2020年7月18日
夏が来る前にチェック!散歩中の熱中症対策
犬の熱中症とは?
気温が高く、日差しの強い時期になると、「日射病」と「熱射症」が多発します。高温多湿で換気の悪い場所に長時間さらされたり、暑い環境下での運動などにより熱の放出が不十分となり、体温が上昇した状態を熱射病と呼びますが、炎天下で直射日光を浴び続けて起こる状態を日射病といいます。こうした体外の熱が原因で起こる不調の総称を熱中症といいます。
わんちゃんでは熱射病のほうが多く見られます。犬は極めて暑さに弱い動物です。犬には汗腺という汗を出す腺が皮膚にはなく、足の裏の肉球にだけ分泌型汗腺があるだけなので、私たちのように汗をかいて体温調節することはできません。体温が上がりそうになると、口を大きく開けて気道を広げ、水分と熱を放出しています。
特に、日差しの厳しい自動車内、熱を溜めて熱くなったコンクリート道路での長時間散歩などは要注意です。ボクサー、ボストンテリア、パグ、ブルドック、ペキニーズ、シーズーなどの短頭腫は、呼吸による熱の放出効率が悪いので、たとえ気温がそれほど高くなくても発病する危険性があり、心臓または腎臓の病気や肥満も、犬の体温調節の妨げになります。また、短すぎるサマーカットにも注意が必要です。被毛は日光から皮膚を守ってくれる役割を持っていて、刈りすぎると逆に暑さを感じます。サマーカットをする場合は短くなりすぎないようにするか、薄い服を着せて皮膚を守るようにしましょう。
暑くなってきたら昼間の散歩は避け、早朝や夕方の涼しい時間帯に外にでるように心がけ、真夏は早朝や夕方でも、熱中症対策をしっかりしてお出かけしましょう。
夏のお散歩・熱中症対策グッズ
クールTシャツ
Tシャツを着せて出掛けると、太陽光や路面からの照り返しの熱が当たるのを防ぐことができます。着せるだけで遮熱効果がありますが、濡らして着せることで気化熱を利用し、さらにひんやり効果があがります。素材は風通りの良いメッシュ素材が良いでしょう。
Ruffwearジェットストリームベストは、ジッパー式クロージャーと3層構造で設計されていることが特徴です。外層は熱を反射し、内層は湿気を逃がします。また、特殊な加工がされており紫外線から愛犬を守ることもできます。
犬の体温上昇が抑えられる運動時用のベストです。胸部には3層構造のメッシュ素材を採用し、濡らしたベストから水が蒸発する
ひんやりバンダナ
ポケットのついたバンダナやスヌードの中に小さな保冷剤をいれて巻けば、首元の大きな血管が冷やされて体温上昇を防ぐことができます。
熱中症チェッカー
獣医学の専門家によって開発されたもので、温度と湿度を測定し、注意・警戒・危険の3段階をLEDとブザーで教えてくれます。車やお外に出る時、お部屋に置いておくと一目で暑さの状況がわかるので安心です。
熱中症かな?と思ったら
たとえ熱中症対策を万全にしていたとしても安心せず、わんちゃんの様子はしっかりチェックするようにしましょう。
犬が熱中症になると、初期症状として息をはずませたり、あえぐように呼吸をするようになります。そしてよだれを大量に流したり、口の中が鮮紅色になり、やがてチアノーゼを起こして粘膜は青くなっていきます。
熱中症かな?と思ったら、すぐに病院に連れていきましょう。休診時間や出先などですぐに連れていけない場合は、応急手当として、わんちゃんを風通しの良い涼しい場所に移すか、扇風機などで十分に換気してください。口の中のよだれをぬぐい、水を飲んでくれるようなら飲ませ、水をかけたり濡れたタオルをかけてあげたりして体温を下げるように努めます。急激に氷水に浸すようなことはしないでください。そしてなるべく早く受診するようにしましょう。
最後に
熱中症は、飼い主がちょっと注意すれば避けられる病気ですが、発症して症状が進んでしまうと死に至る恐い病気です。少しの時間だけだからと言ってわんちゃんを車に置いて行ったり、閉め切った暑い部屋に留守番させたりしないようにしてください。お散歩は時間を調節し、熱中症対策をしっかりして、飲み水を携帯して出かけましょう。