健康・美容
2020年3月29日
何かしらの病気を抱えている場合、または老衰がはじまっている老犬の場合は食欲が低下しやすいため嗜好性の上がる食事を考えてあげることが大切です。その他、健康体であっても偏食が激しい犬もいますが、そんなときは食事を工夫して犬の嗜好性を高めます。犬にとって毎日の食事は健康維持にとても重要ですので、食欲が低下している愛犬のために嗜好性が上がる食事を準備してあげましょう。

ドッグフードタイプを変更する

ドッグフードを変更する場合は、水分量の多いウェットフードやセミウェットフードを試すと良いでしょう。
犬は人間と比較して嗅覚が非常に優れており、なんと人間の1000倍〜1億倍もの嗅覚を持ち合わせているともいわれています。
そのため水分量が多いことからドライフードよりも香りが強いウェットフードやセミウェットフードに変更してあげると嗜好性が高まりやすくなります。
特に嗅覚の衰えがでやすい老犬や嗅覚系症状が伴う病気を発症している犬の場合、香りの強さが重要となります。
ウェットフードやセミウェットフードは全般的に太りやすいものが多いので、量に注意しながら与えましょう。

ウェットフードを温める

ウェットフードやセミウェットフードに代えても食べない場合は、人肌程度までフードを温めてあげると香りが際立つので効果的です。
レンジを使用して簡単に対策できますが、温めすぎてしまうと栄養素が壊れやすいので注意しましょう。
与える時は人間の手のひら温度まで冷ましてから与えます。

ADVERTISING

広告

ドライフードをふやかす

ウェットフードやセミウェットフードはドライフードより一般的に値段が高いので、価格面に不安がある場合はドライフードをお湯でふやかしてみるのも効果的です。
同じドライフードでも水分を加えることによって香りが引き出されるので、食欲が低下している犬に効果が期待できます。
ドライフードをふやかす際は、ドライフードに含まれる栄養素が崩れないよう熱湯の使用は控えましょう。
ドライフードが浸る程度の少し温かめのお湯を入れて、5~10分程度冷まします。
人間の手のひら温度まで冷めたら与えましょう。
この方法で食べない場合は、香りを強めるためにお湯の代わりに山羊ミルクや無調整豆乳、肉の出汁や魚の出汁などを使用するとさらに効果的です。

トッピングご飯にする

トッピングご飯の場合も犬の鋭い嗅覚を利用して嗜好性を高めるので、香りの強いものをドッグフードにトッピングしてあげましょう。
犬によって好みは様々ですが、一般的には肉や魚、チーズの香りは大抵の犬が好みます。
肉や魚は加熱時の出汁ごとドッグフードにトッピングして冷まして与えます。
一般的なドッグフードは肉が主になっているので、魚を加熱してスープごとかけてあげると食いつきが良くなる犬が多いでしょう。
人間用の生サーモンをはじめとし、人間用の刺身は骨が取り除かれているものが多いので調理に手間がかからず便利です。
また青魚には犬の健康維持や老化防止に役立つ、EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれているのでおすすめです。
チーズに関しては、塩分控えめでつくられている人間用チーズや犬用チーズをドッグフードにかける、または粉チーズをお湯で溶かしてスープ状にしてからドッグフードにトッピングすると良いでしょう。

果実を絞ってかける

犬の感じることのできる味覚は甘味、酸味、苦み、塩味、うま味の5種類と言われていますが、中でも犬が好むのが甘味です。
犬は人間に比べて味覚細胞が少なく(1/5~1/6)、味については鈍感です。
その代わり鋭い嗅覚を利用して食事を楽しみますが、甘味に関しては「A群レセプター」という受容器を持ち合わせていることから犬は敏感に反応します。

人工でつくられた甘味に関しては実は犬にとっての苦味成分が含まれていることが多いので、果実の果糖を利用して犬の嗜好性を高めるのが良いでしょう。
ブドウは中毒成分が含まれているので絶対に与えてはいけませんが、りんごや熟したキウイフルーツ、バナナなどをペースト状にして食事に混ぜてあげることをおすすめします。

ドライフードに混ぜるときは、ペースト状にした少量の果実をぬるま湯で薄めてからトッピングしてあげると効果的です。

愛犬が喜ぶ食事のコツ

食欲がない犬におすすめの食事についてご紹介致しましたが、老犬や何かしらの嗅覚系の病気を発症している場合は、特に香り豊かな食事で犬の嗜好性を高めてあげるのが一番効果的です。
犬は味よりも香りの強さで食事の好き嫌いを判断することが多いので、肉や魚、乳製品(乳糖が少ない山羊ミルクやヨーグルト)、果実などを利用して水分量の多い食事を試してみましょう。