トレーニング・Tips
2018年5月4日
アジリティーとは、犬と人がコミニュケーションを取りながら障害をクリアし、タイムを競い合う障害物レースです。1978年にイギリスのドッグショーcrafts(クラフツ)で行われたのが始まりで、近年日本国内でも人気が高まっています。日本では1993年からJKC(ジャパンケネルクラブ)で競技会が開催されるようになりました。世界大会では日本人選手も上位に食い込むようになり、年々レベルが上がっています。
今回は、JKCのアジリティー競技を中心にお話します。

アジリティーってどんなスポーツ?


アジリティーとは、犬と一緒に走りながら、設置された障害を決められた順にクリアしていくドッグスポーツです。JP(ジャンピング)とAG(アジリティー)と呼ばれる2種目があり、置かれる障害物に違いがあります。

JPでは、犬がジャンプしてクリアするハードル、レンガ、ロングジャンプ、タイヤや、筒状のトンネルなどの障害物が置かれます。

AGではそれにドッグウォーク(歩道橋)、シーソー、Aフレームが追加され、これらはタッチ障害や登りものと呼ばれます。タッチ障害は、両端の色が変わった場所を犬が踏まなければならず、飛び越えてしまうと減点になってしまいます。

競技開始前に飼い主(ハンドラー)には7分間の検分時間が与えられ、実際にコース内に入ってコースや立ち位置などを確認することができます。(JKCアジリティー規定参考)

犬種に関係なく、体高によってS、M、Lのクラスに分かれ、ハードルの高さなどが変わり、ビギナー、1度、2度、3度の順に難易度が上がっていきます。1度から2度、2度から3度に昇格するためにはそれぞれAG種目を3回ミスなしで完走しなければなりません。

アジリティーはスピードと確実性が求められる競技です。飼い主も一緒に走るので良い運動になりますし、短時間でコースを覚えなければならないので脳トレにもなりますよ。

アジリティーにはどんな犬種が向いているの?

世界的にも上位入賞するのはボーダーコリーが多いため、競技犬数もダントツに多いのはボーダーコリーです。その次にシェットランドシープドックが続きます。その他には、トイプードルラブラドールレトリバー、ジャックラッセルテリア、コーギーなどが多く出陳されます。街中では珍しい、オーストラリアンシェパードやベルジアンシェパードなども会場では見ることができます。

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アジリティーの競技会にでるには

日本では主にJKCとOPDESという団体でアジリティー競技会が開催されており、規定は微妙に異なりますが、だいたいのルールは同じです。

JKCでは、JKCクラブ会員の所有する登録犬が主な対象となります。競技会に出るにはJKCから申込書を取りよせるか、所属のドッグスクールや訓練学校から団体で申し込みます。OPDESでは犬の教育社会化を推進しており、雑種を含むすべての犬に出陳資格があります。OPDESのチームテスト(社会化認定試験)に合格すればアジリティー競技会には出場することができます。

競技会は、河川敷や広い多目的場などの屋外で行われることが多く、ほとんどは一般の人も観戦できます。興味があれば覗いてみても楽しいかもしれません。

アジリティーの練習方法


機材練習は専用のアジリティー機材が必要になりますので、アジリティー訓練を行っているスクールや訓練所に通うことになります。練習方法はそれぞれの先生によって異なります。まめに通って練習することが大事です。ハードルなどの簡単な障害は、ホームセンターで材料を買って手作りし、自宅で練習する人もいます。障害をクリアできたらご褒美をあげたりよく褒めてあげたりして、それを定着させていきます。うまくできないからと言ってハンドラーが怒ってしまうと、犬が意欲的に走らなくなってしまうことがあるので要注意です。最初は障害の少ない簡単なコースから始め、だんだん難しいコースにチャレンジしていきましょう。

最後に

機材練習については練習あるのみですが、根本的には犬と人のコミニュケーションが重要になり、逆に言えばアジリティーを通して愛犬と良い関係性を築くことができます。どうやったら犬に伝わるか、考えたり試したりしていく行程がアジリティーの楽しみでもあり、普段の生活から犬とコミニュケーションをとるようになります。アジリティー競技会に限らず、年に数回でも愛犬が主役になる一日があると、犬との生活がより豊かになるのではないかと思います。