犬種図鑑
2019年7月20日
タヌキのような見た目と狼のような毛色をしたキースホンド。性格は穏やかで優しく、初心者向けの犬種と言われています。今回は、そんなキースホンドの特徴と性格、歴史、飼い方までご紹介します。

キースホンドはどんな犬?

 


画像:instagram keesridge_allegro_con_brioさん

毛色がオオカミに似ていること、たてがみのような飾り毛から「スピッツ・ウルフ」とも呼ばれるキースホンド。

日本では珍しい犬種ですが、温厚でやさしい性格飼い主への忠実さから海外では根強い人気があります。

タヌキのようにも見える、目の周りのメガネのような黒いラインが特徴的。

全身をふさふさの毛でおおわれ、ポメラニアンを少し大きくしたような、愛らしい容姿をしています。

学習能力が高いキースホンドは、しつけがしやすく、子供がいる家庭でもおすすめできる犬種です。

キースホンドの歴史


画像:instagram chewie_the_eurasierさん

北方犬種の代表とされるキースホンドは、ドイツ原産、オランダ改良の中型犬です。

かつてはオランダで、運河の停泊船を守る番犬として活躍していました。

ポメラニアンを大きくしたような容姿で、とても似ています。ポメラニアンの祖先にあたる犬ではと推測されていますが、その起源は定かではありません。

18世紀オランダで起きた内戦に巻き込まれ、絶滅の危機にさらされましたが、愛好家の手によって大切に守られ生きてきた犬種です。

「キースホンド」と名付けられたのは1926年。

1933年には、オランダのケンネルクラブで公認となり、オランダの国犬となりました。

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キースホンドの特徴

キースホンド

<特徴>

  • 大きさ:中型犬
  • 標準体高:43cm~55cm
  • 平均体重:15kg~25kg
  • 被毛:ダブルコート
  • 被毛の色:黒・シルバーグレー
  • かかりやすい病気:皮膚の病気など

体格

キースホンドの平均体形は、体高43cm~55cm、体重15kg~25kg

胴は短く、がっしりとした体形の中型犬です。

被毛

毛は「ダブルコート」と呼ばれる硬くて太い上毛と、綿毛のようなやわらかい下毛の2層になっています。

毛色は、黒・シルバーグレー。長い毛が、寒さとケガから身を守る役割をしています。

キースホンドは毛量が多いため、暑さに弱く、体温調節がうまくできません。暑さのストレスによる内臓への負担が他の犬種より大きいです。暑い時期は、熱中症などに注意しましょう。

かかりやすい病気

キースホンドは皮膚の病気にもかかりやすいため、ブラッシングなど、こまめな毛のお手入れが必要です。

その他、先天的な要因でかかりやすい病気は

  • 股関節形成不全
  • てんかん(てんかんは後天的な要因の場合もあり)
  • ファロー四徴症

が挙げられます。

予防・早期発見のために、少しでも気になることがあれば、早めの検診を受けましょう。

念のため、親・兄弟犬の血統で病気を患った犬がいないか、事前に確認するのも大切です。

キースホンドの性格や気質


画像:instagram lifehacksbyruutiさん

穏やかでやさしい性格のキースホンド。

好奇心が旺盛で、学習能力も高く賢いので、しつけがしやすい初心者向けの犬種です。

ただ、やや早とちりな面もあるので、何度も丁寧にしつけをすることがポイントとなります。

屋外では活発に動いて、屋内ではのんびり過ごし、家族に甘える一面もあります。忍耐強いため、子供の遊び相手にも向いています。

とても愛情深く、飼い主家族のことを信頼し、忠誠をつくすキースホンドは家族犬としてぴったりです。

番犬の名残からか、見知らぬ人を警戒・吠える・他の犬を威嚇するなど、飼い主を守ろうとする行動をとることもあります。

キースホンドの飼育方法


画像:instagram chewie_the_eurasierさん

<飼育方法>

  • 散歩頻度:1日2回、1回30分
  • 食事の回数:1日1~2回
  • グルーミング:週に3~4回
  • 飼育環境:年中屋内飼い

ブラッシング

キースホンドは体毛が多いため、毛が絡まりやすいです。ブラッシングは皮膚の病気予防のためにも、週に3~4回がおすすめ。

換毛期は、特に毛が抜けます。換毛期はブラッシングを毎日するなど、こまめにケアしてあげてください。

散歩

散歩は1日2回1回30分が目安。毎日の散歩時間を確保してあげることが必要です。

たくさん散歩できなかった時は、ドッグランなど、思い切り走り回れる時間を作ってあげてください。

ボール遊びを取り入れるのもおすすめです。走ること・遊ぶことで、キースホンドの運動不足解消・ストレス発散になります。

キースホンドは太りやすいため、食事管理と運動が必要です。

食事

食事の回数は、若犬~成犬なら1日1~2回が目安ですが、運動量に見合った食事量が健康管理のポイント。

「股関節形成不全」対策のため、サプリメントが必要になる場合もあります。

室内環境

キースホンドは、清潔で体臭がほとんどしないこともあり、屋内飼い向きです。

日本の湿度・暑さに弱いので、年中屋内飼いをして、湿度や温度管理など体調に気をつけてあげてください。

夏など暑い季節の散歩は、涼しい時間帯に日かげを選んで歩きましょう。