健康・美容
2018年3月30日
「散歩は運動。だから超小型犬なら不要」そんな風に考えられがちな散歩ですが、実は犬種を問わず、欠かせないもの! 散歩には運動以外にも重要な役割があるのです。この記事では、運動は勿論、見落とされがちな散歩の効果5つを紹介します。

 

出典:写真AC

においを嗅ぐ本能が満たされる

犬の本能のひとつに「においを嗅ぐ」というものがあります。

散歩に行くと、この本能を満たすことができます。逆に言えば、散歩に出なければ本能が満たせません。本能が満たせないと、非常に強いストレスを抱えることに!

ペットショップなどでは「チワワのような超小型犬は家の中を自由に動き回っていれば散歩不要です」と言われます。しかし、これは間違いです。

運動量だけを考えれば家の中だけでOKですが、それでは臭いを嗅ぐ本能は満たされないまま! 愛犬の心には不満が溜まっていますよ。

大変ですが、雨の日も外へ連れ出してあげるのがおすすめです。

雷雨や荒天の中を無理に散歩する必要はありません。しかし、室内ドッグラン、ペットOKのホームセンター、ドッグカフェなど、飼い主の負担にならない範囲で連れ出してあげましょう。

いろんな臭いを嗅ぐ機会を作り、本能を満たしてあげてくださいね。

 

縄張りをパトロールして安心する

犬には縄張りという意識があります。自分の寝床を中心に、円を描くように縄張りが広がっていると考えてください。

~愛犬の縄張り意識~
寝床:自分専用の安心・安全なスペース(誰にも邪魔されない場)
家の中:自分と家族が暮らす大切なスペース(家族や仲間で共有している場)
散歩コース:生活スペース(他の犬が出入りすることを許している場)
初めて行く場:全くの未知の場

このように犬は空間を認識しています。

寝床・家の中・散歩コースなど、自分が日常的に行き来する場を毎日チェックして異常がないか確認するのも本能です。

特に散歩コースでは「新しい犬の臭いがする」「なにか小動物の気配がする」「いつもと違う!」など、いろんなことを感じ、発見・認識しながら歩いています。

こうしたチェック機能も本能のひとつ。一回りして確認することで安心できます。

最低でも1日1回。できることなら朝夕1回ずつ、縄張りパトロールをさせてあげましょう。

 

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犬仲間と心を通わせる時間

散歩に出ると、他の犬とすれ違いますよね。

よく顔を合わせる犬同士、相性がいいと仲間意識が芽生えます。お互いの臭いを確認し合い、一緒にじゃれ合ったり、遊んだりするのも犬にとって大切な時間。

定期的に出会って触れ合い、臭いを交換する時間は、犬同士の社会性を育むのにとても重要です。

子犬の頃から他の犬達と触れ合う機会を持っていて、上手に関係を築くことができる犬は、ストレスが少なく、多くの時間を楽しく過ごせます。

唐突に「ほら、仲良くしなさい!」と他の犬の前に引き出すのではなく、徐々に慣らしていく方法で外へ連れ出し、他の犬や飼い主さんと触れ合う時間を作りましょう。

外の世界を教え、家族以外の人や犬に慣れ、知らないもの・怖いものを減らしてあげるのも、飼い主さんの大切な役目。

愛犬が「怖い」と感じるものが減れば、怯えたり、警戒する機会が減り、ストレスもなくなります。

犬にも個性や性格があり、犬仲間を作るのが上手な犬もいれば、苦手な犬もいます。散歩を通して、愛犬のペースに合わせて社会性を身に付けさせましょう。

 

気分転換でストレス発散効果

散歩がもつ大きな役割のひとつに気分転換があります。

ずっと限られた場所に閉じ籠もっていると、飽きますし、心の健康によくありません。

また、閉じ籠もっていると知らないものが多い犬になってしまい、ちょっとした音や変化に弱い、ストレスを抱えやすい犬になってしまいます。

それから、老犬になってくると、散歩が徐々に億劫になってくるもの。特に足腰が弱ってくると、坂道や階段を嫌がり、外へ出ることを拒むように。それでも、体力に合わせてコースを変えながら散歩は続けてあげましょう。

例え、外に出て風に当たったり、部屋の中とは違う景色を見たりするだけでもOK!

ドッグキャリーを使うような方法でも構わないので、無理のない範囲で散歩に連れ出してあげましょう。

気分転換はストレス解消や、生活にメリハリを付けるという点で重要です。散歩で気分転換をはかり、生活に変化を持たせてあげましょう。

 

運動

散歩の役割で最もよく知られているのが運動です。

運動は、骨や筋肉を作ったり、肥満を予防したり、体の健康に欠かせないもの。犬種に合わせて運動量を調節してあげましょう。

元猟犬の犬種なら、獲物を追って野山を駆け巡っていた犬です。

牧羊犬の犬種なら、広い牧場を走り回って羊の群れを統制していた犬。

闘争や競争に出ていた犬種なら、相手が倒れるまで戦い続け、全力疾走していた犬。

山岳地帯や極寒の地で荷物を引く使役犬だった犬種は、豊富な体力を持つ犬。

このように、犬には元々の役割があって、それ相応の体力や走力を持っています。それに見合った運動時間を確保してあげてくださいね。

運動が足りないと、不満やストレスが溜まり、心の健康が害されてしまいます。運動時間はたっぷり確保するようにしましょう。

 

たかが散歩。されど散歩!

ともすれば、飼い主にとって負担となる散歩。

しかし、散歩をすれば、犬の本能を満たし心と体を健康に保つことができます。

「超小型犬だから散歩は不要」と考えず、散歩が持つ5つの効果を知って愛犬に合った散歩を習慣にしてくださいね。