2022年7月6日
犬に効果的なダイエット方法とコツをご紹介
ペット産業の発展と加工技術の向上で、ドッグフードや犬向けおやつの種類が飛躍的に増えました。これは素晴らしいことですが、バリエーション豊かな食と「犬は子ども同然」といった飼い主さんの考えが悪い方向に作用して犬の肥満が問題になっています。病気の原因にもなる肥満の対策と、健康的に痩せるダイエット方法を紹介します。
目次
そもそも肥満の状態って?
わんちゃんでいう肥満状態とは、どのような状態を指すのでしょうか。そのためには、まず愛犬の体重を量り、適正な体型かどうか知る必要があります。
体重を量ろう
犬は犬種によって標準的な体重や体型が決まっていて、それはスタンダードと呼ばれています。愛犬の犬種を知り、スタンダードの体重を把握しましょう。(※こちらの犬種図鑑にも平均体重が載っています。よければ参考にしてみてください。👉犬種図鑑 ~約100種類近くの犬種が掲載!~)
体型を知ろう
ただ、いくら純血種でも必ずスタンダードの犬ばかり生まれる訳ではありません。そもそも犬は大型犬を小型化してきたため、大きくなる要素を持っています。このため、小型犬なのにガッシリとした大柄な体格に育つこともあります。ですから体型もチェックします。
理想の体型は以下になります。
- 上から見た時に腰の部分がくびれている。
- 横から見た時に前足から後ろ足に向かってつり上がっている。
- 触った時に薄く皮下脂肪がついていて、肋骨にも触れられる。
もし、上から見たときに腰のくびれがなかったり、触れても肋骨が分かりにくかったり、後ろ足に向かうつり上がりがない(お腹が垂れている)場合は肥満です。体重と体型で愛犬の肥満度を把握してください。
食事量を知ろう
太る理由は、余分なカロリーを摂取しているからに他なりません。成犬の場合は1日2度の食事で1日に必要なカロリーを摂るようにします。
必要摂取カロリーや適切な食事量を知りたい方は、ドックフードのパッケージを参考にしてください。専門家がその子に見合った適切な食事方法を記載しているはずです。
運動量を知ろう
ペットショップで「この犬は小型犬なのでお散歩が要りませんよ」と言われた経験を持つ方も多いと思います。
家の中で自由に歩かせていると散歩は不要! と考えている方も多くいます。摂取カロリーと運動で使うエネルギーの量が合っていないケースが非常に多く見られます。
食事のチェックと同時に、いつ、どこへ、どれくらいの時間、散歩に出たのかチェックしてみてください。
飼い主さんのライフスタイルも多様化し、都会の住環境なども影響して、外で動き回る時間が限られている犬も多くいます。
具体的に動いている時間をチェックして数字でみると「運動不足かも!」と感じるかもしれません。
肥満の原因は?
1日の基礎代謝カロリー【身体を維持するために必要なカロリー】と、消費カロリー【身体を動かすことで使用されるカロリー】よりも、摂取カロリー【飲食を行うことで得るカロリー】が、上回ることが肥満の原因になります。
基礎代謝カロリー + 消費カロリー < 摂取カロリー
全然運動をしないのにも関わらず、たくさん飲食を行い、必要以上に摂取カロリーを得てしまうのが一番の原因になります。
ダイエット方法 〜食事編〜
それでは、食事管理によるダイエット方法を3つほどご紹介します。簡単にできるものばかりなのでぜひ参考にしてみてください。
フードの量を減らす
与えているフードの量が、適切な量よりも多いことが、肥満になるほとんどの理由になります。少しずつ痩せる量までフードの量を少なく調節していくことが大事になります。
注意点としましては胃液&胆汁【黄色い固形物の無い液体】を吐いてしまうようであれば、空腹状態により胆汁が胃に逆流して吐くことが原因になるので、それ以上フードを減らせません。
もしフードの量を少なく調節したら、胃液を吐いた、しかも痩せない。というようであればフードのカロリーが、現在のフードよりも、低カロリーのフードを選んであげることが重要です。
間食を止める
最も簡単なダイエットは「間食しないこと」です。
成犬は、朝夕2度の食事で1日に必要なカロリーを摂取できます。ですから、朝夕の食事以外、食べ物を与えないようにしましょう。
総合栄養食と書かれたドッグフードを用意し、パッケージに記載されている1日の目安量を食べさせるようにします。
体重1kg当たりどれくらい食べさせるのか、表示されていますから愛犬の体重に合わせて量をチェックしましょう。
総合栄養食には栄養分とカロリーがバランスよく配合されています。水と総合栄養食だけで大丈夫ですから「足りないかも?」と不安にならなくて大丈夫です。
缶詰を使用する
これが一番ダイエットとしては成功しやすいとは思います。なぜならカロリーがとても低いからです。
ドライタイプのダイエットフードでは100gあたり300cal前後のものが多いのですが、缶詰に関しましては100gあたり100cal前後のものが多いのです。
注意点としましては缶詰には、総合栄養食【バランス良く栄養摂取】と栄養保管食、栄養補助食【トッピングのようなもの】と種類がわかれております。栄養保管食、栄養補助食だけでは栄養がバランス良く摂れないので、総合栄養食と記載されたものをお勧めします。
ダイエット方法 〜運動編〜
食事の管理で体重が増えないようにしながら、運動で体に溜まった脂肪を使って減らしていくダイエットです。
運動量を増やす
運動量を増やすことで消費カロリーを増やすといった内容になります。歩く距離を長くしたり、生活の中に体に負荷がかかる動きを取り入れたりして、運動量を増やしていきます。
・おもちゃで遊ぶ
・散歩時間を長くする
・上り坂や階段を多く利用する
・泳ぐ時間を作る
・家の中の移動空間を広くする(寝床から食事の場所まで距離を長くする)
・ダイナミックに動く遊びを取り入れる
ポイントは「少しずつ」です。ある日突然、頑張る必要はありません。塵も積もれば山となる、を目指し、少しずつ、気長に動くことを心がけてください。
ただこれに関しては、老犬や、間接が悪い、心臓に疾患がある愛犬には適さないこともあるので注意が必要です。
ダイエット方法 〜その他〜
食事と運動でも難しい場合のダイエット方法です。
意識を変える
太っている犬は「好きなことは食べること!」になってしまっています。ですから、まず、食以外のことに興味を向けましょう。
飼い主さんと一緒に遊んだり、犬友達と一緒に遊ぶなど、食べることを忘れられる時間を作ってあげましょう。食事と食事の間の時間を我慢して過ごすのではなく、楽しく(食を忘れて)過ごすようにします。
どうしても食べたい子は、1日分のドッグフードを3~4回に分けて食べさせたり、カロリーの少ないものを間食に利用して胃が空っぽになる時間を短くします。
また、食べにくいお皿を活用して食事時間を長くしたり、ドッグフードに低カロリーの食材をプラスしてたり、総カロリーに注意しながら工夫してみてください。
プロに相談する
なお、上から見た時に愛犬の腰のくびれがなかったり、お腹が垂れ下がっていたり、胴回りの皮下脂肪が厚くて肋骨に触れられないような犬の場合は、必ず獣医師に相談してダイエットをしてください。
急激なダイエットは愛犬の体に大きな負担をかけるだけでなく、精神的にも辛い思いをさせることになります。人にとってもダイエットは辛いもので、長続きしないことが多いですよね。
・体が重くて動けないのに、むりやり運動させられる
・今まで好きなだけ楽しく食べていたのに、急にフードがもらえなくなった
・足や腰が痛い
・動くと息が苦しい(胸が痛い)
このような心と体の苦しみが続くと、犬も精神的にネガティブになってしまい、問題行動に発展することがあります。
肥満の犬の場合は必ずプロのサポートを受け、無理のない範囲で愛犬の心と体を守りながらダイエットをするようにしてください。
時には心を鬼にして!
愛犬の健康を管理しているのは飼い主さんです。喜ぶ姿を見たくて食べさせてしまったり、一緒に美味しいものを楽しみたくておやつを分けてあげたりする気持ちは分かります。
しかし、それが愛犬の肥満の原因になることも多く、辛いダイエットを愛犬に課すリスクに繋がります。
時には心を鬼にして、飼い主さんがグッと我慢して食べる量をコントロールしてあげましょう。そして愛犬の体型を常にチェックしながら、愛犬にちょうどいい体を維持するよう気をつけてあげてください。