2018年2月7日
いまさら聞けない?! 健康を守るドッグフードの種類と選び方
基本的な分け方
ドッグフードの最も基本的な分け方は「総合栄養食」「スナック」「目的食」の3つ。この分け方を覚えておけば大丈夫です。
総合栄養食
ドッグフードの中には、水とこれだけ与えておけば栄養面で問題ない、というフードがあります。このフードを総合栄養食といいます。
総合栄養食には犬の成長に必要不可欠な栄養素がバランスよく含まれています。「いつも同じもので味気ない」と思うかもしれませんが、頻繁にフードを替える方が犬の胃腸に負担をかけてしまいます。
犬を家族に迎えたらパッケージに総合栄養食を書かれたフードを購入して、普段の食事にしてください。
スナック
スナックというのは「おやつ」です。
肉の旨味を最大限に活かしたジャーキー、嗜好性の高い臓器類を乾燥させたもの、ビスケットのような加工品、長い時間遊びながらかじることができるオモチャのようなものなど、多種多様なスナックがあります。
目的食
目的食は、いわゆるサプリメントです。
オーラルケアをサポートするもの、皮膚トラブルに効果が期待できるもの、便通の改善に利用するもの、体臭をケアするものなど、特定の目的のために利用するフードです。
薬ではないので確実な効果が得られる保証はありませんが、愛犬の体に合うものを生活に取り入れることで、健康維持の助けになることがあります。
フードの固さによる分け方
ドッグフードといえば、乾燥した硬い粒状のものを思い浮かべるかもしれません。しかし開発技術や保存機能の向上によって水分が多いフードも数多く販売されています。フードに含まれている水分量で分ける方法を紹介します。
ドライタイプ
最も一般的で数多く販売されているドッグフードです。フードに含まれる水分は10%以下で、簡単に長期間保存ができ、持ち運びも簡単で、価格も安いという特徴があります。
総合栄養食として販売されているドライタイプのフードは栄養バランスもよく、しっかり噛んで食べるので犬の顎の発達や成長に最適です。飼い主さんにも愛犬にもメリットが多いドッグフードです。
セミモイストタイプ
ドライタイプとウェットタイプの中間のフードで、フードに含まれている水分は25~35%くらい。手で触るとプニプニとした柔らかい感触で、子犬やシニア犬が食べやすいフードです。
柔らかさを出すために穀物や脱脂大豆などが材料に使われていたり、糖類が多く含まれていたりするのが一般的です。
ドライタイプよりやや値段が高めで、開封後の賞味期限が短いものが多いのですが、犬の嗜好性がいいという特徴があります。
ウェットタイプ
レトルトパックや缶詰で売られている、水分が75%以上のドッグフードです。
保存技術の向上により水分が多くても未開封なら長期保存ができるようになっており、牛肉・豚肉・鶏肉・魚など原材料を選ばず、素材そのものの味や風味が保たれているフードです。
飼い主さんが「自分達が食べているものと同じようなものを食べさせられる」と感じられる上に、犬の嗜好性も高いので人気があります。ただ、栄養バランスは偏っているものが多く、単価も高いので、通常のフードには不向きです。
経済力が求められるフード
「愛犬は犬ではなく、人と同じ存在」「大切な家族の一員」という考えが広まる中、人気が出ているのがプレミアムフードです。
明確な定義はありませんが一般的に、材料はもちろん、製造から容器包装・保存まで、人向けの食品と同じレベルで作られた特別なフードのことをいいます。通常のドッグフードより価格がずっと高く、流通量も少ないという特徴があります。
最近では、着色料や保存料不使用だったり、健康維持の助けになるという成分を添加していたり、プレミアムフードの中でも、さらに価値の高いフードも登場しています。
プレミアムフードは経済的に余裕がある飼い主さん向けのフードといえます。
時間と知識が求められるフード
高い安全性を求める飼い主さんや、愛情表現のひとつとして手作りフードを愛犬に食べさせる飼い主さんも増えています。
材料を自分で選べ、ハロウィンやクリスマスなど季節のイベントを一緒に楽しめる上に、自由な盛り付けができ、作りたての新鮮な料理を食べさせられる手作りフードは「一度始めると止められない」という飼い主さんもいます。
ただ、犬に最適な栄養バランスや欠かせないミネラル類、食べさせてはいけない食材など、犬の栄養学に関する深い知識と、毎日手作りする時間が必要になります。
ひとつ間違うと、欠乏症や食中毒など命に関わる事態に陥る危険があるので注意が必要です。
特別な療養食
ドッグフードの中には、獣医師の指示のもとで食べさせる特別なフードがあります。
食物アレルギーがある犬や、腎臓機能が低下している犬、糖尿病や肥満の治療をしている犬などは、アレルギーの原因物質や特定のミネラル類を除いたフードや、糖類をコントロールしたフードを勧められることがあります。
こうしたフードは獣医師の指導のもと、飼い主さんが健康チェックをしながら食べさせるフードです。
飼い主さんの気持ちと愛犬の健康両方を満たすフードを選ぼう
ドッグフードは総合栄養食・スナック・目的食という基本的な分け方以外に、含まれている水分量や、製造方法、利用目的などで色々な分け方ができます。
総合栄養食さえ食べさせていれば栄養面で心配はありませんが、犬も大切な家族の一員です。飼い主さん自身も笑顔になれるフードを上手に選び、身も心も満たされる時間を作るようにしてください。