健康・美容
2020年1月23日
愛犬が自分の便を食べてしまうことはありませんか?自分の便ならまだしも見ず知らずの犬の便なんかは困りますよね。このような行為を「食ふん行為」、または「食ふん症」と呼びますが、実は多くの飼い主さんが犬の食ふん行為で悩んでいます。今回はそんな飼い主さんたちのために、食ふん行為の原因や対処法についてご紹介します。

食ふんする原因は?

犬の食ふん行為の原因は数多くあり、簡単に辞めさせることができる原因から改善が困難なものまで様々です。

①適切でない食事

犬が食事で十分な栄養素を補給出来ていない場合は、体に不足した栄養素を補うために本能的に食ふん行為を行うことがあります。

通常犬の総合栄養食のドッグフードであれば問題ありませんが、そのドッグフードが個々の犬の体に適しているかどうかがポイントです。

同じドッグフードであっても問題ない犬もいますし、下痢や嘔吐してしまう犬もいるように、全ての総合栄養食が全ての犬の健康状態に適しているとは言い切れません。

中でも食ふん行為を行う犬に関しては、植物性タンパク質が主となっているドッグフード、または植物性タンパク質が多く配合されているドッグフードを食べている事例が多いのが特徴です。

基本的に犬の消化器官には動物性たんぱく質が豊富に含まれたドッグフードが適していると考えられています。その理由は、植物性タンパク質が多いと犬の消化器官に負担をかける、または消化できないことによって栄養素をしっかりと体に取り込むことができないからです。

②食事量が少ない

単純に食事量が少なくて食ふん行為を行う犬は数多くいます。犬の体重や運動量に見合った給与量を与えていない場合、犬は自分の体に必要なエネルギーを摂取するために本能的に便を食べてしまいます。

極端に痩せている犬の場合については、大抵は食事量が少なすぎることが原因です。

③精神的な問題や病気を抱えている

犬がストレスを感じている場合、または精神的な問題を抱えていたり精神に関わる病気を抱えていたりする場合、食ふん行為を行うことがあります。

また、ストレスによって下痢や嘔吐などの消化器系症状が見られる場合は、単純に食事で摂取した栄養素がしっかりと消化吸収されていないため、足りない栄養素を補うために本能的に自分の便を食べてしまうことがあります。

精神に関わる病気としては認知症や呆けなどで、人間でも自分の便を触ったり口に入れてしまったりする方がいるように、犬もこれら老化に伴う病気で食ふん行為を行うことがあるので老犬の場合はこれらの病気の可能性も配慮しましょう。

④腸内に寄生虫がいる

犬の腸内に寄生虫がいる場合、栄養素を上手に消化吸収できない、または寄生虫によって栄養素が不足してしまうことがあります。

この場合、犬は自分の体に不足した栄養素を補おうと本能的に自分の便を食べてしまいます。

⑤消化器系の病気

消化器に関わる病気を発症している犬の場合は、消化不良により食事で摂取した栄養素が効率よく消化吸収できていないことから、体に不足した栄養素補給のために便を食べてしまうことがあります。

下痢や嘔吐などの消化器系症状が見られる犬の場合は、特に注意が必要です。

⑥便が美味しい

食ふん行為で子犬に多く見られる原因が便自体の味が美味しいから食べてしまうということです。

子犬の場合は成犬と比べると消化器官の発達が完全ではなく、便中に未消化物が多くなる傾向にあります。犬の便中の未消化物が多い場合は便が美味しく感じてしまうので、食ふん行為を頻繁に行う原因となります。

⑦飼い主に問題がある

犬が自分の便を食べてしまった時に焦って叱ってしまう飼い主さんが多くいますが、これが原因で食ふん行為を繰り返す犬もいます。

叱ってはいけない理由は2つあり、まずは便を食べれば飼い主が構ってくれると犬が思ってしまう事。

2つ目は飼い主に怒られた経験から、便をしたときに犬が焦ってしまい、さらに素早く便を食べようとしてしまうことです。

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食ふんをやめさせるには?


では、食糞をやめさせるにはどうすればいいのでしょうか。今回は、いくつかの対処方法をご紹介します。

①食事内容の見直し

犬が食ふん行為を行ってしまった時にまず初めに行いたいのが食事内容の見直しです。

食事のポイントとしては、犬が下痢や便秘などなくドッグフードを十分に消化吸収できているか、犬の運動量や体重に見合った量か、植物性タンパク質が主になっていないかどうかです。

②サプリメントやフードを活用する

食ふん行為防止用のサプリメントやドッグフードは、犬の便自体を不味い物にすることを目的としてつくられています。

通常犬が食事として口に入れるときには嫌な味は感じませんが、犬の消化器官を通過することによってサプリメントやドッグフードの味が不味いものに変わります。

食ふん行為防止用の商品は、多くの場合野菜の抽出物や唐辛子エキスなどが使用されています。

③食ふん行為をしても怒らない

食ふん行為は人間にとってはあり得ない行為ですが、本能的に食べてしまう犬目線で考えると、それほど珍しいことではありません。なので、過剰に怒らないようにしましょう。

怒ってしまうと、犬はストレスによりさらに便を食べる、飼い主が構ってくれるから食べる、怒られるから焦って急いで食べてしまうなど悪循環を引き起こします。犬が便をしたら何事もないように素早く片づけましょう。

④ストレスのない生活にする

犬のストレス要因を生活から排除してあげましょう。

犬は環境の変化や運動不足、飼い主との関係性によってストレスを感じやすいと言われていますので、この3つには細心の注意を払わなければいけません。

⑤獣医師に相談して検査する

食ふん行為に合わせて下痢や嘔吐など消化器系症状がある場合は、早めに獣医師に相談して検査を行いましょう。

まとめ

犬の食ふん行為には様々な理由があり、まずはその理由を突き止めることが大切です。

一度便を食べてしまうとどうしても継続して食ふん行為を行う癖がついてしまうので、早めに対策を練りましょう。どうしても改善しない場合は動物病院で、犬が何かしらの病気を抱えていないか検査してもらうことをおすすめします。