2020年4月25日
犬は何故下痢をする?原因や対策について
犬の下痢とは?
下痢は「犬の便の中に含まれる水分量が過剰に多くなっている状態」で、下痢になってしまう主な原因は3つあります。
- 腸が水分を上手に吸収できていない
- 腸から排出される水分分泌量が過剰に増えている
- 腸の動きが速すぎて水分吸収が適切にできない
犬の下痢〜考えられる原因と対策〜
犬が下痢をするときに考えられる主な原因は「急激な温度変化」「体に適さない食事」「アレルギー反応」「ストレス」「免疫力の低下」または「病気」です。
急激な温度変化
春先や秋をはじめとし季節の変わり目の急激な温度変化は、犬の下痢を引き起こす原因になります。
急に温度が変わることによって体が温度変化に適応できず、消化器官に過度な負担がかかって下痢をはじめとした消化器系症状が引き起こされます。
ちなみに個体差はあるものの、犬の場合は寒さに強いため人間のようにお腹が冷えて下痢をすることはほぼないと考えられています。
⇒温度差による下痢の場合は、季節の変わり目と冬場や夏場の室内外の温度差にも気をつけてあげましょう。
体に適さない食事
犬によっては体に合わない食事が原因で下痢を引き起こすことがあります。
単純に食事内容がその犬の体に適していない、または運動量に対して食事量が多すぎることも下痢の原因になります。
⇒食事内容の見直しをしてあげましょう。
全般的に犬は動物性たんぱく質の消化が得意で、穀物類の消化は苦手。
そのためドッグフードにトウモロコシや米類、小麦粉などが多く含まれていないか確認することが大切です。
また、乳酸菌や納豆菌、酪酸菌などの「プロバイオティクス」、腸の活性化に役立つ「バイオジェニックス」、プロバイオティクスの栄養源となる「プレバイオティックス」が配合されたドッグフードやサプリメントを活用するのも効果的です。
アレルギー反応
ドッグフードをはじめとした食事に含まれるアレルゲンにより、下痢や嘔吐が引き起こされます。
犬の食物アレルギーは主にタンパク質がアレルゲンとなることが多く、下痢や嘔吐以外にも皮膚の痒みが現れることがあります。
⇒食物アレルギーによって下痢が引き起こされている場合は、アレルギー原因である食物を犬の食事から排除します。
血液検査では、体内の抗体を測定するための検査「IgE」と、リンパ球を測定する検査を行うのが有効的です。
ストレス
ストレスも犬の下痢の原因になります。
犬は環境の変化にとても弱く、飼い主が変わったり住む場所が変わったりすることで「ストレス性腸炎」を引き起こすことがあります。
⇒犬がストレスを感じない生活環境を整えてあげましょう。
免疫力の低下
犬の免疫力が低下していると、腸内環境の善玉菌と悪玉菌のバランスが乱れる、または健康な状態では感染しない腸内寄生虫に感染することによって下痢を引き起こすことがあります。
健康体の犬であれば腸内の善玉菌と悪玉菌は自然にバランスが整うようになっていますが、免疫力が低下している犬の場合、悪玉菌が増殖することから下痢を引き起こすことがあります。
また、腸内寄生虫に関しても同様に免疫力が低下しているとジアルジアやコクシジウムなどの寄生虫が増殖して下痢の原因になります。
⇒犬の免疫力向上のために食事を見直しましょう。
食事に関しては質の良い動物性たんぱく質が不足していないか確認し、腸内環境の健康に配慮します。
犬の免疫細胞の約6~7割程度が腸に集中しているため、免疫力向上には腸の健康維持が必須です。
病気
下痢を症状とする犬の病気は、胃や腸の病気以外にも数多くあります。
・胃や腸の病気、膵臓の病気、肝臓の病気、感染症、ジステンパー、パルボウイルス感染症、レプトスピラ症、イヌ伝染性肝炎、悪性腫瘍、内部寄生虫、中毒など
⇒下痢以外にも元気消失や食欲低下をはじめとする別の症状が見られる場合は、早めに動物病院で検査をしましょう。
下痢を改善するためには、どんな病気を発症しているか早めに原因特定をして、根本的な病気の治療を行う必要があります。
まとめ
犬が下痢を引き起こす場合、何かしらの病気でなくても一時的に温度変化やストレス、食事内容や免疫力低下によって下痢をはじめとする消化器症状を起こすことがあります。
頻繁な下痢は犬の消化器官のみならず体全体の健康にとって良くないため、単なる下痢だと放置してしまわずに、考えられる原因に応じて対策を行いましょう。
頻繁に下痢をする場合は、早めに獣医師に相談して適切な検査と治療を行うことをおすすめします。