健康・美容
2020年1月24日
最近では多くの飼い主さんが、愛犬に手作りご飯をつくるようになりました。手作りご飯を作ったことがない飼い主さんも一度は、愛犬に作ってあげたいと思ったことはありませんか。今回は、手作りごはんに挑戦しようと思っている方に向けた基本的な部分についてご紹介したいと思います。

手作りご飯の良さ

手作りご飯は栄養バランスについて考えると難しい部分もありますが、個々の犬の体調や病気、また体の性質に合わせてご飯をつくることができるというメリットがあります。

使用する材料も新鮮な食材を利用できるため、犬の健康維持に役立ちますよ。

基本的な6大栄養素とは?

犬に必要な5大栄養素である「たんぱく質」「脂肪」「炭水化物」「ビタミン」「ミネラル」に加えて、犬の全体重の約40%~80%(年齢や個体差で異なる)である「水」の組み合わせが犬の6大栄養素と呼ばれています。

  1. たんぱく質…犬の体の20%程度がたんぱく質⇒主に肉や魚に含まれる
  2. 脂肪…犬の体のエネルギー源となる栄養素⇒肉や青魚、ごま油などに含まれる
  3. 炭水化物…犬の脳や筋肉のエネルギー源となるが、犬の手作りご飯では制限したい栄養素⇒米類に多く含まれる
  4. ビタミン…犬のエネルギー源にはならない栄養素だが、犬の生理機能や代謝機能を働かせるために必要⇒野菜や果物に多く含まれる
  5. ミネラル…細胞機能を正常に維持するために必要な栄養素で、体の代謝機能にも大きな関りをもっている⇒ワカメやヒジキなどの海藻類や緑黄色野菜に多く含まれる

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犬に与えてはいけない食材とは

人間にとって健康価値の高い食材であっても、犬にとっては有害となる食材がたくさんあります。

  • 絶対に与えてはいけない食材…チョコレート(ココアが含まれたもの全て)、ぶどう(干しぶどう含む)、ねぎ類全般、野菜のヘタと芽、鶏の骨、生の卵白
  • 犬に好ましくない食材…アボカド(ペルシンが多い種類のアボカドは不可)、アブラナ科の食材(甲状腺疾患がある犬の場合は不可)、牛乳(乳糖が多い乳製品は犬が消化できないため不可)
  • 工夫して与える必要がある食材…生魚(継続して過剰に与えるとチアミンの欠乏症の原因になる)、ほうれん草(シュウ酸を抜くための下処理が必要)

適切な量はあるの?

手作りご飯の量は、目分量でつくる方法と計算式を利用してつくる方法があります。

目分量でつくる場合

犬の耳下の付け根部分から頭部のてっぺんまでを器に見立てて、その器いっぱいにご飯が入る量を目安に考える(1日2食であれば器2杯が目安)

計算式を利用する場合

犬が安静にしている時のエネルギー要求量を計算し、その結果を踏まえて1日に必要なエネルギー要求量を計算する。
安静時のエネルギー要求量計算式=体重×体重×体重=√√×70
1日に必要なエネルギー要求量=安静時のエネルギー要求量に下記係数をかける
・係数・・・4か月以前の子犬「3.0」、5~9か月の子犬「2.0」、避妊手術済みでない成犬「1.8」、避妊手術済みの成犬「1.6」、運動量が少ない老犬「1.4」、肥満の犬「1.0~1.4」、運動量が多い犬「4.0~8.0」

意外と知られていない?

意外と知られていないのですが、野菜を与える時は細かく刻むようにしましょう。犬は野菜の消化が苦手です。細かくしてあげないと消化吸収することができません。例えば、みじん切りにしたり、フードプロセッサーやミキサーを使用したり、野菜を細かくして一度冷凍後に解凍することで野菜の細胞壁を壊す工夫をしてみましょう。

もちろん、犬によって消化能力には個体差があります。犬が便をした時に野菜が消化されているか確認することをおすすめします。

まとめ

犬の手作りご飯は慣れるまで時間がかかりますが、今回ご紹介させていただいたような基本的な知識を身につけると以外に簡単につくれます。
腎臓病や肝臓病、悪性腫瘍や心臓病などを中心に、病気の犬は特に制限が必要な栄養素や追加で与える必要がある栄養素などが大きく異なりますので、個々の愛犬に合わせた健康的で美味しい手作りご飯をつくってあげましょう。