犬種図鑑
2019年8月26日
人懐っこくて社交的なノーリッチテリア。テリア種の中では穏やかで、比較的飼いやすい犬種です。今回はそんなノーリッチテリアの特徴や性格、歴史、飼い方もご紹介します。

ノーリッチテリアってどんな犬?


画像:instagram roger_norwichさん

ピンと立った、形のいい立ち耳と、つぶらな瞳が特徴のノーリッチテリア。ダブルコートの硬い毛に覆われて、骨格がいいのでずんぐりむっくりとした愛らしい見た目をしています。

日本ではまだ知名度が低いですが、原産国のイギリスや愛好家が多いアメリカでは、飼育数がとても多い犬種です。

基本的に明るく陽気な気質ですが、テリア特有の負けん気の強さと頑固さがあるため、ややしつけがしづらく、飼い主がしっかりとリーダーシップを取る必要があります。特に子犬の頃に甘やかしていると、年齢を重ねてしつけをするのは大変なので、子犬の頃から根気よくトレーニングを続けましょう。

体は小さいけれど有能な狩猟犬 ノーリッチテリアの歴史


画像:instagram higgins.the.norwichさん

ノーリッチテリアは、イギリス原産の犬種で、当初はトラピントンテリアという名称で親しまれています。小さな体ながら、勇敢でタフな狩猟犬として活躍し、イギリスの農家で、穀物を荒らすネズミを退治する目的として長年飼われていました。

この中でも「ラグズ」というとても優秀な個体が活躍し、このラグズを元に多くの犬が繁殖され、その子孫の1匹が20世紀初頭にアメリカに渡ります。キツネ狩りの猟犬として、狩猟能力を発揮するとともに、とても人懐っこく振る舞ったため、“能力が高く愛想の良い犬”として、ノーリッチテリアの評判が上がり、正式に犬種登録をされる運びとなりました 。

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ノーリッチテリアの特徴は?


画像:instagram draymondgramさん

<特徴>

  • 大きさ:小型犬
  • 標準体高:25cm
  • 平均体重:5~6kg
  • 被毛:ダブルコート
  • 被毛の色:レッド、ウィートン、ブラック&タン、グリズル
  • かかりやすい病気:膝蓋骨脱臼

外見

ノーリッチテリアの理想的な体高は25cm、体重5~6kgで小型犬に分類されます。短足で骨格がしっかりしているので、ずんぐりとした見た目。

被毛について

毛色は、レッド、ウィートン、ブラック&タン、グリズルが認められています。子犬の頃は黒っぽい色をしていても、成長とともにトーンが明るくなっていくのが特徴。

被毛は、オーバーコートとアンダーコートからなるダブルコートです。

かかりやすい病気

ノーリッチテリアは、遺伝性の病気が少ない犬種といわれています。ですが小型犬に多い、膝の骨がずれる膝蓋骨脱臼に注意しなければいけません。スキップのような歩き方をしたり、足を引きずったりするような仕草があれば、すぐに動物病院で検査を受けてください。

また小型犬は、肥満によって呼吸困難を引き起こすこともあるので、体重管理にも気を配りましょう。

ノーリッチテリアはどんな性格?


画像:instagram higgins.the.norwichさん

ノーリッチテリアは、明るく社交的。もともと猟犬として活躍してきた犬種なので、勇猛果敢で好奇心も強いです。また社交的で愛嬌があり、人とコミュニケーションをとるのも大好き。

よくいえば天真爛漫ですが、叱られてもめげないタフさがあり、しつけに苦労することもあります。子犬の頃から主従関係をしっかりと築き、メリハリをもって接しましょう。

また独占欲の強い一面があるので、多頭飼いには向きません。ハムスターやウサギなどの小動物がいる場合も、スイッチが入ると追いかけまわしてしまうことがあるので、注意してくださいね。

ですが、テリア種の中では、闘争心が低く穏やかな気質なので、初心者でも飼育がしやすい犬種ではあります。

ノーリッチテリアの飼育方法は?


画像:instagram muha_the_norwich_terrierさん

<飼育方法>

  • 散歩頻度:朝夕の2回、1回30分
  • 食事の回数:生後半年以降は1日2回
  • ブラッシング:週に1回程度
  • 飼育環境:広い飼育環境

散歩頻度

もともと猟犬として働いていた犬種なので、体の大きさのわりに運動量が必要です。散歩は朝夕の2回、1回30分程度を目安にしてください。

運動するのが大好きなので、たまにはドッグランで思いっきり運動をさせたり、散歩に行けない日は室内で体を動かす遊びをたくさんしたりしてあげると、ストレスが発散されて問題行動を予防できます。

食事回数

フードは、生後半年以降は1日2回が目安。筋肉質な体型を維持するためにも、良質なたんぱく質が入っているフードを選んであげてください。ただ太りやすい性質があるので、与えすぎに注意。しつけに使うおやつは、低脂肪のものを選ぶといいでしょう。

グルーミング

グルーミングは 週に1回程度、換毛期には毛玉や皮膚炎を予防するために週に2~3回行います。顔周りの被毛が多いので、定期的にカットしてもらうと良いですね。

テリアは、毛の硬さを保ったり毛色の後退を防いだりするために、プラッキングを行うことがありますが、費用が高額になるため、ドックショーなどに出ない場合は、絶対に必要というわけではありません。

飼育環境

室内でも運動ができるように、広い飼育環境を用意してあげましょう。

これからノーリッチテリアを飼う方へ


画像:instagram roger_norwichさん

ノーリッチテリアはとても人懐っこい犬種で、毛のお手入れも比較的楽なので、初心者でも飼いやすい犬種です。

ちょっと頑固で神経質な一面もありますが、 基本的に気性が穏やかで、興奮して手がつけられなかったり、突発的に攻撃的になったりすることもありません。

ただ運動が大好きな犬種は、運動不足のストレスにより、いたずらを繰り返したり病気を引き起こしたりする可能性があります。しっかりと運動できるスペースや、毎日の散歩時間を確保して、心身ともに健康な日々を送れるようにしてあげてくださいね。