健康・美容
2018年6月1日
子犬を家族に迎え入れると、避妊・去勢をするかどうか悩む飼い主さんが多いようです。こんな小さいうちから身体にメスを入れるなんて可哀相、一度は出産させてあげたい、と手術に踏み切れない方も大勢います。手術のメリットやデメリットを理解して、愛犬にとって一番良いと思える選択をしましょう。

避妊・去勢のデメリット

雌犬の不妊手術を避妊、雄犬の不妊手術を去勢といいます。手術のデメリットは子供を産めなくなること、ホルモンバランスが崩れること、麻酔に対するアレルギーのリスクがあることなどがあげられます。

ホルモンバランスが崩れると、基礎代謝が落ちて太りやすくなったり、早期の手術により骨格が華奢になったりすることがあります。性格が変わるなどと言われたりもしますが、これについてははっきりと分かっていません。

麻酔のリスクについては、避妊去勢に限らず、100%安全な手術はありません。ほとんどの病院では事前に血液検査が行われ、肝臓や腎臓などの値がチェックされますが、麻酔に対するアレルギーのリスクは把握できません。ですので、アレルギー反応で亡くなるケースは極めて稀ですが、ゼロとは言えません。

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避妊・去勢のメリット

手術のメリットは、病気の予防です。
雄の場合、睾丸腫瘍や前立腺肥大のリスクを減らすことができます。通常睾丸は外から触れる位置に2つありますが、腹腔または鼠径部に睾丸が留まってしまうことがあり、これを陰睾と言います。陰睾の場合、正常な睾丸よりも高い確率で腫瘍化すること、さらに、陰睾は遺伝するため繁殖には不向きなことから、去勢のメリットはさらに大きくなります。また、マーキングが減る、もしくは無くなることがあります。

雌では、子宮蓄膿症を予防することができます。子宮蓄膿症は、妊娠出産経験が無い、または長期間妊娠していない未避妊の犬は発症率があがり、重症化すると死に至る恐い病気です。また、早期の避妊手術により、乳がんのリスクも下げることができます。

子供を産ませてあげたいから、避妊去勢はしたくない

日本では昔から、犬は安産の象徴とされていますが、実際には流産も死産もあります。安産が多いのは、日本犬や昔ながらの雑種の中型犬で、現在多く飼われている小型犬・超小型犬たちは難産になることも多いです。犬は出産するとき、基本的には母犬がひとりで出産しますが、人間が出産に適した環境を整えてあげるのが理想的ですし、難産の場合は医学的な介入が必要なこともあります。

また、一般的にはあまり知られていないかもしれませんが、犬種によっては交配させてはいけない組み合わせがあり、人気のあるプードルやダックスフント、シェルティなどは毛色によって禁忌があります。これを知らずに掛け合わせると、内臓疾患や障害を持った子犬が産まれる確率が高くなります。この他にも、親犬に疾患や障害があれば、それが遺伝することもありますし、母犬より父犬の方が身体が大きければ、お腹の中の子犬も大きくなって産道を通れず難産になります。自家繁殖を希望するときは、相手を探すよりも先に、犬の妊娠・出産についてよく勉強しましょう。

母犬、父犬が健康であったとしても、体の弱い子や障害のある子が産まれることはあります。生まれる子犬は2頭だけの時もあれば5頭以上、犬種によっては10頭近く産まれることもあり、飼い主さんは、産まれてきた子犬みんなの将来に責任をもってあげなければいけません。また、多くの愛護団体は、自家繁殖によって産まれた子犬の里親探しはしません。
子犬たちを、生涯大切に飼ってくれる引き取り先はありますか?子犬が障害を持っていた場合、責任もって最期まで飼ってあげられますか?それに加え、日本では、引き取り手が無く殺処分される犬猫が多くいることも忘れてはいけません。

最後に

出産を経験させてあげてたい、という飼い主さんの気持ちは間違ったものではありませんが、命が生み出されるのは素晴らしいことであると同時に、とても大変なことです。ましてや大切な愛犬のことですから、一時の感情ではなく、正しい知識の上で冷静な判断がされなければいけません。可愛い愛犬と、お互いにQOL(生活の質)を高め合える存在でありたいですね。