2022年7月6日
【簡単】犬版BMI知ってる?愛犬のBCSを知って食事管理しよう
人の健康管理に役立つ基準のひとつにBMIがあります。同じような基準が犬にもあり、BCS(Body Condition Score:ボディコンディションスコア)といいます。これは愛犬を見て触って判断する肥満度の基準です。今すぐできる簡単なBCSで愛犬の体の状態を知り、健康生活をサポートしましょう。
目次
犬の肥満度チェック方法BCS(ボディコンディションスコア)は今すぐできる
人の場合、肥満度をBMIなどでチェックしますが、犬版のBMIとでもいうべき基準がBCSです。難しい計算は不要で、今すぐサッとチェックができます。
BCSは5段階評価
BCSは見た目と触った感触によって、1~5の数字で肥満度を評価します。
BCS 1が痩せ、BCS 5が肥満。真ん中のBCS 3が理想体型です。数値が大きくなると脂肪の量が多いと覚えてください。ほどよく皮下脂肪がついているBCS 3の維持が目標です。
BCSのチェック方法
愛犬のBCSを知るには、まず、見て触りましょう。「上から見た時の体型」「横から見た時の前足から後ろ足に向かうライン」「皮下脂肪の感触」という3つのポイントを意識してください。
<スコアの内容>
BCS 1(痩せ):ひとめで肋骨・背骨・腰骨がわかる。前足から後ろ足に向かって顕著につり上がっている。肋骨のまわりを触った時、皮下脂肪がわからない。
BCS 2(やや痩せ):上から見た時、骨は浮き出ていないが腰のくびれが顕著。前足から後ろ足に向かう明確なつり上がりがある。触ると肋骨がすぐわかる。
BCS 3(理想):上から見た時、腰のくびれがある。横から見ると、前足から後ろ足に向かうつり上がりがある。肋骨部分を触ると、皮下脂肪もあり肋骨がわかる。
BCS 4(やや肥満):上から見た時、腰のくびれが少しだけある。横から見ると、前足から後ろ足に向かうつり上がりが少しある。肋骨部分を触ると皮下脂肪が多くついているのがわかるが、肋骨にも触れられる。
BCS 5(肥満):上から見た時、腰のくびれがない。横から見ると、前足から後ろ足に向かうつり上がりがない(または、お腹が垂れ下がっている)。皮下脂肪が体全体を覆っていて、触っても肋骨がわからない。
皮下脂肪が多くついてしまうと、関節を動かすことが難しくなったり、足腰に負担がかかったりしてヘルニアや骨折などの原因になります。
さらに、人と同じように糖尿病になったり、腎臓や心臓の病気になるリスクが高くなったりします。BCSを活かして肥満度をチェックしていきましょう。
なお、BCSが分かりにくい場合は動物病院で獣医師に尋ねてみてください。その時にチェックポイントや目安になる感触を教えてもらうといいでしょう。
ロイヤルカナンが簡単なチェック器具を開発!
2016年1月にロイヤルカナン ジャポンが帝京科学大学と協業でBCSが触っただけで正確にわかるチェックモデルを開発しました。これは、模型の上にゴム製のシートを重ねて、BCS 1~5の感触を再現したものです。
「この感触がBCS 3なのね」「愛犬の感触と似たモデルがこれだ! これはBCS4か」というように、モデルに触れて愛犬の感触と比較することで肥満度をチェックできる便利なものです。
動物病院の中にはこのモデルを取り入れて、飼い主さんに感触を体験してもらうことで愛犬の肥満度を確認し、健康チェックに役立てているところがあります。
あなたのかかり付けの動物病院にもあるかもしれません。みかけた場合は、ぜひ触ってみてください。
ダイエットの基本は、食べる量を把握すること
愛犬のBCSが4~5だった場合はダイエットが必要になります。
犬のダイエット方法には「食事管理」と「運動」がありますが、運動は足腰や関節に大きな負荷がかかり、けがの原因になることもあります。
ですから、まず、食事管理を徹底するところから始めてください。特にBCS 5の場合は、食事管理で体重を落としてから運動するようにしましょう。
食事管理の方法
まず、なんでもいいのでノートを1冊準備してください。そして、1日に愛犬が食べたものを全て書き出しましょう。
朝夕のメインの食事の内容や量はもちろん、おやつ、飼い主さんがおすそ分けで食べさせたものの量や内容を全てメモします。
重要なのは、1日に食べた量がパッとひとめでわかること! ノート1ページ(A4用紙1枚でもOK)に書き納めてください。3日続けると、意外に色々と食べさせていることに気付くと思います。
成犬の場合、1日2度の食事で1日分のカロリーを摂取できます。それ以外の時間に食べているものが肥満の元になっていると考えてください。この余分な食べ物をカットするところからスタートしましょう。
食事の量はドッグフードのパッケージを参考に
ご利用のドッグフードのパッケージを読んだことがあるでしょうか。パッケージにはフードの原材料や食べさせ方、1日の目安量が書かれています。
この量をしっかり守って食べさせてください。もし、手作りフードをプラスする場合はドッグフードを減らさなければなりませんし、おやつを食べさせる場合はおやつのカロリーをチェックして通常の食事量を減らします。
通常の食事として利用しているドッグフードで1日分の必要量を把握し、目安にして守っていきましょう。
今の体の状態を手で覚えよう!
犬を飼い始めたら日々のスキンシップの時に愛犬の体の感触を覚えてください。長毛種の場合は見た目で肥満度をチェックするのが難しいので、皮下脂肪の量を手の感覚で覚えるのがおすすめです。
もし、プニプニ感が増したように感じたら皮下脂肪がついている(太った)証です。そして犬友達の犬も触って、皮下脂肪の感触を比べてみましょう。
飼い主さんの手の感触と食事の内容を把握で愛犬の体をチェックし、健康をサポートしてあげましょう。