犬種図鑑
2020年3月25日

四国犬ってどんな犬?


高知県を中心とする四国地方原産の犬種で、元々は「土佐犬」の呼称で親しまれていましたが「土佐闘犬」と混同しないよう「四国犬」と改名されました。

見た目は土佐闘犬とはまったく異なり、ピンと立った耳に、大きく巻き上がった尻尾など、いかにも日本犬といった風貌をしています。

体格は筋肉質で、無駄のない引き締まった体をしており、日本犬の中ではよりシャープな顔立ちが特徴的です。顔つきや毛色からニホンオオカミと見間違われることも。1937年に天然記念物に指定されました。

元々はヤマイヌ? 四国犬の歴史とは


四国犬のルーツを辿っていくと、四国地方の山岳地帯に昔から住んでいた野犬「ヤマイヌ」に行き着きます。ヤマイヌはニホンオオカミの血を引くとも言われますが、四国犬の歴史は、このヤマイヌを猟師たちが飼い慣らしたことに端を発します。

険しい山岳地帯に適した、たくましい足腰、そしてすぐれた運動神経とスタミナを備えた四国犬は、シカやイノシシなどの狩猟で重宝されました。日本特有の温暖湿潤気候にも強いとされます。

かつては阿波、本川、幡多、宇和島、安芸など、地域による差異がありましたが、やがて衰退や混血によって安芸、本川、幡多の3つの系統が残るようになりました。混血が進んだことにより地域特性は減少しつつあります。

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四国犬の見た目の特徴とかかりやすい病気


精悍で野性味の感じられる容姿は多くのファンを引きつけています。

毛の色は、胡麻、黒胡麻、赤胡麻、黒虎などの呼び方がありますが、胡麻がもっとも主流の毛色です。 被毛は短毛ですが、2層からなり、硬い上毛と柔らかい下毛のダブルコートを持っています。

体つきは柴犬にもよく似ていますがより大柄で、体重は15kgほど、体高の標準が49~55cmの中型犬です。四国犬は比較的健康で丈夫な犬種ですが、かかりやすい病気には、アレルギー性皮膚炎や神経痛、老年期痴呆症があります。

四国犬の性格の魅力と注意したいこと


子犬の頃から甘やかさずに主従関係を築くことで、飼い主をよく慕うようになるでしょう。自分よりサイズの大きな動物に立ち向かう度胸に加え、しつけたことをきちんと守る物覚えの良さも四国犬の性格の魅力です。しかし他の動物と接するときには攻撃的になってしまうなど、闘争心が垣間見えることも。

散歩中には他の犬によく注意を払うようにしましょう。また散歩は子どもだけで行わず、必ず四国犬をコントロールできる大人がつくようにしてください。

飼い主以外の他人に対しては心を開かず、強い警戒心を示すことがあります。子犬の頃から他の犬や家族以外の人と遊ばせるなど、少しずつでも社会に馴染ませるトレーニングをするのがおすすめです。

四国犬を飼うにあたって気をつけたいポイント

 

飼育環境

四国犬は屋外飼育も可能ですが、敷地に余裕がない場合には難しいでしょう。

特に夏場は暑さから身を守れるよう風通しの良い日陰があること、十分な水分が取れるような環境が必要です。ノミやダニの予防にも気をつけてあげてください。

一方、室内飼育の場合には、家族全員の言うことに従うよう、しつけの面でより注意が必要です。

散歩回数

元々険しい山が連なる地域を走り回っていた犬であるため、運動時間の確保は必須です。毎日の散歩は朝晩1時間ずつ取るのが良いでしょう。

四国犬を飼っている人の中には、本来の野性を失わないようにイノシシを追わせることもあるくらいです。

ブラッシング

ブラッシングは週に2、3回程度で大丈夫ですが、換毛期には多くの毛が抜けます。

特に春の換毛期には、残った冬毛が原因で皮膚炎を引き起こすこともありますので、放置せず不要な毛を取り除いてあげることも忘れずに。シャンプーは月に1回程度が理想的です。

毎回のブラッシングやシャンプーは皮膚に異常がないか確認する機会にもなります。

餌の頻度

餌をあげる頻度は、成犬の場合1日2〜3回程度が良いですが、体調や年齢を考慮して回数を調整することも必要です。

四国犬をこれから飼う人へ

素朴で野性味あふれる佇まいや賢い眼差しが特徴的な四国犬。警戒心が強く、攻撃的な一面もあるため初心者向きの犬種ではないと言われます。

四国犬との暮らしにおいては、まず飼い主がリーダーシップを取り、きちんとコントロールできることが前提です。犬との間に主従関係を作ることを第一に考えてください。四国犬特有の勇敢で賢い性格をうまく活かしてあげれば、いざという時に家族を守ってくれる、頼りがいのある存在になることでしょう。