンの乾燥した土地で生まれ育った犬種であるため、日本のような湿度の高い環境や暑さにはあまり強くありません。そのため、温度や湿度が調整でき、美しい毛質を保つことも含めると、室内飼いが適しています。
アフガンハウンドはマイペースに過ごし、走ることが大好きな犬種です。飼育には十分なスペースがあることが好ましく、室内でも動きやすい環境を整えてあげましょう。
あまりに狭く不自由な場所での飼育は、ストレスを溜めてしまう原因にもなります。
まとめ
優雅で美しい被毛を纏い、威厳のあるスタイルが特徴のアフガンハウンド。アフガンハウンドを家に迎えたいと考えている方は、必要とされる運動・食事・ブラッシングなどを提供し続けられるかどうかを慎重に考えることも大切です。アフガンハウンドと接する時には、その子なりのペースや距離感も尊重してあげましょう。